黒尾と研磨♀ | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



黒尾が雑誌を読んでいる位置からベッドの上で寝転ぶ研磨の太腿が見えた。ショートパンツにニーハイを研磨は好んで穿く。正確には洋服に拘りがない研磨は黒尾が好んでいるものを穿いてくる。少し前まではフリルのついたスカートだったし、もう少し前まではジーンズだった。なにを着せても研磨は似合うと、身体を動かし、腕を伸ばし、無防備な研磨の足に触れた。
ベッドに寝転びながらゲームに熱中している研磨は黒尾の伸びてきた腕に気づきはしたが、鬱陶しいと薙ぎ払うように、足を動かして拒絶を示した。剥がされないよう、ニーハイのゴム部分に黒尾は手を滑り込ました。
日の光を浴びない、研磨の白磁のように滑らかな肌はさわり心地が良い。大きな骨ばったいかにも男だと判る掌で研磨の太腿を包み込みながら、這うように撫でた。
こうなると研磨もすでに諦めてしまったのか、なにも言わない。無言のまま、電子音だけを奏でる様に、ゲームのボタンを押し続ける。黒尾は研磨がゲーム機に向ける目線を、一瞬だけでも奪えたことに満足しつつ、太腿を堪能したのちに、するりとニーハイの隙間に潜り込ませた手を回収すると、雑誌を読む作業に戻った。



研磨がゲームを終えたのは、斜陽に染まる室内になってしまった時刻だった。お腹の減りを感じ取り伸びをした後、ベッドから起き上がると雑誌を読み終わり、携帯を弄っている黒尾の姿があった。多少、眠たいのか眸はとろんと蕩けている黒尾の前に座り込み、背中を黒尾に預ける形で倒れ込む。

「クロ、お腹へった」
「なにが食べたいんだよ研磨」
「シチュー」

ビーフシチューが良いと我儘なリクエストを突きつける研磨はお腹が減ったのだよ眉を顰める。
ビーフシチューは直ぐには出来ないことを告げると食べられるのであればなんでも良いという適当な返事が返ってきた。黒尾は冷蔵庫の中身を思い出し、オムライスならばすぐに作れることを告げると、ならばそれで良いと研磨は返した。
作るのがオムライスであることが決まると、黒尾は軽い研磨の身体を手前に押し、立ち上がった。ベッドから降りると、研磨が差し出してきた手のひらを取って、王子様がお姫様を起こすように立ち上がらせる。数年前まで、あの体勢でいたのなら、お姫様抱っこが主流だったが、数年前に研磨が「恥ずかしいから嫌」と告げてきたことにより、お姫様抱っこはなくなった。今は立ち上がった研磨が、黒尾の腕にぴったりとくっつき体重を預けるように歩きながら、一階へおりていく。

「お腹へったから、はやくしてね」

研磨の要望に黒尾は「はいはいはい」と嬉しそうに声を弾ませながら答えて、台所に立った。