隣の席の
人気者×ぼっち
/脚フェチ・こきあい
カリスマ性なんてのは本当に存在する。
当たり障りのない会話をしているだけなのにすごく人気がある人間もいれば、すごく面白いことを言っていてもなんの注意も引けない人間もいる。
僕は完璧に後者だ。
例えば今まさに目の前で爽やかに走っている、隣の席の宝くん。
名前のとおりみんなから大事にされてるイケメン男子、運動神経抜群、頭もよくて性格もいい。
いいところより悪いとこ探しちゃう。
僕はと言えば事務的な話しかしないし、最初こそ頑張って話題作ってたけどそのうち面倒になって…とにかくそんなタイプの俺とは正反対なわけで。
体育館なのに宝くんのまわりだけ陽射しがさしてるよ、この現象一体なんなの…
先生の笛が鳴り響き、授業終了のチャイムが聞こえる。
重たい腰を上げて先生の手伝いをしに行く。面倒だけど、授業見学したからにはこれくらいしないといけない。
1日の最後が体育だもんなぁ、しかも苦手なバスケとなれば見学するしかないでしょ。
思いながら頼まれた後片付けを黙々とこなす。
体育倉庫にいき、最後のコーンを重ねる。
やっと終わった頃にはもう体育館に人はおらず、倉庫ももちろん物音ひとつしない状態。
それにしても暑い、こんな中なんで外じゃないんだろう…そう思いながらふと出ようと向きを変えると、扉が閉められていて。
その扉の前には宝くんが立っていた。
ちょうど宝くんのことを考えていたばかりだし、ちょっとしたどっきりみたいでビビる。
そんな俺を見て、宝くんがにっこり笑った。汗ばんだ姿もまたかっこいい。
「お疲れ!」
「えっ、あ!はい、お、おつかれさま…です…」
「ここ暑いなー、小嶋くん、今日具合悪かったの?」
「や、そんなんじゃ…バ、バスケ苦手だから…」
「そっかー!じゃあ今度一緒に練習する?案外楽しいよ!」
「えっ、あ、えっと…」
なんなんだろうこの当たり障りのない表面的な会話。
リハビリ?僕のコミュニケーション能力のためのリハビリ?
久しぶりに人間と会話した気がして思った以上に動揺していると。
「あ、あのさ、…ちょっと、お願い事があるんだけど」
え、と宝くんをみると、なんだか気まずそうな顔をして僕を見ている。
お願い事だなんて可愛い言い回し、これがカリスマ性か…なんて思っていると宝くんが近づいてきて、突然僕の手を掴む。
「足、見せてくんない!?」
えっ。
一瞬かたまってしまった。
いやいや、宝くんが。
あの天下の宝くんがそんな野郎の足を見たいなんて。
聞き間違えかと思いながらも、
「え、え…あし?」
そう問い直すと、宝くんは首をぶんぶんと縦に振った。
うん、聞き間違えではなかったらしい。
現状が理解できないまま、自分の足を見る。
夏だからハーフズボンだし、一応今だって膝下は見えてるんだけど…
とりあえず、膝より上が少し覗くくらいちょっと裾を上げてみる。
「こ、こう?」
「うーん、そうじゃないんだよね…ごめん、一回脱いでくれる?」
「えっ」
聞き間違えか。
いや、多分そうじゃないな。
だって宝くんがこんなにも真剣な顔をして僕の足を見ている。むしろバスケしてたときより熱意のある眼差し。
この人は本当に宝くんなんだろうか…そう思わざるを得ない行動に不思議に思いつつ、お願い!と念押しされては断ることもできず。
着替えのときだって脱ぐし…と、しぶしぶ脱いだ。
「うんうん、そうだよね、そうだよね」
何かに納得しながら、パンツ姿になった僕の周囲をぐるぐると回る。
あれだ、なんかの実験体みたいな。
複雑な気持ちのままひたすら終わるのを待っていると、宝くんが正面でぴたりと止まる。
「もっとよく見たいから、あれに乗って!」
指差した先にはけっこう高い跳び箱。
この人まじで足だけ見るつもりだ…!
しかしまたまた断ることができず、結局僕は背中を押されるようにして跳び箱を登り始めた。
跳び箱の上に浅く座ると、宝くんによく見えるように両足を曲げて前に出す。まるで絶景を見ているかのような宝くんの目の輝きに若干引いていると、すすーっと膝下を手が撫でた。
股をわって、両方の足をさわさわと触る。
不思議な感覚に腰が引けそうになった。
「う、わわっ」
「授業中とか体育の時とかずっと見てて思ったんだけど、やっぱり毛薄いよなーうんうん!」
よくわかんないことを言われて、ますます混乱する。
毛か…確かに薄い方だとは思うけど、汗ばんでるし、男の足なんて骨張ってて全然可愛くない。
なのに、
「ごめん、ほんとちょっとだけ、舐めていい?」
何が彼をここまでさせるんだろう。
答える暇もなく宝くんはくるぶしあたりを舐め始めた。
くすぐったくて思わず身をよじると、つつーっと膝まで舌がのぼってくる。
「んっん、ひゃあ…ッ」
「んー、しょっぱい」
くるりと膝こぞうをなぞって、そのまま内側へ舌が這う。
今まで舐められたことのないその感覚に身震いして、恥ずかしさも重なって顔が熱くなるのがわかる。
「た、宝くん、も、汚いからやめて…っあ、ッ」
「全然汚くないから!ていうかむしろもっとくさかったらよかったのに」
へ、変態だ…!!
でもその容姿だからこそ全然変態くさくない、僕なんかが言ったら言葉の意味より先に音の波動レベルで人の耳をおかしくさせてしまう自信が…
なんて思っていると、宝くんの舌が太ももを這ってくる。ぞわりと鳥肌がたって、やっぱりくすぐったい。
「っん、くすぐった…」
「ここが好き」
そう言いながら、内腿の付け根のふっくらしたところをガブリと噛まれる。
好きっていったって、僕そんなとこ露出したことないよ…
はむはむとそこを噛みながら、ちゅっと音を立ててキスをされる。
再び膝へ舌が戻ると、今度はゆっくり内腿をなぞられる。
「あ!ん、ッふ…ぅッ」
思わず変な声が出てしまい口を塞ぐ。
だけど、
「ん、ん、やッ…あ、は」
れろれろと内腿をひたすら舐められ、次第にパンツのあたりがきつくなってくるのを感じた。
やばい、気づかれてしまう。
そう思って隠そうとすると手を押さえられてしまった。
「反応しちゃった?」
「やぁ、ッん!!あ…っごめ、ひぁあっ」
ぐにぐにとパンツの上から揉みしたがれて体がしなった。
「俺も反応しちゃった。」
「んん、えっ…」
そう言われてみると、宝くんのジャージの股間のところが確かに膨れていて。
あ、足舐めながらたったってこと…?
底知れない。
宝くんがこちらを見上げて、今日一番のとびきりいい笑顔を向ける。
「一緒に気持ちよくなろ!」
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