思い通り生きられたら
どんなに良いだろう

成功に成功を重ねて毎日笑顔で
悩みもないんだろう



ほんとうに?

結局どう生きたって
悩みも辛さもあるんだろう


動物は野生で生きるのが
一番幸せだと誰かが言った

毎日一日中食べることに必死になって
生きることだけに必死でもがいてる様が
幸せに見えるのか

動物の本来の生き方なのだから
理想といえば理想だ

が、食べ物に苦労しない飼い猫は
悠々自適に生きているようにも見える

さあ、どちらが幸せかな?


どちらも幸せで幸せじゃない

理想の生き方とはなんだ


どう生きたいか考える前に皆、
ある程度のレールを引かれている

どの国に、どの親の元に、
どの性別で、どんな体質で、

生まれたらすでに皆レールの上

初期設定は誰にも弄れない
初期装備は何も変えられない

生まれた時点で窮屈な
こんな世界で
自分はどう生きたいか、
本当に望む生き方は何なのかを
見つけるのはとても難しい

見つけられたらそれは
それだけで誇れる


城で心を隠し持っていた人形も
主の機嫌で振り回されていた猫も
常に笛の音に怯えていた蛇も
日々の暴力で左足が悪くなった馬も


そして、
檻の中が世界で独りだった鷹も

望んでいたわけじゃない
そんな風に生きたかったんじゃない

だから今からできる
一番自分にとって理想の生き方

笑って生きられるように
誰かの笑顔を作れるように
上下のない、笑顔の隣に笑顔が続くように
他人の理想は自分の理想ではない
自分の理想も他人の理想ではない

だから他人を好きになる
だから他人から好かれる

理想が違うから「好き」や「特別」ができてゆく

思い通りになんて生きられないから
皆理想を追う

自分は何がしたいか
どう生きたいか
今日過ごした24時間と
明日過ごすはずの24時間はどう違うのか

変なことを、今日は考えた
きっと今日が満月だから
普段気にしないことを考えた

明日もサーカスの練習があるから
もう寝よう



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