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妙な甘ったるさのある不味いお薬を鼻をつまんで一気に飲みグロッキーになった後、コリンはマクゴナガル先生に連れられ寮に戻って行った。ミセスノリスもゴーストさんもとっくに戻っていたらしく、本当に私が最後の1人だったらしい。ご心配をおかけしました。
そして起きたばかりでまだ検査があるらしく1人、医務室のベッドで薬の後味と戦っていると、眉間に山脈を作ったスネイプ先生&対照的にニコニコと温和な表情のダンブルドア先生のよくわからない組み合わせコンビが来た。マダムはダンブルドア先生にやんわり外してくれと言われいなくなり、つまり私は異国の男性(上司くらいの年齢の人とおじいちゃん)に囲まれた感じになった。居心地悪っ。

「さて、気分はどうかね?ナマエよ」
「薬とてもまずくてオエッて感じですね」
「ほう、我輩が作った薬に文句があるというのかね」
「やっだなあちょっとした冗談じゃないですかスネイプ先生。イッツナイスジョークナイスジョーク」
「グリフィンドール3点減」
「まあセブルス、無事がわかったことじゃし今日くらいは良いじゃろうて」

星柄リボンで結ったお髭を撫でながら笑うダンブルドア先生に私もにこにこと笑う。スネイプ先生心狭いなあー大人気ないなあー!もちろん声には出さない。

「アー、ナマエ。君が石となり眠りについている間に、様々なことが起こった。全て聞きたいかね?君には聞く権利がある。公然の秘密としてでなく、隠された真実してのものを、のう」

少し声を潜め、どこか重々しい雰囲気で言われた内容を処理するのに少し時間がかかった。公然の秘密?隠された真実?どういうこっちゃ。ポエマーなんですかダンブルドア先生。そういえばそんな感じするわ。とはいえよくわからず頬をかく。

「ちなみにそのメインの内容って秘密の部屋とか継承者関連ですか?」
「ああ、バジリスクを含めた全てじゃよ」
「あー……長そうなんで要約してちろっとだけ?と言っても私別にスリザリンさんの秘密基地とかあんまり興味無いんで、安全になったかどうかだけお願いします」

へらっと笑いそう言うと、ダンブルドア先生はあいわかったと頷いた。スネイプ先生からは舌打ちされた。感じ悪う。
ダンブルドア先生の話はあまり要約されておらずほぼ全部話されたんじゃないかというレベルで長い話だったが、まあ要は英雄ハリー・ポッターが伝説の剣に勇者として選ばれ、バジリスクという被害者を多数出した危険なモンスターを倒してハリーポッター伝説が増えた、というRPG的な話らしい。途中ジニーちゃんが誘拐されたとか乗っ取られてたとかちょっと理解不能な部分があったけどハッピーエンドらしいのでよかった。みんな無事らしい。ハッピーハッピー。めでたしだね。

「ナマエ、君は素晴らしい子じゃ」
「なんすか突然」

いきなりのage。にこにこと笑うダンブルドア先生に手を握られ、戸惑いながらも目を見ると先生の目はきらきらと星空のように輝いていた。どうなってんのそれ、カラコン?

「類まれなる勇気じゃよ。その場にいた友人を助け、また敵に立ち向かう。素晴らしく勇敢なグリフィンドールの生徒じゃ。……しかし、時には勇敢というものは毒でのう、わしは今回の件、君を表彰することは出来ん。君は、とてつもない危険を犯したからのう」
「は、はあ……」
「ナマエ、敵に立ち向かうことは危険なことじゃ。ましてや、君はまだ2年生と身も心も魔法も幼い。上手く石になれたから良かったが、あの場で死んでいた可能性も無きに非ず。君が死んでしまうと、皆が悲しむ。ハーマイオニーの心の傷は深くなり、わしら教師陣とて悲しみに暮れるじゃろう。……ナマエ、自分を大切にしておくれ。老いぼれからの頼みじゃ」

うんうん、とぼーっと聞いているとどうやら終わったらしい。長い。手を握る力を強くされ、適当にうなずくと先生はホッとしたように息を吐いた。ごめんほとんど聞いてませんでした。とりあえず私が勇敢とか言うのは聞いてたよ。おじいちゃん話長い。

その後スネイプ先生とダンブルドア先生の2人に謎に杖を振られ魔法をかけられ、検査は終了らしい。なんてファンタジー。

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