●またあした 進路にそれぞれ悩み多き高三の放課後。 「最近どうだよ、受験生は。」 「もう追い上げだよ。あー、怖いなー…」 「何だ?自信ねーのか?」 「う。だってずっとソフトばっかやってたし、現役合格できるかなんて…」 「だーいじょうぶだって。そんな眉間に力いれた顔すんな、シワが増えるぜ〜」 受験勉強のない相手に明るくあしらわれる。メジャー行きを目指す吾郎の進路も大変なものであるとは承知だが、薫はグチのひとつでもこぼしたくなった。 「…他人事だからってさ…」 「暗ぇなあ。この吾郎さんが大丈夫って言ってんだから、心配すんな。」 「根拠無さ過ぎるだろ、ソレ。」 「根拠ならあるぞ。」 「え?」 不思議がる薫に吾郎は堂々とこう言った。 「だって、お前だろ。俺が保証してやるよ、ぜってー受かるって!」 吾郎の屈託のない眩しい笑顔に思わず薫は固まってしまう。 (…そんな、自信満々に言われても…) しかし相手の言葉ひとつでどこか安心している心が自分でもわかった。恥ずかしいくらい赤面してしまう顔も。 「…受かったら、なんかおごってやるよ。」 「おおっ、さっすが清水!」 ふたりの卒業は、間近。 吾郎はメジャー挑戦に向けてトレーニング中、薫は大学受験真っ只中な、聖秀卒業前です。 大学受かったこと知ったとき「本田に教えてやろ!」って真っ先に電話しようとする姿が超可愛かったので、こんな会話があったのなら良いよな〜…と。 励まし励まされ、弱ってるときにお互いが良いタイミングでハッパかけてる吾薫が好きです。 |