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■ ◆無記名の招待状

その手紙が俺のところへ届いたのは、天気がいいとある夏の日の事だった。


「・・・ん?」


俺がいつものように帰宅して、郵便受けから取り出したチラシやはがきを選別している時に、ふと一通だけ他と雰囲気が違う手紙が紛れ込んでいたのだ。こう、いかにも高級です!と主張している感じの、品のいい模様が入っていて蝋で閉じてあるようなそんな手紙―――はどうやら何かの招待状らしかった。
・・・新手の詐欺か何かか。それか、こんな手紙を出すのは彼くらいか・・・いやでもそれならラインで済むし、とにかく怪しすぎるだろ・・・と思いながらも、取り敢えず内容を読んだ俺は、しばらく固まった後、急いで携帯からジョナサンの名前を探し出してコールし、俺の混乱した第一声を彼にぶつけたのだった。



「ジョナサン!オールスターバトルの非プレイアブル枠って何!?てかオールスターバトルって何ッ?!なんか招待状来たんだけど!行かないけどいいよね!」
「やだなあ影崎、そう言うと思って僕がちゃんと当日迎えに行くから準備しといてね!」
「・・・えっと、せめて質問には答えようかフリーダムジョナサンさん・・・てかやっぱりジョースター家絡みなのね・・・」



■□■


〜会場へ拉致られました〜



「・・・ジョナサン」
「なんだい?影崎」



そう言って俺を半ば俵を担ぐようにして会場に連れて来たジョナサンは、少し困ったように笑いながら返事をした。会場について俺が分かったことは、これがSPW財団主催のパーティーで、更にいろんな人が呼ばれているという事だった。もうね・・・俺に突き刺さる視線がね・・・痛くてね・・・何にも食べてないのにお腹痛いよね・・・。


「ジョナサンお前ここに誰が呼ばれるか知ってたから、俺に詳しい話をしないでここに連れてきただろ・・・確信犯だろ・・・やだもう帰りたい・・・」
「ふふ、だって承太郎やジョセフがいるっていったら絶対来なかったでしょ。それにイタリアにいるジョルノに影崎を連れて来るように頼まれちゃったし」
「・・・ジョルノ?」
「まあ影崎は気楽に構えてればいいと思うよ!僕と違って戦わなくていいからね!」



そういってニコニコするジョナサン(自称紳士)。でも多分物理力はこの会場にいるどの人よりも強いと思うんだ・・・。そんな人に連れて来られちゃ逃げれないよね・・・ここに来る前に彼から逃げたんだけど、重機機関車みたいに追いかけられた俺はマジで友人に潰されるかと思いました。ジョナサンェ・・・。



「お前はまじで一回ジョースター卿に紳士とは何かを聞いてきた方がいいと思う」
「やだなあ、聞いた後でコレだよ」
「そっかー、聞いた後ならしょうがないなーそっかそっかー・・・誕生日は覚悟しとけよ」
「えっ!ごめんってば影崎!誕生日ケーキは影崎のってエリナとスピードワゴンとツェペリさんに約束したんだ!」



はっはっは、と何だかんだでお互いふざけていると、何だか周りがざわついたけどもうこの際無視だ無視。俺はこの会場の料理を制覇して帰るんだ。戦いなんてしらん。リーグ戦なんて知ら・・・・・・。



「父さん!僕の戦うところ、ちゃんと見ていて下さいね!」



そう言って、バチーンと俺にウインクをして颯爽と走り去って行ってしまった金髪のハルノに全俺が家からビデオカメラを持ってこなかったことを後悔した。頭を抱えてうわあああああと嘆く俺を見て引いた奴が数人。ごめん通常運転。くっ、なんてことだカメラ・・・てか何であの子もここにいるのかは置いといて、とにかく。



「ジョナサン・・・俺ここに来れて良かったよ・・・」
「・・・影崎ってジョルノの事になると急に弱いよね」
「ほっとけ、かわいいだろハルノ!なんだよあの爽やかなウインク!ハルノマジかわいい・・・。って、さっきも思ったんだけどジョルノって何?あだ名?」
「まあそんな所かな。じゃあ僕も行ってくるね!」



そう言って爽やかな笑顔で奥へと行ってしまったジョナサンに手を振った俺は、取り敢えずお皿を取りに入口近くへと足を進めたのだった。とりあえず試合が始まる前にケーキから攻め落とす。



■□■


〜他の人目線で!〜



「マンマミーアッ!おい、ジョセフ!お前のじいさんが妙な日本人を担いで入ってきたぞッ?!」
「やだなぁシーザーちゃんッ!おれのおじいちゃんってば紳士で有名だったんだぜ?そんな事する訳・・・オーマイゴットッ!なんてことじゃああああッ!本当におじいちゃんが担いで・・・ってあの顔どこかで・・・」
「おいジジイ。若くなったてのにもうボケたか?どっからどう見てもアレは影崎の野郎だろうが」
「あ、本当ですね。大方、嫌がる彼をジョナサンさんが無理矢理連れて来たってところでしょうか」
「まったくよぉ・・・、嫌がるなら連れて来なきゃあいいと思「ちょっとずっと黙っててくれないか、ポルナレフ」
「ひでえ!」



笑いながらぎゃいぎゃいと騒ぐポルナレフに花京院がニヤニヤして当て身をお見舞いしようとしていたのを、寸前のところで止めた承太郎が帽子に手をやって「やれやれだぜ」といつもの口癖を呟いている。そんな彼の様子を見て、何か気がついたことがあったのか、ジョセフによく似た顔立ちの少年が首を傾げながら口を開いた。



「あの、承太郎さん。どうしてスタープラチナを出してあの男の人を見ているんっすか?オレにはどうにもあの人がそんなに警戒するほどの人じゃあないと思うんっすけど・・・」
「なあなあそれより仗助ッ!見ろよこのご馳走の量をよぉ〜〜〜ッ!早く食っちまわねえとなくなっちまいそうだから早い所食っちまおうぜッ!ほら康一もよッ!」
「うーん、僕もそうしたいところだけど、ちょっと待った方がいいんじゃあないかな。承太郎さんがあんなに警戒する人の事も、僕たちは知っておいた方がいいと思うし・・・」
「その通りだ、康一君。君達もアイツは警戒しておいた方がいい。何せ奴が弓と矢を買い取った張本人だからな」



えっ・・・、とその弓と矢という単語に反応した三人が、一気に押し黙った。
そして、その警戒しといた方がいいという男を見て、まず康一が困ったように眉を下げる。



「僕には・・・、ジョナサンさんと友達のあの人が悪い人だとは思えないんですが・・・軽口だって言い合ってるし・・・」
「あの人達ダチって感じだしなァ・・・。オレも昔仗助と康一と戦ったけどよぉ・・・今はダチだし・・・」
「でも承太郎さんがそう言うなら、警戒はしとくっスよ!」
「そうね。でも、なんか十代の父さんがその口調ってマジうける」
「・・・・・徐倫、ジョルノはどうした」
「ジョルノなら父さんに会いに行ったわ。ほら」


「えっ」


そう言ったのは誰だったか。ばちーんと影崎に向かって超笑顔でウインクしたジョルノを見て、その場にいた全員がなんだか脱力したという。承太郎がスタープラチナをひっこめたのは言うまでもなかったとかそうでなかったとか。



無記名の招待状



(あいつ、やっぱりいい奴なんじゃあないのォ?)(ちょっとエルメェス!FF!話に行ってみましょうよ!)(・・・スタープラチナ・ザ・ワー(承太郎、それはちょっと大人げないんじゃあないかな。せめて僕のエメラルドスプラッ(待て待て待て!)

color様リクエストありがとうございました!

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