灯にご用心02
いやいやと首を振っているとふいにグンッと腰をつかまれ、まんぐり返しのような体勢にされた。
「うわっ!何す…っ」
見えないけど力は強くて、跳ね返すどころか動かせない。一人まんぐり返しみたいになってるのが恥ずかしくて、顔を隠した。
するとぺと、と何かが玉より下、尻の穴に当たる。なんだと思えば、ぴちゃぴちゃと音を立ててそれが穴のまわりを這う。
まさか、舌…!?
「やっ、やだ!やめ…汚い、からっ」
起き上がろうとした瞬間、ぱくっと玉をくわえられてしまい力がぬけた。
それを良いことに穴のまわりをちゅうちゅう吸われ、べろんべろん舐めまわされる。
卑猥な水音と尻の違和感に目を固くつむっていると、ぐっ、と固くなった舌が穴の入口を出入りしてきた。
「ふぁ…っ、あ、あ、だめ、ナカぁ…ッ」
尖らせた舌が、小刻みに入口の浅いところを出入りする。中の壁を擦るように這いまわるその動きに次第に腰が揺れだして、もっと奥へと舌を誘導する。
時折入口にたまった唾液をじゅるるっと吸い上げられ、そのたびに体が跳ねた。
じゅぽじゅぽっ、じゅるっ、じゅちゅうぅっ
「いぁあっ、はぁあんっ!ア、あ、あんっ!あ、ナカ、あついぃ…っ」
さんざん舌でなぶられぐずぐずになったそこに、舌より固いものが入り込んできた。
「や、あっあっ何、ぃ…ッ」
「指だ。まるで女のそれだな…締め付けて離さない」
いや女よりいい、と笑う声が聞こえてとたんに顔が熱くなる。
やめろ、と言いたかったがすでに遅く、中の壁を確かめるようにズルズルと出し入れされるその指の動きに俺は悶えた。
「ふぁあんッ…や、だっ…」
指がズルッと引き抜かれたかと思えば、かわりに舌がねじこまれてくる。じゅるじゅる唾液を送りこまれては吸い出され、中の壁を突くように這いまわる。
かと思えば指も入れられ、質量の増えたそれは最初より乱暴に中を掻き回した。すると、ぐちゅっという音とともに何か一点をとらえた。
「やぁあんっ!?な、にっ…ひぁ、あぁあっ」
「ココか」
ふふん、と笑う声が聞こえる。
舌は入口付近をほぐすように動きまわり、指は先ほどの一点を乱暴に引っ掻き、突く。
舌と指の刺激で頭はくらくらし、あまりの快感に何がなんだかわからず、ただただ与えられる刺激に身もだえ、引っ切りなしに声が出た。
「ひぁあッ、あぁんっ!あ、やぁッ、だめ、そんなにしたら、出ちゃ…っ」
「わかった」
俺の足がガクガク震え始め限界を察したのか、舌を穴から引き抜くとツツーッと裏筋に這わせ、あろうことかそのまま自身にむしゃぶりつかれた。
「やぁあ…っ!あっ、だめ、だめぇっ!」
自身は舌でぐちゃぐちゃにされ、穴は指で掻き回され、俺はいやいやと首を振って腰を揺らした。
ぐじゅるっ!じゅるっ、じゅるるっ!
ぐぽ、じゅくじゅく、ぐりっ!
「あぁあああっ!だめ、イく、イく、イっちゃ、ひぁっ!あぁんっ!」
びゅくびゅくっ、
体を痙攣させて俺は達した。
腹にかからないということは、飲んだ…?
「ひゃ、ぁんっ」
ちゅる、と先端の割れ目を吸われた。構造はわからないが、やはり飲んだようだった。
「うまかった」
「だからその、感想とかはいいから…」
「今度はお前が飲む番だな」
こっちの口で、と言いながら腰を捕まれる。
さっと血の気がひく。
「待って、やめ…っ!」
反論するまもなく、ズプンと熱がねじこまれた。
舌や指とは比べものにならないそれに悶える暇もなく、ズンッと最奥まで貫かれ引き抜かれる。
「ひぁああんっ!あっあっあっ!だめ、あひっ、おかし、なるっ」
「ああ…熱くて、よく締まる…」
何もされていない自身からは先走りか精液かわからないものがぴゅくっと飛び出した。
ぐいっと腰をつかまれたかと思うとさらに深くまで貫かれ、ズルルッと熱がぎりぎりまで引き抜かれる。そのたび穴がぎゅうっと締まるのがわかった。
「ここを責めてやろう」
「ひぁんッ!あっ、やぁっ、何っ…」
膝裏を抑えつけられ、グンッと熱がグラインドして角度をかえる。
すると、さっきまで舌と指でさんざん責められていたイイトコにゴリゴリと熱が当てられた。
まさかと思い息を呑む。
いやだ、と言う間もなくすごい勢いでピストンが始まった。
「ひぁああンッ!!いぁっ!やあ、あ、ア、あぁんっ!!らめ、らめぇえっ」
絶え間無い快感に生理的な涙がボロボロ出てきて顔はぐしゃぐしゃだった。
それでもピストンは止まることがなく、奥にある腫れたしこりを押し潰すように何度も何度も責め立て、敏感になった内壁を擦り上げる。
「や、ァッあぁん!あ、あっも、ひゃンッ、あっ、もう、イくぅ…っ!」
「ああ…私も…っ」
ずちゅんずちゅんといっそう激しくなるピストンに眩暈がした。
快感に逃げようと身をよじるが、すぐに腰を捕まれさらにガンガン打ち付けられる。
「あぁァあんっ!!だめ、ぇっ、あんイっちゃ、あっ、イくうぅっ」
「は…っ!」
ぴゅる、びゅくびゅくっ!
俺が熱を放ったと同時に、穴の奥に熱いものが注がれるのを感じた。
幽霊なのに、そんなもん出るのか…?なんてぼんやりする頭で考えていると、唇になにかが当たった。
「ん…ふ、ぅっ」
キスだ。
口内を巧みに舐め回され、ちゅるちゅる舌を吸われる。
優しいそれに頭がぼんやりし、受けこたえるように舌を絡ませた。
「ありがとう」
「…ん、ぅ…っえ、」
ふ、と笑う声が聞こえたかと思うと、スゥっという息吹とともに煙が青く光りながら渦巻き、天井へと消えていった。
そうか、もう用はすんだから…
俺はひとりそう納得すると、ポツンと取り残された部屋で静かにため息をついた。
しかし翌日、俺は信じられないものを目にする。
「やあ」
ソファの上に渦巻く、見覚えのありすぎる青い煙。
けろっとした声がハツラツという。
「暇つぶしにもう少しとり憑いてやることにする」
「帰れ!!」
灯にご用心