「黒子君どうしよう」 「僕には無理です」 「なんで何もいってないのに無理とか言うん?黒子君まじサディスティック」 「……言ってみて下さいよどうせ無理ですけど」 「赤司君が明日の予定を聞いてきた、助けろ下さい」 「ほら、無理じゃないですか」 しっしと手を振る黒子君をひたすら睨みつけて私は自分の机に突っ伏した(黒子君とは席お隣)。 本日は12月19日、明日は金曜日なのでなんで予定を聞いてくるのかさっぱりだった、学校あるじゃん… こういう謎めいたことを言うときは大抵災難が降りかかる、そういう男だあいつは… 頼みの黒子君もまったく相手にしてくれない、確かに赤司君威厳あって怖いけどさぁ同級生じゃん…男の子通しじゃん… いやだよぉー巻き込まれたくないよぉー 赤司君に絡まれるようになった切っ掛けがある。 少し前の話になるけどバスケ部がそれはもう素晴らしい活躍をそのレギュラーがしてちやほやされ初めて、女の子がきゃーきゃーいってて…私は鬱陶しくてつい… 「うるさいわぼけぇー!!キセキだかカセキだか知らんがほかの人間の迷惑考えろや!あぁん?」 と休み時間のクラスを凍てつかせてしまったことがあった、この話がどう伝わったのかその日のうちに赤司君に呼び出され「気に入った」等と言われ、つきまとわれ始めたのだ。 私が何をしたって言うんだ。 「声にでているよ」 「ありゃそれは失敬…ってぎゃぁあ!」 「そんなに驚くこと?」 「ここ赤司君のクラスとちゃいますよ」 「君はいつから関西人になったんだい」 「今でしょ!(モノマネ」 「そうかい」 面白くねぇ男だなおい! とか言いそうになったのを飲み込む。 しかし参った、いつの間にかどっかにいった黒子君のお陰で逃げ場がない、休み時間までおさえられてしまった。 「今朝の返事を聞いてなかったけど」 「予定はないけど学校じゃん」 「放課後の話だよ」 「いやいや、部活の後ってアンタ…夜じゃん」 「そうだが?」 え、なにこの人、当たり前じゃんみたいな顔してますけどドヤァ…って聞こえそうなんですけど可笑しいから。 「夜とか門限あるし」 「知ってるよ」 「じゃぁなんで誘う……つかなんで私の門限知ってんの!?」 「当たり前だろう」 「……そうか、うん、でねなんで誘うのってば」 「泊まりにくればいいだろう?」 いたたたたた…痛い。頭痛い。 この人、ホントなにいってんの? 理解不能です泊まり?あほか!!! 「いや、お母さんの許可降りないから」 「母親の許可が下りればいいのかい?」 「お父さんもいるし…」 「両親の許可があればいいんだね」 「えぇ〜むりでしょーまぁ親がおっけーならいいんじゃん?」 なんて言ってその日は解放された。 お父さんもお母さんもまじめな人だから絶対許可でないことが分かってるから私はルンルン気分で家に帰った。 しかし、共働きの母親が帰宅早々とんでもないことを口にした。 「明日、お母さんもお父さんも夜勤でアンタ1人置いておくの不安だから赤司君の所にいきなさい」とかいってた。 突っ込みどころ多すぎてちょっと時間が止まったが…オイマテ。 なんで母さん赤司君知ってんの? なんでお泊まりおっけーなの? いや、まずなんで2人とも夜勤? 「急遽お母さんも仕事入ってほしいって言われちゃったのよーそしたらさっき赤司君から電話があってよかったら家で面倒見ますってぇー」 「え、母さん赤司君と知り合い?」 「あらやだ、あんたが友達と遊びに行ってるときにうちにきて挨拶してくれたのよー」 「え、誰が?」 「赤司君が!今時珍しくしっかりした子でイケメンだし…あんた頑張りなさいね!」 要約するとこうだ 先週の日曜日、私が友達とカラオケに遊びに行った日、バスケ部は午前練習で部活が終わり、赤司君は私の家を訪問していたらしい、仕事が休みで家にいたお母さんとお父さんに赤司君は挨拶をしたというのだ。 しかも高級茶菓子をもち 私が学校で品行方正なのはお父さんとお母さんがすばらしい人だからだとか言って そしてそんな私を気にかけていると言ったらしい。 お父さんもお母さんもまじめな人間が大好きな人だ赤司君の素行が偉く気に入ったらしく…今回のことも赤司君なら大丈夫!そんな理由で了承したらしい。 私、今日のおは朝最下位だったわ。 翌日、私はこそこそしていた。 赤司君に見つからないように帰るためだ、赤司君は部活がある、しかし私にはない!だから帰ってしまえばいいのだ! だけどその前に捕まれば最後…私は彼の家に連行されるに決まっている。 「黒子君ミスディレ…ミスディレ…」 「そういう事に使わないで下さい、しかも不審で逆に目立ってます」 「うそっ…もーやだぁー」 「赤司君を甘く見すぎですね…というか12月20日って…」 「やぁテツヤ…ご苦労だったね」 「あ…んぎゃ!」 放課後そそくさと帰ろうとしていたら黒子君とついおしゃべりしてしまい赤司君に見つかり、逃げようとしたらシャツの襟を掴まれた、黒子君に。 「う、うらぎりものぉー」 「俺が頼んだんだよ…どうせ逃げると思ってね」 「すみません、外周増やされたくなくてつい」 とかキラキラした目で黒子君がいうコイツ楽しんでやがる……っ お陰で拉致、パイプいすに座らされ軟禁、そして赤司家に連行。 今日もおは朝は最下位でラッキーアイテムのペンギンの貯金箱や手に入らなかった。 おは朝…ゆるすまじ… 「あがりなよ、何もしないから」 「うそだ、どんどこどーん…」 「…あのね、勘違いしてるみたいだけど、俺はからかってるんじゃないんだよ…本気で君を思ってるんだ」 本気で悲しそうな目を赤司君はした、ごめん、とだけ言って靴を脱いであがらせてもらった。 「…そう言えばさ、なんで赤司君、今日なの?」 「なにがだい?」 「いつもよりしつこかったから」 「失礼だな…そうだね…特別な日を君と過ごしたかったんだよ」 「特別?」 「誕生日」 「まじで?」 「うん」 「うそ!言ってよ!なんも用意できなかったじゃん!えーどうしようー」 なんでいつも強引なのにこういう事は言わないのかなぁー わっかんないなぁー赤司君は! 「プレゼントは気にしないで、もうもらってるから」 「……ちょ、まさか」 「だから君と居たかった」 「ちょっと…それプロポーズみたい」 「そう受け取って良いよ」 もーやだこの人…顔真っ赤になっちゃったじゃん… しかも「改めて言うけどさちこ、君を愛してるよ」なんて手を握られちゃったから 「お誕生日おめでとう…」って涙ためながら言うしかなかったじゃんか… あ、赤司君のお家にペンギンの貯金箱がある。 「テツくーん良かったの?」 「あ…桃井さん…えぇ…白石さんは赤司君の誕生日プレゼントになりに行ったんですよ」 「きゃー素敵!!」 2人が去った後こんな会話があったとか……… |