ALBATROSS

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6万打&2周年フリリク短編(ぶつ切り)

夜の十二時、消灯後同室者たちは皆すやすやと眠りについて、私はワクワクとちょっぴりの恐怖心を持って寮から廊下へと出た。
ホグワーツで行われた闇の魔法使いとの決戦からようやく一年、魔法界は未だ混乱の中にあるけれど、ホグワーツの中は落ち着いてきたといえる。
学校が再開したばかりの頃は、怖くて談話室で固まって寝ていた時期もあった。魘されることは今だってある。いつ連行されて嬲られるかわからない日々は眠れない夜と消えない傷をもたらした。友達を亡くし、憧れの先輩の死を見たあの決戦は怖かったし、今でも現実だって信じられないときもあるけれど、魔法界の未来と私たちの将来を照らしたのだと思う。闇はいつだって人の近くにあって、私たちを手招いている。だから私たちはまたホグワーツで魔法を磨いているのだ。
だからもちろん、この消灯後の外出も私たちにとっては大事なこと。魔法使いに、というより、十代の学生にとっては、かもしれないけれど。

待ち合わせは地下への階段の入口。少しの駆け足で廊下を抜けて、月明かりに照らされた道の先にローファーが見えた。

「ナマエ!」
「アストリア、シーッ。バレちゃうよ」
「遅いわ、一人で待つの寂しかった」
「寂しかっただけ?うそだ、怖かったんでしょう」
「そ、そんなことない!」
「だからバレちゃうってば!シーッ」

なるべく小声でくすくすと笑い合う。

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