第2節「雄英体育祭:前編」
「雄英体育祭ー!!ヒーローの卵達が我こそは!としのぎを削る年に一度の大バトル!!」
マイク先生の紹介により、会場は大盛り上がりだ。
そう、遂に入場の時間になったのだ。
「どうせあれだろォ、此奴らだろォ!!敵の襲撃を受けたにもかかわらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新生!!!ヒーロー科、1年A組だろォ!!?」
なんて紹介をしてくれたんだ、マイク先生……!!
そう思っていると目立つ桃色と青色の人物が見えた。……待って、あれ……!!!
「な、ななな……!!」
こちらを見てものすごい勢いで手を振っている桃色のボディスーツを着た人物と、こちらに向けて一眼レフを構えている青色のボディスーツを着た人物……もとい、私の両親である。
あんたら私の存在隠してるんだよね!?もうちょっと自重したらどうなのさ!!?
「名前、顔引きつってるよ。緊張してんの?」
「え?いやぁ、まあ……」
「緊張ほぐしてやろうか?」
「いや大丈……ちょっと響香ちゃん!?」
こんな大勢の人がいる中でコチョコチョは止めて!?
そのニヤけた顔、絶対態とだ!!
「話題性では遅れをとっちゃいるが、こっちも実力派揃いだァ!!ヒーロー科、1年B組!!」
1年B組……、もう一つのヒーロー科だ。
どんな人達がいるのだろうか。とても気になる。
「続いて普通科!!C、D、E組ィ!!サポート科、F、G、Hも来たぞー!!そして、経営科、I、J、K!!」
なんか段々紹介雑になってません、マイク先生?
もうちょっと何か言いましょうよ……。
「選手宣誓!」
入場し終わり、高台に立っていたのはミッドナイト先生だ。
しかし、あれはコスチュームなんだよね?スタイルいいなぁ……。
周りからあまり大きな声で言えない単語が飛んできている。
まあ私はミッドナイト先生の格好に照れの反応はしないけど。だってもっときわどい格好の人(サーヴァント)を見たことがあるからね。特に水着は凄かった。
そんなことより、誰が選手宣誓をするんだろう?
「選手代表!1ーA、爆豪勝己!!」
え、かっちゃんなの!?
思わず隣にいたかっちゃんを見てしまう。
かっちゃんが宣誓って……。絶対まともじゃ……
「宣誓。俺が1位になる」
絶対言うと思ったあああああっ!!!
何となくだけど、クラスのみんなと同じ事を思った気がする……。
「前に言った事、忘れんなよ」
横に並んだとき、かっちゃんが私にそう言った。
勿論、忘れてなんかないよ……!!
「さあて、それじゃあ早速始めましょ!第一種目は所謂“予選”よ!毎年ここで多くの者がティアドリンク!!さて、運命の第一種目!!」
ミッドナイト先生の背後にモニターが出現する。
……何が来る?
「今年は……これッ!!」
ルーレットの止まったモニターに移ったのは……
「障害物競走……!」
障害物競走。
なるほど、確かに予選にはぴったりの種目と言える。
この種目は先程予選と言っていたので全員参加。
で、コースがこのスタジアムの外周で4キロもあるらしい。ひえぇ……個性使用の許可がなかったら絶対ビリ……。
「我が校は自由さが売り文句!!……コースを守れば、何をしたって構わないわ!!」
と言うことは、誰かを怪我させたとしても許されるって事……?
よぉし、言質取りましたからねミッドナイト先生!!
2021/07/04
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