身長差15cm


「三井くんって、背高いよね〜」

「そうか?そこまで高くねーだろ」

「それはバスケでの話でしょ!」

「まぁお前と比べれば高いけどな」


三井くんは私の頭をポンポンと叩いた。

そういえば、いつも思っていたことがある。


「三井くん私の頭触るの好きだよね」

「ん?ああ、そうだな。位置的にちょうど良いんだよ」


三井くんはぐしゃぐしゃっと私の頭を撫で回している。

撫で…?こんな乱暴な手つきを撫でるというのだろうか。

せっかくとかした髪がボサボサになってしまったので、軽くムッとする。

だから少しの抵抗のつもりで背伸びをしてやった。

…あれ、やっぱり三井くん背高い。


「この差は埋められないか…」

「当たり前だろっ」


私は背伸びをやめた。こんな無意味なことだったとは!

そんな私たちのやり取りを見ていたクラスメートの林さんが一言。


「男女の身長差って15cmがベストなんだってー」

「「へー!」」


私と三井くんの声がハモった。

…なるほど。確かにバランス良いかもしれない。

15cm差か。誰かいたかな?


「三井いるか?」


そのとき、教室に爽やか好青年の声が響いた。


「あ、木暮」


バスケ部の木暮くんだ。

三井くんを含めバスケ部の問題児は結構彼に懐いてる。なんていうか、お母さん?


「なんだよ。部活?」

「違うよ。辞書、返せ」

「あ。悪ィ」


三井くんが木暮くんに辞書を渡した。

…と、気付いたことがある。


「木暮くん、身長いくつ?」

「あ、綾部さん。急にどうした?」

「175cmくらい?」

「おしい、178cm」


私は木暮くんの隣に移って身長を比べた。

…ビンゴ!


「見て見て!これが理想の身長差15cm!」


私は木暮くんと腕を組んでブイサイン。

木暮くんはよくわからないという笑顔を浮かべてるし、三井くんは何故かいつもよりもさらに険しい顔になっていた。

…え、何この微妙な空気。


「え、何?まあ、いいや。じゃあね綾部さん。三井、人から借りたモノはちゃんと返せよ!」


木暮くんは爽やかなオーラを振りまいて自分の教室に戻っていった。


「こ、木暮ぇぇぇえっ!」


と、三井くんも教室から飛び出していった。

取り残された私はただ呆然としていたが、林さんは楽しそうに笑っていた。


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