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三大魔法なんちゃらかんちゃらとかいう試合が行われるらしい。なんか年齢制限があって、危険だが大いな栄誉を得ることが出来るとかなんとかダンブルドア先生が言っていたような気がする。他校からも参加者が来てなんかすごいお祭り騒ぎになるのだと我が同室者のアリアは言っていた。ま、私にはよくわからないことだし、年齢制限上関係ない事らしいので黙っておく。グリフィンドールからも何名か立候補するとかなんとか、いやまあ噂だし実際はどうか知らないけどさ。怪我しないんだったらいいんじゃないの。

その年齢制限をどう超えるか議論しているウィーズリー兄弟を横目に朝食の席に着くと、ハーミーがサッと私の分のトーストをくれた。既にたっぷりジャムが乗っかっている。わあおいしそう。てらってらのいちごジャムは激甘だった。

「あなたも占い学をやめればよかったのよ、ねえナマエ」
「なんの話」
「ハリーが占い学が嫌なんですって」
「ドンマイしか言えねえ」

シビレル先生がしょっちゅうしている死の予言とか、確かにウザかろう。しかし耐えるしかない、っていうかもうこの際楽しむしかない。占い学?あぁ新しいエンターテインメントです。

「ナマエは嫌じゃないの?いつも消える消えるって」
「別に、可能性の話じゃん」
「消えないわよ、バカなこと言わないで」

ハーミー先生に怒られてしまった。でも、ここまで来たら確かに私はいつか消える可能性もあるんだろうと思う。消えて帰れるなら早く消えたい所存にて候。

「おーや?」
「なによ、なにか?」

私と同じようにいちごジャムをたっぷりぬったパンにかぶりつくハーミーに、ロンが嫌味な感じで一言。それにハーミーはキッと目を釣り上げた。なに?喧嘩?

「しもべ妖精の権利を主張するのにもっといい方法が見つかったのよ、放っておいて」
「しもべようせい?」
「やだナマエ、知らないの?しもべ妖精っていうのは、」
「おい、知らないからってナマエにその偏見をふきこむのやめろよ」
「偏見ですって?」
「わーまあまあまあ落ち着いてほら牛乳飲んでほれほれ」

剣呑な雰囲気の2人に牛乳を注いだカップを無理やり渡し、ため息をついて適当にそのへんにあったナッツを齧り炭酸水を飲む。しもべ妖精とやらはよくわからないが、それが原因でまた喧嘩な感じなのは理解したぞ。もうひとつカリッとナッツを齧ると、ハリーがボソッと「ナマエの牛乳ってなにか不思議な力があるのかも…」と言ったのが聞こえた。カルシウムならあります。




「ぎゃあああ!!むり!!むり!!!!!」
「オエ…なんだよアレ…」
「きっしょい!!!!!!」
「うるさいですよ、グリフィンドール1点減点!」

授業一発目の温室で見た植物にぎゃーぎゃー騒ぐといきなり減点されてしまった。いやだって、マジで、クソきもいのきたんだよ、え?なんでみんな平気なの?と周りを見たら、思ったよりキツいようで、ディーンが私を盾にしてきやがった。
おま、ふざけんなよ、おとこのこだろ、先行けよ。いやお前が行けよ、マジ無理。こっちもむりだよちくしょう!!
無言の押し付け合いに負けた後、腫れ草とやらの膿を絞る役を押し付けられてしまった。

「うーっ、うーっ、ウゥゥゥウウ」
「うるさいですよミスミョウジ」
「おらこんなじゅぎょうさいやだ…」
「なんですって?」

ピリッとしたスプラウト先生に黙る以外の選択肢が私にはなかったーーー。もう既に減点されてるから…まじで…。ドラゴンの革とかいい素材になりそうな道具を使ってぐにゅりと触った感触。ぐじゅっと出てきた膿。オイル?石油?みたいなくっさい臭い。もうあの植物トラウマ。やくそうがくきらい。あんなのが薬か。知らぬが仏とはまさにこのことかよ……きっしょ……。

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