ALBATROSS

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玻璃ぽた58話ボツ

少し火の小さくなった暖炉に薪を追加すると、薪が炎に飲み込まれぱちぱちと音が鳴る。ちゃんと物入れて燃やさなきゃいけなかったり、こういうところは魔法でもどうにもならないらしい。でもインセンディオとかあるんだからマジファンタジーマジ卍。少し火の強まった暖炉の前の椅子に座り、身体に毛布を巻き付けてサイドテーブルにおいて置いたココアに口をつける。はあとろける〜あったまる〜うま〜。

「あらナマエ、どうしたの?いつもなら今頃寝てるじゃない」
「ん、そうなんだけどちょっと今日はね。ハーミーも飲む?ココア」
「うーん……遠慮しておくわ、ハリーのためにね。私、図書館に行ってくるわね、聞かれたらそう言っておいて」
「まかされた。ロンは?」
「さあ、部屋にいるんじゃないかしら?」

ならマシュマロを持っておいきよ、と話しかけるとアイテムをくれるRPGの老人さながらに以前ハニーデュークスで買った小ぶりのマシュマロの袋を渡す。図書館は飲食禁止なのよ、とぷりぷり注意するがハーミーはきっとこっそり食べるのだろう。私は知っています、あなたがこの数年で染められてしまったことを。ハーミーのふわふわな栗毛を見送り、またココアに口をつける。あったいの持続する魔法知りたいなあ。うー、さむさむ。

最近ハリーは何やら忙しいらしく、よく1人でどっかに行っている。ロンもハーミーも知らないらしく、当然私も目的は知らないが、決まってハリーはかなり疲労して帰ってくるのだ。最初は顔色も悪くしんどそうでビビって医務室に連れていったのだが、本人が大丈夫だと繰り返し言っていたからそれを信用した。つーかあまりにも抵抗するもんだから、あっこの抵抗力があるなら元気だわって判断した。いつの間にあんな力強くなったのねハリーちゃん。まあ、どっかに行っている、と言っても行先は割れている。ルーピン教授のところだ。ちなみにこれはハリーからではなくルーピン教授から聞いた。なんでも、「出来れば暖かい飲物、そうだなあ、ホットチョコレートとかココアとか、はちみつたっぷりのホットミルクでもいいね。そういうものを用意して迎えてあげて」だそうで、私はそれをしっかり実行している。といってもそう言われたのは今朝だからこれが初めての試み。ココアはちゃんとあまーくしたしマシュマロも用意した。更に一応砂糖も用意したから足りなければもっともっと甘く出来る。いつものルーピン教授の紅茶が1ルーピンだとしたら3ルーピンくらいはいけるかな。
教授が絡んでるなら確かに大丈夫なんだろうけど、それでも毎度顔色がめっちゃ悪くて若干フラフラしているハリーを見るのは不安だ。一体何をしているんだか。私には予想もつかないけど、ハーミーはどことなく納得したような様子を見せていたのでわかってるんだろう。やっぱすげぇよハーミーは。ずずずっと注意されるような音を立ててココアをまた一口。クッキーも用意するべきだったかなあ。それよりチーズが食べたいかもしれない。チーズトーストとココアって合うんだよねぇ、やっぱ軽食も用意すればよかった。



「ーー、ナマエ!」
「…………おろ?」

少し鳴り出したお腹をポンポンと叩いてのんびりうつらうつらとしていたはずが少し眠ってしまったらしい。膝の上に重さを感じる、そして目の前にはハリーのドアップの顔が。近い近い。なんで膝の上乗ってんだ。

「起きた?帰ってきたらナマエがここでじっとしてて声かけても動かないから死んでるのかと思っちゃったよ!」
「発想の飛びようすごいな、さすがシーカー。ごめんごめん、なんか寝てたっぽいね。おかえり」

ココア冷めちゃったかも、ごめんね。そう言ってサイドテーブルのポットを確認しようとハリーをどかそうと力を入れる。しかし動かない。重いぞ少年。

「…………ハリーくんや」
「少し寒いんだ、あたためてよ」
「いや、だからココアをね。今確認しようと、っていうかならもっと暖炉に近づいた方がいいんじゃない?ほれどいたどいた」
「やだ」

やだ!やだって!またそれかよ!かわいいしか言えないじゃん!かわいい!
内心歓喜とぐぬぬが交ざり唇を噛む。と、ハリーの指がそれをやめさせた。ちょ、まてよ、そんな技術どこで手に入れたんだ。慌てて私の口からハリーのきめ細やかで若いすべすべの手を離させると楽しそうに笑った少年に、いたずら小僧めと私も笑う。お姉さん君の将来が心配ヨ。お願いだからジゴロとかやめてね。

「……今日はいつもより顔色がいいね」
「そうかな?ナマエのおかげかも」
「そりゃよかった」

顔色もご機嫌もいいな。くすくすと笑いながら肩口に頭を押し付けてくるので後ろから撫でると、さらにぐりぐりと押し付けてくる。かつてここまで甘えたなハリーくんがいただろうか。まあココアの代わりの2ルーピンくらいはいいでしょう、いいなり下僕になりましょうとも。げぼくって読まないで。ちなみにロンは私が寝ている間にハーミーとさっさと夕飯を食べに行ってしまったらしい。ハリーはルーピン先生のところで食べてきたと。……起こせや!

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