「…っ、う…」


こす、こす、と半泣きになりながら弱々しく自身を扱く。

机の上に乗ったあと、ズボンと下着も脱げと命令され、僕は不良たちの笑い声の中下半身を晒した。
そのまま足を中途半端に広げ、八木くんに言われたとおりオナニーをしている。


情けなくて泣きそうだった。
当然勃起なんてするわけがなく、時折聞こえてくる嘲笑う声にまた鼻の奥がツンとなった。


「もっとできんだろ。」


少し手を止めれば、八木くんの野次がすぐとんでくる。


「う、っく…ごめ、なさ…」


震える声で謝り、萎えたままのそれを弱々しく扱き続ける。
もういやだ、もういやだ


はぁーっと八木くんの盛大なため息が聞こえた。
それだけで肩がビクッと跳ねる。


「…大瀧、お前さぁバンテージで荒れるとかいってハンドクリーム持ってたよな?」

「あー…持ってっけど」

「それ貸せ」

「…?」



大瀧くんはズボンのポケットからハンドクリームを出すと、八木くんに渡した。

そして八木くんはそのハンドクリームを僕のほうへ投げて寄越した。

どこにでも売ってるような、よく見る銘柄のハンドクリーム。
僕は恐る恐る八木くんのほうをみる。


「それで慣らして尻でオナれ」

「…っ!」

「おい…人のハンドクリーム…」

「っせーあとで買うっつの」


ハンドクリームを見つめたまま、僕は最初に命令されたときよりもずっと青ざめた。

たしかにビデオで何度も見たことはある。自分で慣らしながら、男優はみんなよがってたけど…

でも、自分でシたことなんて一度もない。
それに、そんなこと、こんな人前で…


「さっさとやれよ」


八木くんの冷えた声がずんと心にのしかかる。
やらなきゃいけないんだ、とまた冷や汗がでた。


震える手でキャップを外し、できるだけ多めにハンドクリームを出す。さいわいジェルみたいな感じで、多めに出せばすぐに乾燥するような心配はなさそうだった。

おずおずと足を広げる。


「やりにくいだろ。四つん這いなれ」


カッと顔が熱くなる。
よ、四つん這い?!それってみんなにお尻向けるってこと?

恥ずかしい…!

でもやらなかったらまた野次がとぶし、それだけじゃ済まないかもしれない。
僕は机に膝を立てて、手の平にあるハンドクリームがこぼれないようにみんなにお尻を向けた。


誰かが笑う声がしたけど、もう言うこと聞いてさっさと帰りたい…!


にゅるっ


「ひっ!つめ、た…っ」


ひんやりとしたハンドクリームをお尻の穴の部分に塗り付けていく。

ふー…と震える息を吐き、まずは一本、指を入れ込む。


「いっ、う、うー…っ」


ハンドクリームのおかげか、違和感は半端ないものの案外すんなりと入った。
けどやっぱり、出すべきとこに入れるというのは…きつい。


周りからは笑い声が聞こえたり、おーなんて喚声が聞こえる。

恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい!!


自然とこらえていた涙がこぼれ、足も手もぶるぶる震えた。
それでもぬぷっぬぷっと音をたてながら指を出入りさせる。
引き抜く瞬間に前のほうにクるむず痒い感覚に、ぎゅっと目をつむって耐えた。


「うっ、ひっく、は…う」


くち、くち、ぐぷっ


「ん…ーっう、はァ、あ…?」


ぞわりと鳥肌がたつ。
なん、だろ、なんか奥がジンジンして、



「ぃ、あッ!!」



ゴリッと奥の何かに擦れた瞬間、そのむず痒さが確かな快感になった。
思わず体が大きく跳ね、きゅうっとお尻が締まるのがわかった。


「は…ァんッ、あ、うっ!やぁ…っ、な、んで…っ」


ぐちゅ、ぐちゅ、ソコに指を当てるために自然と腰が動いて、卑猥な音が止まらない。


周りからはいつの間にか笑い声が聞こえなくなっていた。かわりにみんなの視線だけが熱く感じて、よけいにお尻がジクジクとする。

教室内にはただただ僕のおしりから出てるいやらしい音だけが響いていた。


ぐちゅ、ぐちゅ、グリッ


「や、あ、あッ、も…っひ、くっやだぁ…っ」


「何がやなんだよ?感じまくってんじゃねーか」


静かだった教室内に、笑いを含んだ八木くんの声が響いた。
僕はそれでも指を止められず、「あ、う」と小さく震えながら八木くんのほうを見る。

八木くんは椅子から立ち上がって僕のほうへゆっくり歩み寄ってきた。


「見られて興奮してんのか?」

「やっ、ちが」

「違わねーだろ、こんなにさせてよ」

「ひあぁあッ!」


突然後ろから自身を握られる。
ほら、と言いながら八木くんは僕の自身をぐちゃぐちゃに扱き始めた。

驚いてみると、いつの間に反応してたのか、僕の自身は先走りまで出ていた。

おしりの刺激だけだったのが急に前もめちゃくちゃにされて、僕は突っ伏しそうになった。
でも八木くんががっしり腰を押さえるから身動きがとれなくって、無理矢理刺激が与えられる。


「やめんなよ…イかせてやっから」


そう囁くと、八木くんはねっとりと耳を舐め上げた。


「だめ、だめ、やだっ!んやぁあッあっあっあっ」


じゅくじゅく激しく上下に擦られ、同時に耳の中も舌が出し入れされる。八木くんの熱い息に体がしなり、指も止められなくてつらいのか気持ちいいのかわけがわからなくなる。


「いやっ、やめて八木く…っはぁっ!ァッだめ、も…」


ぐちゅんっ、ぐちゅぐちゅぐちゅ


「やぁあっ!あッ、あんだめ、もっ、イっちゃ、あッ!あ、やぁぁあっ」


びゅるっ、びゅくびゅくんっ



ビクビク体を震えさせて、僕は八木くんの手の中に吐き出してしまった。
にゅるにゅる、弱々しく自分のおしりから指を引き抜いて、八木くんが腰から手を離してくれたからやっと机の上に突っ伏すことができた。


「…あ、はぁ、うっ…ひっ、く」

「ごくろーごくろー。でも残念、見ろよ」

「は、…え…っ」


息も絶え絶えに言われた通り周りをみると、僕のほうに向けられる熱をもった視線、視線、視線。


「な…に?」

「みんなお前でヌきてぇんだろ」

「っ?!」


直接的な言葉に顔が熱くなる。
なんで、さっきまであんなに馬鹿にしてたのに…っ






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