二口と茂庭 | ナノ
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背後から「もーにわさん」と呼ぶ。わざと舌足らずな甘えるような口調を使うと、茂庭さんは「ひ、人を囃すような言い方するなよ」と叱るけど、しょうがねぇなぁ、という眼差しで俺を見てくれていることを知っていた。
背中から手を回し、俺の両腕にすっぽり収まる茂庭さんを抱き締める。少し照れながらも、鬱陶しそうに顔を歪める茂庭さんを引っ張って歩く。
どこに連れていかれるんだと、挙動不審になった茂庭さんを無視する形でトイレに連れて行く。流石に今からされる事に気付いたのか、慌てて踵を返し脱兎しようとするが、俺の腕に腹を掴まれ、逃げ出すことは許されなかった。
個室に暴れる茂庭さんを押し込め、俺はキスをした。胸板を叩かれて、拒絶されるが舌技で翻弄すると快楽に弱い茂庭さんは、みるみるうちに崩れていく。足元が震えだし、立っているのが精一杯の状態になる。唾液を貪るように味わう。茂庭さんの唾液はちょっぴり甘い。他の女みたいな、粘着力がある吐き気がする甘さじゃなくて。茂庭さんの中から溢れ出してくるような、自然体な甘さに俺の腰が砕けそうになっちゃう。咥内を追究するように舌を我が儘に動かせば、茂庭さんは飲みきれなくなった唾液が口角の隙間から流れおちる。俺は唇を外し、照れて歪んでぐちゃぐちゃになった快楽を追う表情を隠してしまおうとする茂庭さんの顔を両手で支えた。ちゃんと、こっち見てくれなきゃいや。


「ふ、二口っ。なにすんだよ。学校! 学校なんだぞ」
「やりたくなったから」
「そんな理由は通じません」
「しょうがないじゃん。茂庭さんもやる気になっちゃったんじゃない」


頬を掴んでいた両手を離すと、茂庭さんは自分で立っていられなくなり便座に尻をつけた。屈辱に歪みながらも快楽を追う茂庭さんの顔を見ていると、俺の中でいいようのない気持ちが溢れだして、どうにかなってしまいそうになる。


「勃ってるくせに」

ちょっと馬鹿にしたようなニュアンスで声に出すと、茂庭さんは顔を羞恥で染めた。
キスだけで射精寸前になる弄りがいがある身体を翻弄してあげたくて、たまらなくなる。茂庭さんは簡単に今まで埋まらなかった俺の性欲を満たしてくれる。
足をあげて、上靴でズボンのうえからでも判るくらい膨らんでいる起立した陰茎を踏みつける。


「ぁっーーやめ、二口」
「泣き出しちゃって、可愛い。けど、止めない。俺が楽しいから」
「お前はっぁ、どうして」

ぐにぐにと足を左右に動かして見る。普通の男だったら痛いんじゃないかな。茂庭さんは快楽で蕩けそうだけど。
このまま射精して、白濁を衣服の中に納めても良いこど、さすがに可哀想かな。俺、別に茂庭さんが気持ち良い顔が見たいだけで、不愉快にさせたいわけじゃないから。
制服のベルトを外す。金属が擦れる音が聞こえた。茂庭は抵抗を示したが「精液がかかった状態で授業受けたいんですか」と囁くと、もがいていた身体を止め、大人しくズボンを脱がせてくれた。
下着が曝され、ボクサーパンツが膨れ上がっていた。俺は指先でなぞってあげる。茂庭は身震いする。快楽の波が下半身から伝わっているのだ。
睾丸を上から揉んでやると、涎を垂らして、最高にいやらしい顔を俺に見せる。学校の便器と茂庭さん、良いね。やっぱり似合っている。
しゃがみこんだ俺が、下着をずり落とし露になった、陰茎に舌を伸ばした。
勃起している茂庭さんの陰茎を咥内に含む。苦くて酸っぱくて、女のまんこより気持ち良くなるように、肉壁と舌を使って愛撫する。亀頭の隙間に舌を侵入して、睾丸を手で揉んでやるのが、茂庭さんは好きだ。腰をくねらせ、もう止めてと訴えてきている。

「はっぁぁ、も、ふたくちぃっ、無理ぃ」
「いっちゃって下さい」

舌を動かしたまま声を出すと、茂庭さんは喋らないで、と言いたげな顔でこちらを睨んだが効果はまったく得られない。
歯をわざとあてる。ちょっと痛いくらいが気持ちよい変態なのだ。

「ひっぁぃっぁ――――」
茂庭さんが俺の頭を押さえる。無意識だろうが、精液を飲む以外の選択肢が消された。俺は大好きだから問題ないけど。
咥内に撒き散らされた粘着力がある、べちゃべちゃした液体を味わう。
達した茂庭さんは肩を揺らし、はぁはぁと荒い息を漏らしていた。焦燥とした、力が抜けきっている顔がたまらない。
俺は立ち上がって、茂庭さんに咥内が見えるよう口を開いた。中にはさきほど、この人が吐き出したばかりの精液が詰まっている。
歯茎に撒き散らされた精液を集め、見せびらかすように茂庭さんの前で飲み込む。
ごくん。
わざとらしい咀嚼音を聞かせ、茂庭さんの顔がみるみるうちに茹で蛸のようになり、沸騰した茂庭さんが見れる。
表情がみるみるうちに甦り、震えながら「な、なに飲んでんだよ」と口を動かした。
ああ、可愛い。
ぜんぶ、食べちゃいたい可愛いさで、俺が止まらなくなる。