●Groove Tube


「真吾。お前、風呂は?」
「まだだよ。」
「早く入れよ、もう寝る時間だろ。」
「えー、やだ。」

渋る真吾に薫が口を開いた。

「じゃあ真吾君、お姉ちゃんといっしょに入ろうか?」
「ハァ!?な、何考えてんだ、お前は!」

驚いて声を荒げたのは尋ねた弟ではなく、兄の方であった。

「え?いや、別に…その方が早いかなと思って。」
「そんな問題か!」

言い争うふたりの横で真吾が声を出す。

「…いいっ。僕もうそんな小さい子じゃないもん。」

少し赤くなり怒ったような顔をして、そそくさとリビングを出てひとりバスルームへ向かった。

「はははっ、フラれたな。ざまあみろー。」
「………」

あまり子供扱いしちゃいけないなと、反省しながら薫は押し黙った。その様子に吾郎は声をかける。

「…そんなに残念なら、俺が一緒に入ってやろうか?」
「バ…!ババっ、バカっ…!な、何を…!」
「あぁ?真吾は良くて、俺は駄目とでも言う気かよテメー。」
「だ、駄目に決まってんだろ!」

今日も騒がしく茂野家での一夜は更けていくのだった。





子供相手にムキになる大人気ない吾郎が書きたかったのですが…なんだこりゃ。

吾薫+真吾君は新婚家族みたいな雰囲気がツボです。(アニメジャ「つかの間の夏休み」最高!)本当はもっと長かったんですが、まとめきれなかった話の一部を拍手に流用しました。

彼女とお風呂。いつか叶うとよいね、彼氏さん。





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