小説 | ナノ




君に贈るダリア15
「さち、これサイコーよ!」
「ありがとう御座います」

某日、某所、新曲のデモをもってスタジオ入りした私はすぐに出来た曲達をスタッフに聴かせた。
音協スタッフも納得の曲だったらしく感嘆の声が挙がった。

「さちちゃん最近調子悪かったけどこれは凄い出来のばかりだね」
「ありがとう御座います!」
「ミニアルバムの予定だったけどコレなら普通のアルバムにして一気に出しちゃった方がいいよ!」
「いいんですか?」
「滅茶苦茶忙しくなるけどそれでもそうした方がいいって思うくらい素敵な曲達だね!!」

自分でも凄く自信のあった曲だったけど、こんなに押されるとは思わなかった。

「昔のさちちゃんらしい優しい前向きな曲だ」

この一言が貰えてとても嬉しかった。
きっと幸男くんのお陰かな…私のデビュー曲を好きだと言ってくれて忘れてた大事な気持ちを思い出させてくれた。
スランプから抜け出せたのは彼のお陰だ。

「さち、こういったら何だけど何があったの?素人目でも分かるくらいスランプだったじゃない」
「恋、してるからじゃないですか?」
「恋って…あー例のヒーロー君?」
「初心を思い出させてくれて、ドキドキワクワクしてるんです」
「そっかーいい感じらしいわね!」

マネージャーが優しい人で本当に良かった、もしも恋愛を禁止にされてたらここまでの曲は出来なかったと思う、本当にたくさんの人に感謝しなきゃなぁ。

暫くとても忙しくなる、テレビの仕事はないしモデルの仕事も断ることになってるから音楽に専念出来るけど、幸男くんに会えなくなるのは寂しいな。

幸男くんに「春の新曲、ミニアルバムからアルバムになったよ!!忙しくなるからなかなか会えないかも」って幸男くん教えて貰ったばかりのメールをうった。
少ししてメールが返ってきて「楽しみにしてる、仕事頑張れ、会えなくても応援してる」
幸男くんが応援してくれてる、これだけでいくらでも頑張れる気がするのだ。



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