拍手ありがとうございます!お礼文はマサ輝ちゃん!

体育が終わって教室に戻ると、黒板にでかでかと俺と輝くんの相合い傘が書かれていた。その周りには赤のチョークで描かれた綺麗なハートマークが散りばめられている。幸い今月は男子が教室で着替えることになっているから、女子に騒がれる心配はなかった。なかった、はずなんだけど。

「えっ!狩屋って輝と出来てたの!?あ、輝!ちょうどいいところに!」
「天馬くん、どうしたの?」

女子じゃないけど女子みたいに騒ぐ奴の存在を忘れていた。

「言っておくけど、書いたの俺じゃないから」

あ、バカ。俺のバカ。言い方にも色々あっただろう。なんでこんな、冷たく突き放すような言い方。

「あはは、分かってるよ」

一緒に消すのを手伝ってくれている輝くんの横顔はなんだか寂しそうだった。きゅう、と音がなる黒板消しからはチョークの粉がはらはらと落ちる。まるで、輝くんが白い涙を流しているみたいだ。

「…でも、僕ちょっと嬉しいな」
「なんで?」
「だって、こうやって書かれちゃうくらい周りから僕と狩屋くんは仲良く見られてるんだなあって思って!」

輝くんは嬉しそうに笑ってる。さっきの少し泣きそうだった横顔はどこかに行ってしまったようだ。だけど俺には無理矢理笑っているようにも見えた。こうやって明るくしてるけど、きっとさっきの俺の言い方気にしてるんだろうな。照れ隠しだったなんて、更に恥ずかしくて言えないや。

「あ、狩屋くんには迷惑だったよね。でも、もう消したから大丈夫だよ」
「輝くん、手出して」
「え、なにするの?」

教卓の上に転がってた油性ペンのキャップを外す。さらさらと輝くんの手の甲に、黒板と同じものを書けば完成。相合い傘自体は嫌じゃなかった。寧ろ俺だって嬉しかった。ただ、書く場所は弁えろってこと。恥ずかしいから。

「え……」
「い、嫌だったら消せよ」
「絶対消さない!」

どのみち油性だから消えないけどな。大事そうに手の甲を見つめる輝くんに思わずどきっとした。そんなに嬉しいのかよ。その後すぐに俺の手の甲にも相合い傘が書かれた。ああ、掌にすればよかったかな。授業中これが目に入って、集中出来ないや。

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