第4節「神野区の悪夢」
目が覚めた
視界がぼやけていて何処にいるのか分からないけど、薄暗い暗い場所であるという事は分かる
どうしてここにいるんだっけ?
さっきまで私はどこにいたんだっけ……?
ここに至るまでの経緯を思い出そうとしていた時だ
「___目が覚めたかい? 名前ちゃん」
ぼーっとしていた頭が一瞬で冴えた
ぼやけていた視界が一瞬ではっきりと映りだした
「ドク…ター……?」
こちらを振り返ってニコッと微笑む人物……間違いない、ドクターだ……!
やっぱり、私と同じで生まれ変わっていたんだ……!!
『い……せん、……ター!そ……男…あの……はあり……ん!!』
直後、頭に響く誰かの声
そんなの気にならない程に私はドクターに釘付けだった
沢山話したい事がある
でも一番に聞きたい事がある
「ドクター……っ」
「僕のために戦ってくれるかい」
こちらを差し伸べ微笑を浮べるドクター
あれ……?
ドクターはこんなことを言う人だったっけ……?
『マスター!!!』
目の前にいるドクターの顔が崩れる
そして現れたのは___黒いかぶり物をした誰かだった
『しっかりして下さい!! あの男は___目の前にいる者の“罠”です!!!』
聞き覚えのある声が今度ははっきりと聞こえた
その瞬間、身体が自分の意思に反して動き出した
……この感じは、前に…も………
「……貴方は。貴方が、私の指令者ですか」
その言葉を口にした後、私の意識はプツンと切れた。
2024/01/01
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