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Underground Justice5
とあるマジバにて、同じ制服に身を包んだ数人の高校生が談笑していた。
誠凜高校ヤンキーの一同だ。
晩御飯だろうか皆それぞれ好きな物を食べているようだった。

「それにしても黒子だっけ?彼奴は本当にアノ帝光中学校から来たのかよ」
「みた感じ人を殴ってヤれるほどの筋肉は無さそうだけどね」
「知能戦向きかもよ!」
「ないとおもう、入試の結果調べたけど全然フツー」

日向が口を開きそれに続いてリコ、小金井、土田と会話に参加した、生徒会室から場所は変わって上級生だけでマジバで談笑という訳だった。
内容は専ら謎の多い黒子の話、正直さちこに関してはよく知る人物であるし、火神なんかは見れば強いのが一目瞭然だった、しかし黒子テツヤ彼はよくわからない。

「本当にキセキの世代と一緒にやってたのかしら」
「嘘ついているようには見えなかったよね」

リコの疑問は生徒会室での黒子の詳しい自己紹介での事を指す。
黒子はキセキの世代と一緒に喧嘩もしていたという。

帝光中学校出身でキセキの世代をよく知る人物そのくせ自身の戦績は無し。
この話のネタとしては最上級の黒子のお陰で普段より盛り上がる会話であった。
お陰で時間が過ぎるのがやたら早いわけだ。

「さて解散しますかね」
「明日は?」
「定例会、生徒会業務もやってかないとねぇ」

誠凜高校ヤンキーの彼らは生徒会役員でもある、やるべき事もやっていかないと溜まり場として生徒会室を使わせて貰っている為示しがつかない。

「そーいや生徒会のみの生徒くるかねー」
「無理じゃない?さちこちゃんも火神も目立っちゃったし彼奴ら居たら怖くて入れないだろ」

ポツリと言った小金井のセリフに伊月が答える、勿論生徒会に入るのにヤンキーである意味はない、あくまでも定例会もないのに溜まり場として解放するためのヤンキー役員なのだ。
しかしヤンキーが揃っている中に一般生徒が入ってくるのは相当な勇気が居るだろう。
それもそうか、仕方ないと小金井は納得した。

「じゃーまた明日!」

マジバの表でそれぞれ帰路に就く。
しかし日向が「あっ」と声を漏らした。

「火神とさちこ、黒子もいる」
「ホントだ」

既に別の方向に進んだ全員が再び集まった、どうやら三人は何処かへ向かっているようだった。

「ついて行くか…」
「そうね…」

好奇心いっぱいの日向達はこっそりと三人の後をつけ始めた、どうやら公園が目的地だったようでテニスコート等も設備されているスポーツ公園へ入っていった。

「遊びにきたのか?」
「みたい…だね」

日向がポツリ呟くとそれを聞いたそばにいた伊月が答える、しかし大人数の高校生がコソコソ隠れている様は些か奇妙である。
三人は何やら会話していて此方からはよく聞こえないが火神の叫び声だけがよく聞こえた。

「ふざけんじゃねぇ!」

そう叫んで火神は黒子の肩をど突いた、さちこもそれを止めもせず冷ややかな目で見ていた。
暫く火神が一人で叫んでいたが声が大小するので途切れ途切れに聞こえ何を言ってるかさっぱりだった。
しかし黒子がゆっくりと立ち上がり火神に対峙して何か喋っていた、その顔は横顔だったが真剣で物凄い剣幕であった。

「ん?」
「あれって…」

ふと三人が同じ方を向いたので隠れている日向達もその方向をみれば数人の学生、着崩した学ランに染めた髪の毛、どうやらヤンキーのようだ。
暗くてよく見えないので特定も出来ないが恐らくは三流のヤンキー、どうやら揉めているようで喧嘩に発展しそうだ、しかし日向達は自分達が出て行くまでもないと思ったのか何もせず隠れることを選んだ。

「お手並み拝見…ね」

そして喧嘩が始まった。



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