帝王の花冠
あとがき///

いろいろ書いてるあとがき。


▼全体の薄ぼんやり
DIOにも熟れていないディオと、夢の中で長い時間を過ごす… というだけの簡単なお話。なんとなく「白」がイメージだったので、白い空に白い大地の白い箱庭が舞台だったり。白いからこそ何にでもなれる、いわばキャンバスのような空間ができたり。
ヒロインのデフォルト名が「白花」なのも、白のイメージからでした。安直安直。
でも白いからこそ、染まりやすいのかもしれないですね。しみとか、つきやすいですし。


▼ヒロイン
平凡…ではないのかもしれません。むしろ、ものすごく感受性が低くて、生命体としての危機本能にかけているところがあるような気もします。少なくとも、外敵を外敵と判断することができないあたりは問題かもしれないですね。そこがいいとこなのかもしれないですけど。
当初から、彼女を長生きさせるつもりでした。そして彼女の一生と彼の一生は誰も知らぬところで同じ流れを歩ませるつもりでした。
危機感に薄いからこそ、なんかこう、ディオとうまくやれててくれればいいです。


▼二人
でも、まぁ、ほら。種族違うからね、もはや。離別は避けられないのです。それが喜劇であり悲劇。そんなヒロインとディオ様でした。
少なくとも「穏やかな時間」は二人共過ごせていたんだと思います。現実逃避の果ての理想郷ですもの。
知らず知らずのうちに互いの距離は近くなっていたりして。知らず知らずのうちに互いに片思いしていたりして。そんな両片想い的関係性のつもりでした。愛はある。その愛がどんなものか、お互いに明確にはしなかったけれど。
まして互いに愛してる、愛してたと感情が溢れ出すのは最後の最期。それまでは、お互いに愛してるけど愛してることをわざわざ言わない、みたいな。熟年夫婦みたいな、初々しい両片想い。いいね、青春だね。


▼ディオ
100年の孤独を紛らわすための脆弱な存在。その存在が、100年の孤独をより色濃くしてしまうとは恐ろしく悲劇。でも、その大半はチャラになってればと思います。人の身に100年は長すぎる。例えそれが吸血鬼になった男だとしても。
ほだされちゃってればいいとおもいます。彼は。絆すつもりが、ついうっかりとね。
……でもまだ、彼には時間があるんだなぁ。


▼タイトルの話し
「差し出された梔の色を覚えているか」
梔:とても嬉しい、幸福、喜びを運ぶ

「染めるブバルディアの世界」
ブバルディア:幸福な愛、空想、夢、情熱、愛の誠実

「雪柳を手折った手」
雪柳:愛嬌、愛らしさ、懸命、静かな思い

「口にしたリリーの味」
リリー:威厳、純潔、無垢、貴重、純愛

「その目に刺したアイリスが」
アイリス:良い便り、愛、恋人、情熱

「カメリアの鼓動」
カメリア:完全な愛、理想の恋、完璧な魅力

「君に捧ぐネリネの色を」
ネリネ:また会おう、美しい人
これはネリネしかないなと思いました。

「クローバーの花冠」
クローバー:幸運、復讐、感化、約束

「笑うアザレア」
アザレア:あなたに愛される幸せ、愛の楽しみ、恋の喜び

なるべく白っぽい花を選びたかった。
選びきれてませんけどね!!!花言葉ネタ本当に好きすぎて死にそうです。


▼おわり
ちゃかちゃかと書いていて楽しかったです。
こんなのディオ様じゃあない!と思いながら、「逆に考えるんだ、そんなディオも可愛いんじゃあないか」ともりもり書いておりました。

一段落つきましたが、じつはぼんやり3部沿いみたいな雰囲気のあれこれも考えていないわけではなかったりして…。気が向いたら、もしかしたら、もしかするかもしれません。後日談とか、前日譚とか、その間にあったあれこれとか。
…あ、とりあえずそんな、あるかないかわからないものの話は置いておきましょう。


帝王の花冠、これにて完結です。


ここまでお付き合いありがとうございました!

mae  tugi
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