灯にご用心
幽霊×大学生
/目隠し(状態)


真夏。連日照り付ける太陽と耳障りなセミの声。
避暑地に行けるような金も気力もなく、無駄に長い夏休みをどう乗り切るか試行錯誤した結果、簡単に暑さをしのぐ方法を見つけた。

肝試し。



ベタすぎるがそういうわけで男三人、車をとばして県内でもそこそこ有名な心霊スポットへと向かった。
着くなり嫌な雰囲気が体中をつつみこみ、そこはまがまがしい空気に満ちあふれていた。


男三人肩を寄せ合い懐中電灯の明かり頼りに奥へ進むこと数十分、突然一人が悲鳴をあげ、猛ダッシュで逃げ出した。


わけもわからず俺達もあとを追い、茂みの中を戻っていくと、車のそばでうずくまるそいつの姿が。

話を聞けば、青い煙をまとった男が仁王立ちをしてこちらを見ていたそうな。

これ以上進むのも面倒だし、その話をきいてもう一人もネをあげてしまっているようなので、俺達は仕方なく帰ることにした。







家に帰れば打って変わって蒸し暑い空気が俺を生暖かく迎えてくれた。
エアコンと扇風機をつけ、ソファに懐中電灯を放り投げると自分も倒れるように横になる。

はぁーとため息。

初めての肝試し。
そこそこスリルはあったものの、結局は友人のおもりで終わったような気がする…

そんなことを思いながらも疲れていたんだろう、熱い体に扇風機の風は心地好く、いつの間にか寝入ってしまった。







「…きろ、起きろ」


ん…?
囁くようなうめき声。
いつもより重い体に違和感を感じふと腹の上を見れば、青い煙が激しく渦巻いているではないか。


『青い煙をまとった男が仁王立ちをして…』


友人の言葉がよみがえり、さーっと血の気がひく。

う、



「うわあああ出たああああ!!」


「うるさい」


力いっぱい叫んだ声は、意外と冷静な青い幽霊?の声にさえぎられた。
ていうか思ったより若い声だな、なんか幽霊っていったら唸り声みたいなの想像してたんだけど…


とりあえず青い煙をチラチラ見つつ様子をうかがっていると、煙をくゆらせてそいつは言った。


「お前に憑かせてもらう」


単刀直入とはこのことか。
俺は思わず起き上がり「はぁ?!」と抗議する。



「何、なんで!お前見つけたの俺じゃないだろ!」


「灯」


「とも…え?!」


「帰るときに灯を消し忘れたろう」




灯…?なんのことだ、と頭をひねる。しばらくして、ふと手元にある懐中電灯を見つけた。

そうだ、あのとき一人が逃げ出したから俺も逃げ出して、車に乗り込んだあともずっとつけっぱなしで…
その懐中電灯はというと、このとおり俺の手元に置きっぱなしだ。

でもなんでそれが…



「ああいう催しをするときは灯を消して帰らなければ怪や霊がついてくるぞ」


こんなふうにな、と得意げな声が聞こえ、青い煙がふわりと浮く。
あーいま絶対ドヤ顔してんだろうなムカつく。



「そのー…なんていうか除霊とかしなきゃなんないのコレ?」


「私の願いさえ聞いてくれればさっさと出ていく。お前なんぞに憑いても得がない」


なんか今すごくカンに障ることを言われた気がする。
でも俺だってこのままこんな怪奇現象に付き合っている暇はないのだ。
上から目線なのが気に食わないが、さっさと願いとやらを聞いて早々にお帰り願おう。



「私の子を作れ」



今すぐお帰りいただこう。




「帰れ!!」


「何を言う。」


「お前さあ、俺オトコなんだけど?!ていうかお前幽霊!俺人間!」


自分と青い煙を交互に指差しながら、わかる!?とヒステリックに叫ぶ。



「知っている。だが何十年、何百年とあんなヘンピな場所に低級霊とともに閉じ込められ、私も溜まりに溜まりかねている。」


だから今なら子の一人や二人つくれる気がする。
青い煙がホクホクと揺れた。


つくれるわけねぇだろ…!



「嫌に決まってんだろ、ふざけんなっ!」


「じゃあ一生憑かれれば良い。言っておくが損をするのはお前だけではないぞ。家族、友人、恋人…」


「う゛っ…」



なんという弱みを…俺ひとりならまだしも、俺のせいで家族や友達まで巻き添えをくらうなんて絶対に嫌だ。何より恋人の身が…!まぁいないけど…


俺は唇を噛み、ぎゅっと拳を握った。



「わかっ…たよ。好きにしろ」


「好きにすることとしよう」


「うぉあっ?!」



急に体が宙を浮いた。それとともに、背中と膝裏が支えられている感覚。
うああお姫様だっこされてる!幽霊にお姫様だっこされてる!


ジタバタと暴れている間にも体はどんどん奥の部屋へ運ばれ、無造作にベッドの上へ落とされた。

キッと幽霊のほうを見たが、先ほどまで渦巻いていた青い煙が消えている。



「え、ちょ、なに?お前どこいんの!?」


「ここだが」



ギ、と頭の両脇に手が置かれたのかベッドがきしんだ。
見えない恐怖から、自然と体が強張る。


「なんで光ってねえの…?」


「雰囲気だ。見えないものに好き勝手にされるというのは興奮するだろう」


「はぁっ!?…うぎゃッ!」



ねっとりと首筋を舐め上げられる感覚。思わず色気のない声を上げてしまった。
耳元でクスリと笑う声がする。

俺は恥ずかしくて目をつむって堪えた。



見えない手が胸元をまさぐる。
女みたいに膨らみもないのに何が楽しいんだ…そう思っていると、服ごしに乳首をギュッと摘まれた。
突然の刺激に体が跳ねた。その反応がよかったらしく、指は乳首をグニグニ捏ね回したり、つねったままブルブル振動を加えたりする。


「ん、ン…っあ」


身をよじっていると、Tシャツが上までまくられ、チュッというリップノイズが首と肩、鎖骨、の順で降りていく。
リアルな唇の感覚に、本当にこいつは幽霊なのかと目をこらしてみたがやはり何も見えない。


「余裕か?」


またクスリと笑って、ねっとり乳首に舌を這わせた。
「あっ」と思わず声が出て、とたんに唇を噛み締めた。

乳輪をゆっくり丸くなぞったかと思えば、乳首を激しく舐め吸われる。時折歯をたてられ、今度はそれをいたわるようにくちゅくちゅと先端を舐め回される。
反対の乳首は指でこねられ、押し潰された。


ちゅる、ちゅぱちゅぱ、ちゅっ

「あっ…や、は、ァあんっ…」



乳首を責めながら揺れる腰に手を滑らせたかと思えば、股間を乱暴に揉みしたがれた。
少し反応していた自身に突然刺激が与えられ、ビクンと体が波打った。


「いやっ、あっ、う…」


「これはどう脱がせる?」


「あ…?」



暗さに慣れた目が、ジッパーのつまみが上下に揺れている光景をとらえる。
透明人間みたいじゃねぇかお前…


仕方なく自分でジッパーを下ろすと、「なるほど」と感嘆の声があがった。
ついでにトランクスも脱ぐと、「簡易ふんどしか」とまた感嘆の声があがる。

ばかか、と思いながら暗闇を見つめていると、ガバッと足が広げられる。


「うあっ!?あ、ひぁッ」


れろぉーっと玉から裏筋を舐め上げられたのだ。
急な奇襲に驚きながらも、反応していた自身に直接刺激を与えられて思わず声が上擦った。

焦らすように裏筋ばかりを舐められたあと、ちゅぽんと先端をくわえこまれる。舌が器用に先端を這い回り、ちゅくちゅく音をたてながら玉も唇ではむ。


「あッあっ、んぁう…ッ!んは、あっだめ、だめ…っ」








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -