ダブル
/外国人兄弟×平凡ショタ(3P・舐め責め)
新年度が始まって数週間がたった。
真新しい制服に身を包み、小学校から中学校に入った途端なにか変わるかなぁと思ってどきどきしていたけれど、ふたを開けてみれば小学時代と同じ顔ぶれが集まっていて、あんまり中学生になった実感がわかなかった。
変わったことといえば他校から来た子と仲良くなったこと、少し先生が厳しくみえること、先輩後輩という上下関係をなんとなく知ったことくらい。
勉強よりはまず遊び、っていう感じで、誰ひとりとしてまだ春休みを満喫してるみたいな感じ。
「奈津っ」
「あ、ハルくん!」
僕の名前を呼んだのは、入学式のときから話しかけてくれたハルくん。
ひょんなことから意気投合したのだ。
きっかけは名前。
僕が奈津で、彼がハル。
なんだかまるっきり季節の名前みたいで、入学式にふたりして大笑いしたのを覚えている。
ハルくんは去年から日本にきたと言っていた。
お父さんのお仕事の関係で、はるばるアメリカからこちらにきたのだ。
笑顔が女の子みたいに可愛くて、年齢よりよっぽど幼く見える。
一年前に日本に来たとはいえ、まだまだ日本語は勉強中みたい。
ときどき変なことを言ったりするけど、僕も今年から英語を習うから、少しハルくんに英語を教わったりするんだけど。
「奈津、英語のしくだい、した?」
「えっ、あ、宿題…?あったっけ?」
「にゅーがく前に、ガイダンスした」
入学前に…あ、そうか、担任の先生がさっそく出したやつだ!
「あ、やってない!」
「オレやってる!いっしょ、やろ。奈津、英語へた」
「ううっ…そ、そうだけど…いいの?」
オフコース!とハルくんが元気にいう。大きくてくりっとした目がきらきらとこちらを見つめて。
「きょう、金曜日。明日、ガッコやすみー…デ、おとまりできる」
「お泊り?えぇっ、いいの?」
「アニキが、そうしろと」
アニキ、というのはハルくんのお兄さんのことだ。
日本のホームドラマを見てから、アニキ、なんて顔に似合わない呼び方が定着してしまったようで。
そんなところがハルくんらしいというか…。
さっそく携帯で家に連絡を入れ、親に確認をとってから、僕は初めてハルくんの家にお邪魔することになった。
「お邪魔しまーす…」
前に下校中ハルくんの家を見せてもらったことがあったけど、大きくて立派だなぁって思ってた。
実際中に入るともっと大きく感じる。
ぼーっとしてると、ハルくんが手を握って早く早くと奥へ招く。
「おかえり、ハル。奈津くんも」
リビングへ入ると、ハルくんのお兄さんがソファに座ってこちらを振り返りながら言った。
ユキさん。ハルくんのお兄さんで、僕たちが通っている中学校の3年生だ。
ブロンドのさらさらとした髪に、鼻はすぅっと高くのびて、彫りの深い顔立ちに程よく影が落ちている。
きれいな人、僕はユキさんを見るといつもぼんやりしてしまう。
「あーっ!!アニキ、帰るのおそいってウソ、ウソついた」
「奈津くんが来るっていうからね。ディナーを作りたくて。ウソをついたわけじゃないよ」
ディナーだなんて、と僕はびっくりして目を丸くした。
心配いらないよ、そう言ってユキさんは柔らかく微笑む。なんだか照れてしまって僕はいつもユキさんの目を見れない。
隣でぶすっとするハルくんは、もう、とか、あーあ、とか、ずっとぶーたれている。
「ウソ、これじゃ奈津、オレだけのじゃなくなる」
「でも、お勉強はハルがしーっかり教えてあげるんだよ」
「イエスイエス、ママ」
嫌味ったらしくそう言って、ハルくんは僕の手を取ってリビングの奥のテーブルへと連れて行ってくれた。
調理中のキッチンからいい匂いがする。そんな中、宿題を終わらせた僕たちは予習ということで教科書の朗読のし合いっこ。
慣れない英語に四苦八苦しながら、ハルくんの口を見よう見まねしてみる。
RとLの発音がよくわからない。
「奈津、べろの使い方、ちょと…こうやってアゴだすと、やりやすい」
「あご?うー、うー」
猛特訓を受ける中、ユキさんがキッチンからこちらを覗いてにっこりと手を振る。
はっとして赤くなった僕を見て、ハルくんは「なーーーつ!!」とまた怒った。
ごめんね、と言おうとした瞬間、ぐいっと頭ごと掴まれて、
「ンぅっ!?んー!!」
キスをされた。
それだけじゃない、息をしようと思ってかすかに口を開けた瞬間、そこからハルくんの舌が入ってきた。
びくっと体を揺らすともっと頭を引き寄せて、舌を絡ませてはちゅ、っと唾液を吸い取っていく。
「んう、うっ、は、んんッ…!や、」
「ストーップ、ハル、暴走しない。」
ユキさんに体ごと引き離されてようやく解放されたけど、キスしたハルくんはまだぷりぷりしていて、僕だけがバカみたいに顔を赤くしてた。
なんで突然キスなんか、もしかしてアメリカじゃ当たり前のことなのかな、集中してなかったから!?と、色んなことを考える。
「えと、ごめんね、ハルくん…」
しゅんとして謝ると、ハルくんとユキさんは目を丸くして、それからユキさんだけ少し笑った。
「ディナーにしよう、二人が好きそうなカレーだよ」
カレー!!ハルくんと僕は顔を見合わせて、それから笑った。
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