未知へのススメ02



「あぁあっ!あ、やぁんッ、あんっ…も、また…ッ」

「ん、ストップ」


また達すると思ったところで、ぴたりと刺激がやんだ。男はごめんねぇと言いながら指を引き抜き、またカバンを漁っている。
中途半端にされたそこはヒクヒク動いて、奥がうずいているのが嫌でもわかる。

一体なんなんだ、と思い見ていると、


「じゃん。これ、イイモノ」


何だと思いよく見れば、ピンク色のイボイボがついたバイブでぎょっとする。
びっくりした?と男は言いながら、バイブにローションを塗りつけている。

当たり前だ。女でもないし、ましてガッツリホモでもないのにいきなりそんな…


「大丈夫、これぐらいなら入るよ」


そういう問題ではない気がするが、怖じ気づくわけにもいかず。
ローションでぬるぬるになったバイブを、男が俺のアナルに宛がう。


「うっ、あっ!あぁッ…!」


ぬぷ、とバイブがゆっくりと捩じ込まれる。少しの違和感はあったものの、そんなに大きなバイブではなかったためか割りとすんなり入った。

ブツブツが内壁を擦りながら奥へと侵入する。もどかしい刺激に悶々とするが、先ほどのいいところを掠めて身体が跳ねた。


「あっ、あっ!やぁッ…そこ、そこぉ…っ」

「ここ気持ちいいとこだもんね?」


いっぱい気持ちよくなろうね、と男は言うと、突然バイブのスイッチを入れた。


「ひゃあぁんッ!!や、あっあっ!んぁッ、動かしちゃ、やぁっ」


グイングインと色々な方向に動くそれは、前立腺を押し潰すどころか押し広げるように掻き回す。
無理矢理乱暴に拡げられるような感覚に目眩がし、ごりごりと執拗に敏感な部分を責め立てられる。


「あぁッ、ア、やめ…っ!あん、ひぁああッ!へん、へんなるっ」

「いいよ、こっちも気持ちよくしてあげる…じゅるるっ」

「やぁあんッ!あっ、それだめ、だめ、ぇ…ッあぁあ!」


あろうことか、男はまたペニスを口に含んだのだ。
再び口内でペニスを滅茶苦茶に犯され、バイブを激しく出し入れされる。
強い快感に髪を振り乱し、縛られた腕を必死に動かすが快感からは逃れられない。


「やぁあっ!ひぁ、あっあっ!ぃ…ッく、いく、いくっ!あ、あぁんッ…またでるっ!」


ガクガクと腰を揺らし、俺は再び男の口内に大量に放ってしまった。
達したと言うのに穴のなかではまだバイブが生々しく動いていて、敏感になっているそこはそれだけでまた反応しそうだ。

そのうえ先ほどとは違い、男は精液を飲んでしまったようだった。恥ずかしい。


「またいっちゃったね、可愛い」


そう言って男はバイブを引き抜くと、俺の腕の縄も解いた。
ようやく自由になれたが息を整えるのに精一杯で、全然余裕なんかない。


ギシ、とベッドがきしんで、男が熱のこもった目で俺を見る。
一瞬ドキリとするが、これから始まるだろう行為になんだか期待してしまう自分もいて。熱

男のそれを見ると、いきり立っていて先端からは先走りが糸を引いていた。


「じゃ、いれるよ」


緊張。
男の熱くなったぺニスが尻に宛がわれ、心の準備をする暇もなくずぷずぷっと貫かれた。


「い、あっ!あぁあっ!!」


じゅうぶんに解されたそこは、思っていたより苦痛もなくすんなりモノを受け入れた。
もしかしてもともとガバガバだったのか?と少しがっかりしていると、突然動き出したそれに体が跳ねた。


「ふふ、なに考えてるの?」

「や…あっ、あ、ん…ッ」


焦らすように腰を動かされ、期待で内壁がヒクヒクするのがわかる。
それを知ってか知らないでか、男はぺニスをぎりぎりまで引き抜いたかと思うと、奥までいっきに捩じ込んだ。


「ひ、ぃああッ!!」

「ああ、ここだったね」


膝を抱え上げられ、全体重をかけ激しく突き始めた。
弄られて腫れたそこを集中的に責め立てられ、逃れられない快感に目の前がチカチカする。
肌と肌がぶつかる音と、結合部から漏れるぐちゅぐちゅといういやらしい音が絶えず耳を犯した。


「んあぁッ!!やぁッ!は、やめ、待って、ひぁうン!おかし、なる…ッ」

「んー?」


ちゅうっと乳首を吸われてのけぞる。
快感で頭がおかしくなりそうだった。
ガツガツと一点を抉られ、まわりの内壁を熱いぺニスが何度も擦り上げる。

息もつけないような刺激に狂い、紛らわすように男の唇を奪った。
突然の仕掛けに驚いたのか男の動きが一瞬止まる。


「ん…キス、だめなんじゃなかったっけ?」

「っは、う…ンンッ!ん、ひあぁッ!!」


止まったのも束の間、すぐさまピストンが再開される。
というかさっきよりずっと激しい。


「いやぁッ!あっあっあっ、い、くっ、むり、もッ、いくッ」

「初めてなのに、お尻だけでいくの?えっち」


ふふ、と男は笑って耳を舐める。
男の言葉にさえ奥がうずいて、腹がぎゅうっと強くひきつるのが分かった。
瞬間、男が顔を歪め息を荒くする。


「は、俺も、そろそろ…いくね」

「あ、あぁあっ!ひ、やぁあんッ!」


腰を掴まれたままガツガツと乱暴に打ち込まれ、目の前がチカチカする。
声も出せないほどに最奥を突き上げられた瞬間、俺は腹の上へ精液を飛び散らした。

男も同じように達したらしく、穴のなかでペニスがびくびくと痙攣するのがわかった。







「今日はどうもありがとう」

「こ、こちらこそ…ありがとうございます」


待ち合わせをした駅で、なんのとりとめもない最後の会話をする。
なんだかあっという間だったな、と思う反面、新しい、未知への扉をこじ開けてしまったような罪悪感。

男は俺に背を向けたかと思うと、ふとこちらを振り向いた。


「実は俺も、キスだけは禁止だったんだけど…」


え、と驚く。そして、俺が半ば無理矢理キスをしてしまったことを思いだし、途端に申し訳なくなった。
謝ろうとした瞬間、


「きみとのキスは、なんか…すごくよかった。って、変だけど…よかったら、また会いたいな」


男はそう言って困ったように笑った。


俺は無言でうなずいて、まだまだ未知への扉は開いたばかりだと思ったのだった。





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