夜の女王
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「じゃあ、ちょっと行ってくるね!」

 部屋からでてきたメローネの格好に一同はあいた口がふさがらなかった。
 普段、もっとも奇抜な服装をしていたメローネが、その日ばかりはきっちりと髪を整え、いつもしていたアイマスクを外し、露出を控えた一般的な服を身にまとっていたのだ。

 何事かと訝しげな目を向けるリゾットとプロシュートは、追先ほど帰ってきたばかりである。
 時刻は真夜中。ギアッチョが帰宅し、メローネが伝言を受け取ってから数時間が過ぎたばかりのときであった。

「この時間からどこに行くんだ?」
「そのへん!」

 何をしに。
 リゾットが問いかけたが、その言葉の途中でメローネは背を向けて玄関へと歩いて行ってしまう。残された面々が顔を見合わせ、もう一度メローネの背中を見た。
 きっちりとした服装を身にまとっているメローネを見るのがひさかたぶりで、彼らは再び困惑げに眉を寄せる。

 そしてメローネは、背後からの視線を気にすることもなく、意気揚々と外へでる。まだ明るい夜道。微かに感じる月下美人の残り香と遠くに吠える鯨の声をたどるように。



mae  tugi
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