目が覚めてまずはじめに飛び込んだのは愛しい彼女の顔だった。
今日は俺の仕事が休みだったので、昨日の夜はなまえと久しぶりに愛し合った。
昨日の夜に聞いたなまえの声、なまえの肌、なまえの唇。すべてが愛おしかった。
毎日こうしていられたらいいのになんて思ってしまう。こうしてなまえを独占してずっと一緒にいたい。
「んぅ……、」
そう思っているうちになまえも目を覚ましたみたいだ。
今日は一日二人で出かける予定だ。
まだ視界がくっきりしないようで、目を擦るなまえ。
それを促進するように、なまえの額にキスをした。
「おはよ、…す、ずや」
「ん、おはよ。
俺のお姫様はお寝坊さんだな。」
そう言って頬に触れるとなまえは「くすぐったいっ」と言って体を捻った。
無性になまえが愛しくなって、昨日のこと憶えてる?と耳打ちしたら思い出したかのように顔が赤くなった。
本当に彼女は可愛い。俺にはもったいないくらい。
「もう、そんなこと言わないで…」
「 はは、ほんと、なまえは可愛いなあ」
するともっと赤くなる。
だめだ、もっといじめたくなる。俺は何度でも彼女とつながりたい。でもそれを言ってしまうとなまえが困ってしまうのはわかっている。
俺は自分の理性を制御するためにやっとベットから起きあがろうとした。
「す、錫也、」
「ん?なんだ?」
「今日も、大好きだよ。」
そう言って彼女は俺にキスをした。
不意打ちだ。また俺はこうして彼女に溺れる。
――――世界にたった二人
(俺には、お前しか見えてないから)