また肌寒い季節がやって来た。一樹と一緒に過ごす冬は何度目だろう。以前の冬から変わったことは、今は一樹と婚約して1つ屋根の下で一緒に暮らしているということだ。一樹は弁護士だけあって、いつも帰りは遅い。休みの日も、ほとんどディスプレイとにらめっこしなければならない大変な仕事だ。だから私に出来ることは奥さんとして全力でしたいってそう思うの。
「なまえは寝とけって。
寒いし、まだ時間かかるから」
「でも待ってたいの。
冷えないようにちゃんとするから」
「…お前ってやつは、
もうお前だけの体じゃないんだぞ?」
そう、わかってる。この前病院に言ったときに妊娠が発覚した。わかったときには色々不安があったけど、一樹に報告したらとても嬉しそうで不安が吹き飛んだなぁ。まだお腹は全然大きくなっていない。多分みてもあんまりわからないくらいだ。
「…どうしてもって言うならしかたない、
はやく終わらすから待っててくれ」
えへ、勝った!一樹は私の押しには案外弱いのだ。それも私は知っている。厚手のブランケットを肩にかけて、お腹が冷えないようにしておいた。一樹の仕事の妨げにならない程度に一樹に近づいて終わるのを待つ。
…
一樹の仕事が終わって同じベットに入る。一緒に選んだベットは長く使うものだからといって、結構高いものを買った。そのため居心地がとてもいい。
一樹と他愛もない話を続けているうちに窓の外を見ると雪が降っていた。
「一樹!みて!雪だ!」
「やたら冷え込むと思ったら…」
すると一樹は俺があたためてやる、なんていって私を軽く抱き締めた。それは、どんな毛布より、あたたかった。
ーーーー雪夜のぬくもり
(なまえ、愛してる)
(な、なによ、急に)