できそこないの気分転換01
リーマン×リーマン(同僚)
/酔っぱらい・愛撫責め


駅前のとある居酒屋にて、幼馴染みである三十路すぎの良い年こいたおっさんが、俺の前できつい日本酒をあおりながら泣きじゃくっている。


「だいたい課長も係長もおれのこといいように使いすぎなんだよ、なんで今日になっていきなり計画書おれがかくはめになんなきゃなんねえの、じぶんらでやっとくって言ってたから前日まで縮小でやってたのに、もおおれあそこでやってく自信ないよおお」


うんなんていうか、店員さんもお隣で飲んでる女子会の大学生もひいちゃってるし、どうにかしたいんだけどこのありさまだよね。


「うん、とりあえず落ち着けカズ、それさっきから聞いてるから」


「でさぁー、おれ今日なにさせられたとおもう?補佐よ、補佐!現場補佐!うそでしょって」

「だぁーわかったって。聞いたし。んで飲むのやめろ。」



何時間いると思ってんだ、と言いながら腕時計を見る。もう12時は軽く越えていて、居酒屋の客もまばらだ。
ぐだぐだ泣きじゃくりながら文句を言うカズの酒を取り上げて、とりあえず店員さんに会計を済ませ、いったん外に出ることに。

夕方急な電話でなにごとかと思えば、会社の上司の愚痴を四時間延々と聞かされた。30分たったところでグズリ始め、4時間ずっとあの状態。
まぁ会社の愚痴なんて誰にでもあるもんだが、ここまで言われるともうお前部署変えてもらえよとしか言えないわけで困惑。

幸い明日は土曜日でおれもこいつも仕事がないからいいものの、普段大人しいこいつがここまで飲むのは珍しい。



「うぇー彰太、どうしよーまじきもちわるい」

「ばっか、酒弱いのにちゃんぽんなんかすっからだろ」


うう、と今度は道端で吐き始めた。おいおい勘弁してくれ、と背中をさすってやる。
ひとしきり腹のもん吐いてすっきりしたのか、水を飲んでぼやーっとしたあと、空を見ながらカズが呟く。


「終電ない」

「だろうな。」


12時軽く越えてもう1時前だ。こいつ乗り換えもあるし、というかこんな状態じゃ帰らせる方が不安だ。
俺の最寄り駅で飲んで正解だった。
ヨロヨロになったカズに肩を貸して、俺のマンションへ向かうことにした。



*


マンションの部屋につくなり、ういーっと唸りながらまたトイレへ向かうカズ。大丈夫かぁ?と声をかけても無言だったが、家についただけでなんだろうこの安心感。まじで。

水を用意して着替えていると、ふらふらしながらカズがトイレから出てきた。
ちゃんぽんが相当きいたのか、顔色がまるで冴えない。

「ボーッとする…しょーたがぐるぐるしてる…」


「はいはいいいから水飲んで薄めろ。風呂は入んなよ」


ふぁい、と間の抜けた声で返事をして、カズは水をぐびぐび飲んだ。とりあえず意識はあるようで一息つく。

口をぬぐいながら、カズはソファに寝そべってぼんやり俺を見る。焦点あってねぇ。つかこいつ寝そうだな。あぶないあぶない。


「おいそのまま寝んなよ」


「しょーた、なんで着替えてんの、寝んの?」


思いがけない問いにしばらく固まる。
いやいやいや。


「スーツのままじゃゆっくりできないだろ。お前も着替えろ、服ならあるから」


カズが突然泊まりにくることなんてしょっちゅうだから、歯ブラシもトレーナーも常に置いてある。なんなら下着も。
彼女がいたら誤解されそうなもんだか、あいにくふたりとも三十路をすぎてもフリーのままだ。


「んんー、着替えさして」


「はぁ?!」


はい、と両手を前に出して、カズは着替えさせろという目で見てくる。
確かに酔いつぶれた今の状態で着替えろってのは厳しいか…つか吐かれたら嫌だし。

はぁ、とため息をついてソファの前に膝をおとし、仕方なくカズのワイシャツのボタンに手をかける。
相当酔ったのか、いつもは色白な肌はうっすら赤く染まり、首筋も少し汗ばんでいる。
なんだかその光景に惹かれかけて、俺も酔ってんのかななんて思いながらタンクトップを脱がせにかかると。


「や、ンッ」


たまたま指が乳首をかすって、カズが変な声を出した。
ごめんごめん、と笑いながらカズのほうをみると、うるんだ瞳と目があった。
いや。
いやいやいや。酔っぱらってるだけだから。こいつ酔っぱらいだから。おっさんだから。

一瞬でもよからぬ考えが頭をよぎったことが恥ずかしい。
だけどほんのすこし、ほんのすこし、もう一度カズのほうをみる。

ほてった身体。赤く染まる頬に目は潤んで、熱がこもっていそうな吐息。妖淫な雰囲気。
思わず確かめるように、俺の指がカズの乳首へ伸びた。


「ンッ、は…ぁう」

ピクンとカズの身体が震える。その反応にそそられて、さらに乳首を指で刺激する。
こねたり押し潰したり、きゅっとつねっては小刻みに揺らしてみる。
そのたびにカズは悩ましげに眉を寄せ、「んっんっ」と身をよじった。
ああ、残念なことに酔ってるんじゃない。俺はこいつに完璧に欲情してるし、こいつも誘ってる。


たまらず、ゆっくり左の乳首に舌を這わせた。
はじめは触れる程度に、徐々に舌を尖らせてぐりぐりと痼を押し潰してやる。


「あっあっ、やぁ…!うんンッ…は、あんっ」


乳輪ごと口に含んで吸い上げながら、舌を小刻みに動かして乳首を刺激する。
時々甘く噛みつけばカズの身体がぴくっと反応して、腰が揺れた。

それを横目でみた俺は我慢できずに下半身へと手を伸ばす。


「ッア、ひぅうん…ッしょーた、ァっ」

「っ!」


今まで聞いたことのない欲のこもった声で俺の名前を呼ばれ、プツンとなにかが切れる音がした。



「カズ…良い気分転換の方法教えてやるよ」







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