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3rd Anniversary!

いっけな〜い!遅刻遅刻!私、ミョウジナマエ、イマドキのホグワーツ生!昨晩レポートに追われて気づけば朝、一限目はなななんと魔法薬学!魔法薬学といえば蝙蝠なんて呼ばれて年中しかめっ面で課題が多くてすぐ減点するとっても厳しいスネイプ先生が担当!私いったいどうなっちゃうの〜!?

は?マジでふざけてる場合じゃねえわ。昼休み寮の点数がごっそり減ってたら私のせいですごめんなさい。談話室にあるクッキーを5枚くらい口に詰め込めるだけ詰め込んでとにかくダッシュ。走れナマエ!あと5分で鐘が鳴るけどグリフィンドール寮は塔の上で魔法薬学室は地下で動く階段は私を置いていく!なんで誰も起こしてくれなかった!?
しかも焦れば焦るほどハプニングが起きるっていうか、駆け足で転げ落ちるように階段を降りて広間へ向かって角を曲がる、と、ドンッと正面から何かにぶつかって私はどでんと転がった。ぐ、ぐふ…痛い……。

「おい、どこを見て歩いている」
「うぇ、ふぉめん」
「口に物を詰めたまま走るな、廊下を走るな、ぶつかるな」

畳み掛けてくるじゃん。ごめんて。鼻を抑えながら顔を上げると、ぶつかって少し皺になったローブを手で軽く伸ばしながらこちらを睨むノットくんが。嫌な相手にぶつかったな……マルフォイくんじゃないだけマシだけど……。っていうか魔法薬学はスリザリンとグリフィンドールの合同授業だからノットくんも遅刻では?めっずらしウケる〜いやウケない全然ウケない、ノットくんはスリザリンだから減点無しもしくはせいぜい1点2点かもしれんが私は50点減点の可能性ある。格差。
しかし私の予想とは違いノットくんは優雅に反対方向へ歩いていくではないか。

「えっなんで?」
「まだ何か用か」
「魔法薬学なのでは?」
「俺はこれから医務室へ行く」
「ええ、怪我?お大事に」

なぁーんだそっか!納得した私はまた荷物を抱え走り出した。やばいってノットくんのこと気にしてる場合じゃないんだ今の時間のロスがやばい。そのとき私は後ろでノットくんが何やら思案するような顔をしていることを知らず、ただ減点されぬために走ったのであった。10点減点された。



放課後レポート用に本を借りに図書館へ行く。本棚の途中で「おい」と威圧的に手を引っ張られ、拉致られた。でもなんで拉致場所がトイレ?

「しかも女子だし……えぇノットくんそういうシュミ……?」
「気色悪い勘違いをするなマグルめ。今はマートルは不在だからな、丁度いい」

何が丁度いいのかはさっぱりなんもわからんがとりあえず頷いておいた。で、何の用だい。

「しばらく付き合え」
「あん?どこに?」
「俺の恋人のふりをしろ」

「………………。」

ど、どういうことだってばよ……。私は宇宙を背負いながらノットくんを凝視した。なんでその発言しといて涼しい顔出来んの?罰ゲームか?スリザリンがグリフィンドールに告白する罰ゲームって…かわいそ…。

「いじめられてんの…?スネイプ先生に言った方がいいよ…」
「何を勘違いしている。いじめではない、ストーカーだ」
「すとーかー」

こっちも予想外だわ。す、すとーかー…ノットくんに……?
失礼ながらぶっちゃけノットくんはそこまでイケメンというわけでもない。顔はマルフォイくんの顔が良いため群れてたら埋もれるし、単体でもまあ…英国人だな…って顔をしている。インテリ感は確かにあるもののほっそりしていて私のスカートも余裕で履けそうだし。あとなにせ性格がコレだ。マルフォイくんの嫌味は可愛らしいがノットくんのは心に刺さるタイプ。グリフィンドール以外の女子には優しい可能性はある。
まとめるとノットくんは…実家貴族で金持ちで純血主義の純血で背が高くて金持ちで成績優秀……。

「なるほど3K揃ってるじゃねーの。まあストーカーは危ないけどなんで私なんだ」
「お前なら捨てても納得されるだろう」
「ウッワ」

なんでコイツに惚れてるやつがいるんだ。しかしノットくんの言い分に納得してしまう私がいる。お貴族様が貧民の女を一時の気分で遊んで捨てるやつだ。それが丁度いいってなんのはそもそもの発想がワルい男だぞ。

「その発言は今私がユーを刺してもおかしくないんだぞノットくん」
「もう刺されたが」
「は!?」

ノットくんはローブの中から片手をひらりと出した。その手には包帯が巻かれている。するすると解かれた包帯の下、手の甲には無数の傷跡があった。

「えっなにそれ…痛そう…こわ…」
「毎日毎日俺の観察報告の手紙を出され無視したらこれだ。迷惑している」
「それ付き合ったふりしてもなんも解決しなくない?」
「あなたに矛先が向く」
「ウッワ」

それ聞いて私が承諾すると思うのか。っていうかそもそもよく私に言ったよな…いやまあ多分私以外だったら乱闘が始まってるんだけどさ…。肉壁はお断りだよとドン引きの表情でいると、ノットくんは首を傾げた。

「同じ授業をとっている誼だろう、断る義理は無いと思うが」
「素で言ってんのが怖いわ」
「仕方ない、ではレポートも見てやる」
「…えっ」
「少なくとも期間中変身学でレポートを再提出することは無くなるだろうな」
「えっ」
「魔法薬学でペアも組んでやる。俺の指示に従えば失敗することは無い、貴様の馬鹿みたいな減点も減るだろうな。それで、断ると?」
「誠心誠意やらせていただきます!」

ハッつい。手にパッと口を当てるが既に出た言葉は戻せない。ノットくんはニヤリと計画通りというような嫌味な笑みを浮かべて私に手を差し出した。交渉が成立してしまった…。諦めてしばらくよろしく!と握手をすると、ノットくんは私と握手した手をハンカチを出して拭いた。おいマジでやる気あんのか。


理性とか利潤とかそういうもの

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