二口と茂庭 | ナノ
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ああ、茂庭さんえろい。
俺は凝視しながら茂庭さんの痴態を眺める。顔がぐちゃぐちゃになって。そんなに泣いてしまったら、男という生き物は後に引きないのだということを、同じ男のこの人は、なんで理解出来ないんだろうかと生唾を飲み込んだ。
汗が滴る茂庭さんに欲情して、部室の古びたベンチに押し倒したのは数分前。暴れる茂庭さんの腕を制服のベルトで一纏め。手錠の効果を発揮する、拘束を受け茂庭さんは双眸に涙をためながら「二口」と俺の名前を呼んだ。腰に直撃する。下半身から欲望という名の欲望が顔を出した。理性なんて、とっくに限界を越えていて、誰もいない部室で茂庭さんの首筋にキスをした。
止めろ、という声が脳髄を支配したけど、えろい茂庭さんを見て、理性という上品なものは消滅している。俺の中で灰になって、限界を迎えた。


「はっぁ、っひっ、二口。なにすんだよぉ」

べそべそに顔から鼻水まで垂らしはじめた。間抜けな顔。
啄むだけのキスじゃ物足りなくなって、下顎を掴み、強引に割り込むようなキスをする。
舌を咥内で暴れさせて、唾液を注ぐと茂庭さんは唾液を飲みきれない。顔がさらにぐちゃぐちゃになっていく。

「ふっぁ、ま、まて、部室だから」
「関係ないです、茂庭さん」
「えぇーー関係あるって。やめよ、な」
「だめ」

可愛くお願いするふりをして、再びキスをする。茂庭さんがキスに対応しようと舌を必死に絡めてくる。未だに上手な息継ぎのやり方を知らない茂庭さんの顔は酸欠で真っ赤に染まる。そろそろ放してあげようかと思案していると、いやいやいや、と訴えてきたので、意地悪で、もう少し時間を増やす。
くちゅくちゃ、むちゅ。唾液を絡み合わせていると、意識が飛びそうな茂庭さんが見えた。しょうがないので離してあげる。両手が自由だったら、思いっきり背中を叩かれていたに違いない。

「はぁっはぁ………二口っ」
「力抜けちゃった?」
「これ、これ外せよ!!」

ベルトで拘束された手を見せながら、茂庭さんは主張した。俺は嫌だよ、と拒絶の笑みを浮かべた。ショックを受けているのか、背景にガーンという陳腐な効果音が聞こえそうだ。
俺は茂庭さんを拘束したまま、着込んだばかりの制服を脱がせていく。無防備なワイシャツ一枚になった、茂庭さんの陰茎を指先で弾いた。

「ひっ―――ぁ、いたぃ」
「痛くないっすよ、茂庭さん。痛いの好きじゃん」
「え、っふ、矛盾して、ない?」
「してない、してない」

混乱する茂庭さんの陰茎を握る。指を這わせるように、陰茎を包み込んで、持参したローションを鞄から取り出してかける。茂庭さんは「え、なんで、ローション持ってんの!?」と困惑しているが、なにがあるかわからないじゃないですか。ゴムもポケットに入っているんで、安心して下さい。

「っぁーー冷たいっ」
「直接かけてますから、嫌ですか」
「いや、じゃない、けど。は――てか止めろよ」
「乗り気になってきたくせに」

脣を尖らせて後輩らしい甘えた態度をとる。茂庭さんがこの顔にとても弱いことを俺は知っている。
そんな先輩を操るように、茂庭さんの陰茎をさすっていた手を後孔へと誘導させ、窄まりへと突き立てた。

「あっ――!ふ、ふたくちぃ」

茂庭さんの何回か俺を飲み込んだことのある後孔は、指先に反応して肉壁をくっつけさせてきた。全体が肉壁で覆われ、俺の指を拒絶するように収縮活動を繰り返してきた。
ローションの滑りを借り、一気に最奥へと押し進めていく。

「ぁっも、奥とか」
「二本目もいって良いですか?」
「だめって言ってもするくせにぃ」

ご名答。
駄目だと拒絶たびに押し進めてたくなります。
すかさず指を二本に増やし、茂庭さんが感じる場所を引っ掻いてあげる。


「あっぁ!そこはっ、駄目だぁっふ」

素直な茂庭さんの身体は俺が引っ掻いてあげると、身体を跳び跳ねさせた。
腰骨が古びて錆びたベンチの上で揺れる。塗料がかすかにコンクリートの床へ落ちていっている。暴れると軋む。ギシギシという。そのギシギシという音が恥ずかしいのか顔は更に真っ赤に染まり、涎が口角から垂れている。
俺の性欲は止まることを知らない。宣言もなしに、指を三本へ増やすと質量を増した後孔に茂庭さんが震えた。

「ふっぁぁ、ひっぁん」

指を上下に動かして、指先で前立腺を挟むようにしてあげると、茂庭さんは腰を捻った。覚え込まされた後孔が俺のを欲しいって言っているんだよね、と微笑ましくなってくる。ああ、茂庭さん、えろい。
俺が欲しいって言って、言って。はやく、口を開いて俺が欲しいって主張してよ、とねだりながら、茂庭さんを見つめる。


「ね、茂庭さん、言って」
「ふぐっひっ、俺にいわせる、とか。くっぁ、も、はやく、いれてぇ」

舌足らずな、口つきが俺の腰を直撃しちゃった。茂庭さんの後孔は俺を欲しがって、くぱくぱと期待している。
指を抜き取り、反り上がった陰茎を欲しがっているそこに宛がうと、身体が跳ねた。

「ふっぁ、ひっぁぁん」


茂庭さんの体内に俺のが入っていく。上手な息継ぎを忘れた茂庭さんは喘ぎながら、俺を求めた。
手を背中にまわしたい、そんな顔をしていたし、拘束するのに飽きたから、ベルトをとってあげると、肩へと手をまわし、隙間にある距離をつめた。



「ぁっひっぁ、二口っぁ、も、だめだっぁっん―――」

激しく腰を揺らして俺も茂庭さんと一緒に射精する。腹に飛び散った茂庭さんの精液はなんともいえず、えろい。

暫く肩で息をして、除き混むと茂庭さんが俺の頭をひっぱたいた。

「部室では、禁止な!守れよ」
「あんなに喜んでたじゃないですか」
「禁止!」

喜んでた所に照れながらも、否定しない茂庭さんにもう一回キスしたら、やっぱり殴られた。