※当然のように捏造含む
※白朮の伝説任務の内容を含む
※ストーリーPV「諸苦無隙」の内容を含む(時間軸は、このお話が起きた後)
※以下の番外編の内容を含む
L出会い編「七七」
L出会い編「タルタリヤ」



現在、私は璃月港を訪れていた。
不卜廬の仕事として港の外に採取に来ていた七七さんを偶然発見し、手伝う流れとなった。初めは「だいじょうぶ」と断られたのですが、あの量の荷物を運ぶ七七さんを見ていたら放っておくことなどできず……。

結局七七さんが「わかった」と折れ、残る採取を行い璃月港へ運んだのだ。
……と、前置きはここまで。

今私の目の前にいるのは、鮮やかな緑色の髪が印象的な物腰の柔らかい男性。前回、七七さんと初めて会った後に訪れた不卜廬では彼に会わなかったのだ。つまり、今日が初対面なのです。
男性は作業中の様子で、半身でこちらを見ている。


「……もしや、貴方が白朮さんですか?」

「おや、私の名を知っていたのですね」

「ええ。七七さんから『白先生』と呼ばれていますよね?」

「はい、合っていますよ」


では、改めて自己紹介を。
そう言って白朮さんは、身体ごとこちらを振り返った。


「私は白朮。ここ不卜廬の店主を務めています」

「私は名前と申します。よろしくお願いします、白朮さん」


横から見えていた表情でも思っていましたが、優しい人間のようですね。七七さんを救ったという人物が白朮という名の人間であることしか知りませんでしたから、少々警戒していたのです。


……白朮さんが振り返った際に気づいたのですが、彼が首に巻いているのは……白蛇でしょうか?
それにしては雰囲気がこちら側・・・・と似ているようですが……もし同じ存在なのであれば、あの白蛇は弱すぎる。

これについては今割り込んで聞く事でもないでしょう。まずは白朮さんという人間を知りたい。


「名前さん……あぁ、貴女が! 七七から度々話を聞いていたのです」

「まぁ、そうだったんですね。もしかして、彼女の中に私は印象強くのこっているのでしょうか」

「というのは?」

「七七さんは人間とは思えないほど、記憶力が弱いように見受けられます。ですから、長くは覚えることができないのではありませんか?」


七七さんは自分が記憶力が弱いことを自覚している。それについて白朮さんが知らない訳がない。だって、が言っていたもの……封印から解かれた七七さんに手を差し伸べ。引き取ったのは、白朮さんだと。

……彼に時間があるのなら聞きたい。何故七七さんを引き取ったのか。
なにか目的があるのか、ただの善意なのか。前者の場合、悪巧みでなければいいのですが。今の所、彼からは悪意というものは一つも感じないけれど、隠す事が上手い可能性もありますから、油断はできません。


「はい、あの子は一見生者に見えますが、一度死を体験しているのは確かです。そのため、長く記憶を持つ事ができないのです。余程の事がなければ、ですが」

「余程の事?」

「七七にとって強烈な出来事であれば、流石のキョンシーでも記憶に残るようですね」


キョンシー
確か、生きた屍のことを指す存在でしたか。記憶力が弱いことも、普段から身体を動かすことを意識していることも……生気を感じないのも。彼女が正しき生を持つ人間ではないからだったのですね。


「強烈な出来事……私との出会いは、彼女にとって強く残る様なものだったのでしょうか?」

「私は貴女の名前を七七からよく聞いていますよ。記憶が定着しにくいあの子から同じ名前を聞くことはそう多くありません。それも、良い意味で話してくれるのです。七七にとって貴女との出会いは勿論、貴女と過ごす時間は強く残る”良い出来事”なのですよ」


七七さんとは初めて会ったあの日以降も度々交流を深めていた。彼女の存在は私にとって後悔と言える……私が力不足だったばかりに七七さんは生と死の両方を選ぶ形になってしまった。迷ってしまったばかりに、不完全な状態として生きることになってしまった。

せめて、その償いとして彼女の力になりたい。その気持ちが七七さんにとって良い出来事に含まれたのでしょうか。


「そんな名前さんにいくつかお聞きしたいことがあります。……お時間はありますか?」


に似た金色のような瞳がこちらを捉える。その目は人間に対して使うのは誤りであるのは分かるのですが……まるで、蛇に見つめられている感覚です。


「夜には返していただけると。それならば答えられる範囲で貴方の質問に答えましょう」

「ありがとうございます、名前さん。では、少し場所を移動しましょうか」


白朮さんは受付から出てきて先に不卜廬を出ると、こちらを振り返った。着いてきて、ということでしょう。
彼の元へ近付くと、白朮さんは先を歩いていった。私の予想は合っていたようですね。



***



白朮さんの後を着いて行くこと数分。
彼が私を連れて移動した場所は、は璃月港を見下ろすことができる所だった。目の前には綺麗な景色が広がっている。今は昼間ですが、夜の璃月港も綺麗なんですよね……って、話が逸れてしまう。



「それで、こんなところまで私を連れてきて何を聞きたいのですか?」



別に質問はあの場で行ってくれても大丈夫だったはず。だというのに、白朮さんはわざわざ場所を移動した。ということは、今から彼が私に聞く内容は、他人に聞かれたくない内容である可能性が高いことが推測できる。


「そんなに警戒しないで下さい。私は貴女とお話ししたいだけなんです」

「ただの会話であれば、こんな人気のない場所には移動しませんよ」


さて、白朮さんは私に何を問いたいのか。
彼が悪い人ではないことを信じたいところです。


「確かにただ話をするつもりはありません。何故なら……貴女が普通の人間ではないと私が考えているからです」

「!」


……目が鋭いと言えばいいでしょうか。
外見で言えば私は普通の人間とはそう変わらない。ただ、後部にある尾をただの飾りと見ているのであればですが。

白朮さんの顔は確信に近いものを覚えているように見えます。ですから、私の尾は本物の尾であると見たのでしょう。だから私は普通の人間ではないと結論づけた。


「正解です、白朮さん。何を基準にしたのですか?」

「私が教えたのさ」

「え?」


聞こえたのは白朮さんではない別の……可愛らしい声。一体何処から……。


「ここだよ、仙女」


もう一度聞こえた声を頼りに首を動かせば、そこは白朮さん。ただし、白朮さんは「私は喋っていませんよ」と言いたげに笑みを浮べているだけ。

……であれば、残るは。


「まさか、あなたですか?」


白朮さんの首元にいる白蛇。
あの子が私が人間ではないと白朮さんに教えたということでしょうか?


「私が喋ると思わなかったのか? 残念だったね、私はただの蛇じゃないよ」

「彼女は長生。貴女と同じ仙獣ですよ」


白朮さんから告げられた白蛇の名。長生と呼ばれた仙獣……なるほど。だから似た雰囲気をあの白蛇……長生さんから感じたのですね。


「私が仙獣であることも、あなたが」

「ああ。戻ってきてたんだね、瑞相大聖」


私を知る仙獣。……だけど、私はあの白蛇を知らない。一体どの力を持った仙獣なのだろうか。
とにかく言える事は___


「あなたは何の力を持つ仙獣なのですか、長生さん」

「長生は生気や病を移し替える異能を持った仙獣です。手段は違いますが、何処か貴女に似ていますね」


白朮さんと長生さんには強いつながりがあるということ。
それは、私とにあるつながり……契約と似ている。


「では、私が貴女をここへ連れてきた本題に入りましょう」


前置きが長かったですが、ここからが本題です。白朮さんは何を私に聞きたいのか。その内容は何なのか。
……私を仙人と知っていて、何を願うのか。



「貴女は守護の名を冠する仙人。守る力と癒やす力を持つ存在……そんな貴女の力がどれほどのものか知りたいのです」



なるほど、普段から生死と関わることのある白朮さんだからこそ、私の力が知りたいとおもったのですね。


「貴方はそれを知ってどうしたいのですか?」

「多くの患者を救う近道になればと思っています。私は病だけでなく、不死になる方法も知りたい……数多の命を救ってきた貴女なら、何か知っているのではありませんか?」


人を救いたいという気持ち……ええ、彼から感じるこれは、白朮さんの言葉が本心である事を証明している。
数多の命を救ってきたと言いましたが、命を奪った方が多いのに……貴方の弟子でさえ、救えなかった情けない私に問うとは。


「不死の方法ですか。まず、人間に不可能である事は断言しましょう……普通であれば、ですが」

「普通は。……その言いぶりだと、何か知っている様ですね」

「ええ」


まず初めに私が答えようと思ったのは、不死になる方法です。そちらの方を選んだ理由、それは……。


「何故なら、貴方の目の前にその近道があるからです」

「どういうことだ?」

「私がその近道・・だということですよ、長生さん」


私自身が不死にする力が備わっているからです。
……実は他者を不死にする可能性を自分が持っていることを知ったのは、割と最近なのです。


「他者を不死に出来る……一体、どんな方法で?」


当然知りたいでしょう。白朮さんは不死を求めている。人の理から外れる術を知りたいのですから。
……さて、その方法を聞いて白朮さんはどんな反応をするのか。そして、私の話に頷くのか……貴方という存在を見極めさせていただきます、白朮さん。



「全ての仙人に当てはまるとは言いません。ですが、これだけは確かです___私の血は、人を本来の理から外し、不老不死にする力があります」



私の発言に白朮さんは、その金色のような瞳を見開いた。彼の反応を見た私は話を続けるため、再び口を開いた。


「残念ながら、一度血を取り込めば不老不死になるわけではありません。継続して摂取する事で老いず、寿命が伸びるようです」

「その口ぶり……まるで、誰かに言われたのか」

「はい。つい最近になって、私にこの力があることを知ったのです」


この事実を知ったのは、久しぶりに璃月へ訪れたタルタリヤさんから聞いたからだ。フォンテーヌへ行く前に私と模擬戦をするために璃月へ訪れたタルタリヤさんに勝った後、「そういえば」と話を切り出されたのです。

その内容は___かつて私を璃月から離したファデュイの現在についてだった。私は璃月を離れて200年の時が経っていた。だというのに、あのファデュイは初めて会った時と外見が全く変わらなかった。


その理由は私の血を摂取していたから。タルタリヤさんによると、あのファデュイの研究室から血液が入っていた痕跡が残っていた試験管と注射器、そえらに貼られていたメモが発見されたという。そこにはこう書かれていたそうだ……”仙人の血”と。

あの場には仙人は私だけだ。なので、確実に私の血であると分かる。
そして、私が去りしばらくはあの外見を維持できていたそうだが、私の記憶が戻り璃月へ帰ってきた後のファデュイは日に日に老いていったという。これまで止まっていた時間が急激に流れたように。


『相棒が言ってたよ。君の旦那さん……降魔大聖には伝えたって。聞いてなかった?』


また、タルタリヤさんはもう一つ教えてくれた。あのファデュイの末路について、空さんとパイモンさん、そしては知っていたことを。

どうして教えてくれなかったのかは今は聞かないでおきましょう。知っていて教えなかったということは、何か理由があるのでしょうから。


それに、私が知りたいのは白朮さんの回答だ。
がどうしてあのファデュイの末路について教えてくれなかったのかではない。



「貴方が求める不死への答えが、今目の前にあります」



白朮さんがほしいのは不死のみ。老いについては口にしていなかったので、長生きすることが目的なのでしょう。
……私が先に不死の方法について問うたのは、白朮さんの真意を見たいから。自分の欲を満たすためなら躊躇なく手を染めるのか、と。

そんな人物であるなら私は……七七さんを彼に預けられない。目的があって七七さんを引き取ったとはっきりするからです。


「……白朮さん、貴方は私の血を欲しますか?」


私は試している、白朮という人間を。
彼の選択を。善のある人間なのか、悪を持つ人間なのかを。

黙って白朮さんの答えを待っていると、彼が口を開いた。


「……私は、誰かの命を屍に不死になりたくはありません」

「!」

「手段を選ばない主義であることは認めます。私はただ病に苦しむ患者を救いたい、死にゆく者達を救いたいのです。そのためなら、私はどんな手段にも手を出しましょう」

「……」

「ですが、貴方は七七が心を開く数少ない一人なのです。そして、璃月を守る守護夜叉……不卜廬は貴女の意思に影響された部分がありますから、そんな存在を糧にすることなど私にはできません」


白朮さんが自身の手を長生さんの元へ近付ける。長生さんは白朮さんの手へと頭を乗せた……その仲の良さが、私にはただ契約しているだけの関係に見えなかった。


「貴方にならお話ししましょう。私と長生の関係、そして不卜廬誕生についてを」


白朮さんは初めに自身と長生さんの関係について話した。長生さんは、生気や病を移し替えるという能力を長年契約者に使用していたことで衰えてしまったという。長生さんが生きるには、誰かと契約することで生気を共有しなければならない。

長生さんと契約するにあたって、条件があるという。その条件は「人間であること」「誠実であること」「前契約者の縁者であること」の3つ。仙獣の契約はそう簡単なものではありませんから、白朮さんはその条件を全て満たしているのでしょう。

3つの条件が達成することで成立する契約は、得られる能力は大きいですが失うものも多かった。長生さんと契約した人間は、その生涯の中で誠意を燃やし病を引き受け、多くの命を救ってきた。ですが、その代償として引き受けた病によって命を削ってしまい、その炎を絶ってしまったという。

当然白朮さんも多くの病を引き受けているという。なので、稀に動けなくなってしまうと言う。……契約故の運命ですから、そう簡単には変えられません。

それは白朮さんにもよく分かっているようで、それでも救いたいそうだ___衰弱していく長生さんを救いつつ、自らも死を逃れる道を。それが、私に不死の術を問うた目的だった。


次に不卜廬誕生について、白朮さんは話してくれました。白朮さんの師匠は元往生堂の者だったそうで、ある日薬師の道へ進んだようで、それが不卜廬誕生に繋がったという。
そのため、方向が違えど往生堂と不卜廬の意思「人を救う」というものは同じであると白朮さんは話してくれました。


「……なるほど。どうやら私は貴方のことを警戒しすぎていたようです」

「それでは私の事を疑いの目で見ることは止めて下さいますか?」


白朮さんの問い掛けに私は頷いた。
少なくとも現時点では脅威とは感じない。私と同じ、自分の命を投げ捨ててでも苦しむ存在を救いたい。そんな人間なんだと分かりました。


「気づいていたんですね。上手く隠していたつもりだったんですが……これでは、またあの人に溜息を着かれてしまいそうです」

「あの人?」

「降魔大聖のことですよ」

「あぁ、あの方でしたか。貴女も彼と同じ夜叉一族ですから、知っていて当然ですね」


まぁ、ただ知ってるだけという関係ではないのだけど……別に伝える必要もないでしょう。今話している内容に重要ではありませんから。


「あの人のことはおいておき……まずは謝罪を。そして、七七さんのことを引き取って下さり、ありがとうございます。白朮さん」

「私は人を助けるという信念を通しただけです」

「それでもですよ。その見返りとして、不死については返すことはできませんが、私の仙力で育てた薬草はいかがでしょう? たしか、薬の調合が趣味だとお聞きしたのですが」

「いいのですか? そんな貴重なものをいただいてしまって……」

「昔は仙力を補給するためにと洞天で育てていたのですが、今では持て余しているだけで。もし使えそうであれば貰って下さい」

「そのようであれば、貴女の厚意に甘えますね」


今日は1つ、心に引っかかっていたものが解消されました。それと同時に白朮さんと知り合えましたし。


「後日、約束の品をお持ちしますね」

「はい、お待ちしています。その日は是非お茶でも」


___約束通り、私は洞天で栽培していた薬草を差し上げました。それを材料に仙人に効く薬を作ろうと意気込む白朮さんを知るのは、今の私に知るよしもない。



***



「男のにおいがする」

「間違ってはいないけれど、よく分かったわね」

「嗅いだことのあるにおいだったからだ」



望舒旅館へ戻った私を出迎えたのはだ。だが、私に近付いた途端、嫌な顔を浮べたのだ。


「このにおいは、不卜廬の店主のものだな」

「白朮さんのことね。今日初めてお会いになって、色々お話ししたの」

「なるほど。だから覚えがあったのだな」

「あれ、は白朮さんと会ったことがあるの?」

「……一度、介抱されたことがある」


は少し言いづらそうに話し始めた。私がいない間に業障が酷く意識を失ったときがあったらしい。その時に不卜廬の者……正確には七七さんに運ばれ、白朮さんが治療を施したとか。それでは白朮さんのことを知っていたのね。

……気になったのだけど、七七さんはどうやってを運んだのかしら。どう考えても七七さんの体格ではを運べると思わないのだけど……まぁ、の名誉のために敢えて触れないでおきましょう。


「白朮さんは私達の業障もなんとかならないか考えているみたい。不卜廬と往生堂には魔神が残した災疫に対抗する術があるみたいで、それを薬にできないかって思ってるそうなの」

「お前も知っているだろう、凡人が作る薬は凡人にしか効かぬ。仙人には意味のない事だ」

「実はそれについてなんだけど……」


私はに、自分の洞天で栽培していた薬草を白朮さんに差し上げる話になったことを伝えた。私の洞天で育ったと言う事は、私の仙力を栄養に育ったもの……微弱とは言え、私の力が含まれている薬草というわけなのです。


「なるほど。もしかすれば、我らに巣くう業障を払う薬を作り出すのでは、と期待しているのか」

「ええ。私は薬草の知識はあるけれど、それらを調合して薬を生み出す技術は持っていない。どうせなら、有効活用していずれは作ってくれないかなって思ってるの。強要しているわけじゃないわ」


白朮さんに期待しているのは、きっと本当の事だと思う。私も彼と一緒で、人を癒やし救いたいと言う気持ちがあるから。だから白朮さんを応援したいのだと思う。


「……気に入らない」

「え?」

「お前が他の男に興味を持っていることが気に入らぬ」


だけど、はそれが嫌みたいで。
ぐいっと引き寄せられ、暖かな温もりの中に私を閉じ込めたの声は、明らかに拗ねている。


「もう、言ったじゃない。私にはだけだって」

「分かっている」

「それに、私が他の男性の話をするのが嫌ということは、帝君の話もだめってことになるわ」

「帝君は……うぅ、」


だめと言いたいのにすぐに言えないところ、貴方らしくて好きよ。
そう思いながらの背中に自分の腕を回す。


「私はただ、貴方を苦しめる業障を消す方法の希望にならないかと思っただけなの。不安にさせたのならごめんなさい」

「……そう、だったのか」


白朮さんから話を聞いて、改めて思った。私が離れている間には多くの業障を受けてしまっていた。私の力で少しずつ、少しずつ消しているけれど、それでも彼の抱えるものは多い。


「お前の気持ちは分かった。だが、もし白朮がその薬を作り出せたときは、お前も飲むと約束しろ」

「え?」

「我の方が酷いと言うが、お前は……過去に業障に呑まれそうになった。それほどに重症だったのだ。だから、お前もその薬ができたときは飲むべきだ」


……でも、の中では私の業障が酷いと思ってる。なんだかんだ、お互い考えている事は一緒なのね。


「ふふっ。……えぇ、そのときは一緒に飲みましょう」

「勿論だ」


魔神が残した残滓はそう簡単には消えない。何千年もかけているのに、いまだに存在している。
けど、いつかそれが消えた時___もし、許しを得られるなら。と共に各国を、テイワットの景色を見て回りたいと思うの。


「……どうした?」

「いいえ、なんでもないわ」

「まぁ、思い悩んでいるようでないならそれでいい」


はもし業障がなくなったら、何がしたいのかしら?
いつか話を聞いてみたいわ。欲のない貴方が、何を言うのかとても気になるの。



***



オマケ


好感度で開放されるボイスネタ
〇〇について

・名前→白朮
「白朮さんの腕は私から見ても高い技だと思っています。……もし、彼が私の期待に応え続けられるならば、我が加護を与えてもいいかもしれません」

・白朮→名前
「瑞相大聖、過去の魔神戦争で希望の光となった仙人。そんな彼女は200年前に消息を絶っていたそうですが、再び璃月に戻ってきていました。話によれば消息を絶つ前、魔神戦争で多くの力を失い、弱体化していたそうです。その点について、いずれお聞きしなければ。仙人といえど、私に何か出来る事があるはず。あの方にはお世話になっていますから、恩を返さなければいけません」






2023/12/31


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