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お礼小説 // ひばり×つな




変わる事が怖いって、昔、誰かがそう言った。
変わってしまうことは普通なのに。いつの間にかそれが恐怖に変わっていった。

「怖いんだ、怖いんです・・・」
「なにが怖いの? 綱吉」

空に手を伸ばす。まるでそれは神に願い乞うように。

「自分が変わることが怖いんです」
「・・・」
「昔は変わることを望んでいたのにっ」

――――変わってしまうのが怖い

男は怖いといい怯える少年を抱き締めるように抱えた。
ゆっくりと少年の髪をすく。

「綱吉・・・」
「怖い、怖い、怖いんですっ雲雀さん!」

少年を撫でる男の手は優しい。壊れ物を扱うかうように少年の頭を撫でる。
そして男は少年に言い聞かせた。

「綱吉、怖いのは変わる事は怖いことじゃない」

―――変わる事は新化なんだ。人が変わるのは当たり前なんだよ。
―――変わってしまうのが怖いと思うのは、今まで見てきたものが急に違うものに変わっていたからなんだ。
―――知っていたものが変わってしまっていた事なんだ。自分の知らない所をその人から見つけてたからなんだよ。
―――それを知って、人は恐怖する。自分の知らないところを恐れる。

「変わっていく事は当たり前なのに、それに気付かないで・・・怖がるんだ。今の綱吉みたいに」
「・・・・・・」
「大丈夫だよ」
「なにが、大丈夫なんですか!? それの何処がっ!!」
「変わってしまっても、変わらないものは確かにあるから」
「変わらないものなんて・・・」

男は少年の手を取り自分の胸に当てた。

「ここにある。ここに・・・僕の君への気持ちは変わらない」
「・・・雲雀、さん」
「ずっとここにあるから、大丈夫」
「雲雀さんっ」

少年は勢い良く男に抱きつく。



怖かったのは皆が変わっていく事。
であったころの皆が居なくなること。
俺の知っている皆ではなくなることに恐怖していた。


きょうふ



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