ベンチに座る大瀧くんの長い脚の間にちょこんと座り、とりあえず、とこわごわパンツの上から舌を這わせる。


「…なにそれ」

「えっ!あ、えと、…よく、みる、から…」


汁男優がやってるのを、とはさすがに付け加えられず、僕はそそくさとパンツをめくる。
顔が近すぎたのか、突然跳ねるように飛び出したペニスが頬にぶつかって「ひぁっ」と情けない声が出てしまった。
大瀧くんのは、控えめに言っても…大きい。

じっと見つめていると先っぽから透明な汁がぷくっと粒になって、僕は慌ててぱくりと口に含んだ。
少しだけぴくっとした大瀧くんの身体に、少しは気持ちいいのだろうかと今度は舌先でチロチロ舐める。


「ンん、ちゅ、ん、ふ…ッう」

「…ん、含んだまま、舌で先っぽ舐めて」

「っふ、あ、ンんぅ、ん、ッん」


言われた通り、ペニスのカリのところをやっとの思いで口に含み、くるくると舌で先端を刺激する。
大瀧くんの吐息に熱がこもってきて、僕は少し嬉しくなって奥まで頑張って咥えこんでみる。だけど大きすぎるそれはとてもじゃないけど口内には収まらない。


「…もういい、…挿れたい」

「っあ!」


する、と伸びた手が器用にベルトを外し、ズボンの中へ忍び込んでくる。アナルへ這わされた指の感覚にぶるりと震えながら、ちゅぷちゅぷ下手くそな愛撫を続ける。と、大瀧くんが僕の身体をグイッと引き上げて、脚の間に膝立ちさせた。
ベンチは狭くて、びっくりするほど近くなった距離にあたふたしていると首根っこを掴まれてそのままキスをされる。


「んぅ、ん、っく、ふ…っア、う」

「指、舐めて」


舌と入れ替わりで入り込んできた指を訳も分からず言われた通り舐める。ペニスとは違うけど、変な気分になって指先をチロチロ、そのあとはちゃんと根元まで咥えて含んだまま、今度はちゃんと舐められた。

大瀧くんは指を引き抜くとまたキスをして、こんなにされたら舌がふやけてしまうんじゃないかと少し心配になる。


「ふ、う…ンんぅ、ッあ?!」


ビクッと肩が跳ねたのは、さっきまで舐めていた指がアナルに触れたからだ。
突然のことに身を引こうとすると強く抱き寄せられ、その上シャツのボタンが一つずつ外されていく。


「お、大瀧くん、ッ、ひゃう…ッ」


大瀧くんの舌が乳首を舐めると同時にアナルへ指が捻じ込まれ、僕は崩れ落ちそうになってしまった。けれど引き寄せられた腰は片方の手でしっかりホールドされ、硬く尖らせた舌先は小刻みに乳首を弾く。


「やぁ、アッ、んんぅ…ッや、吸うのだめ、あ、それ、それやぁあっ!」


じゅるるっと強く乳首を舐め啜られたかと思えばアナルのナカの壁をぐりっと指が擦りあげ、結果的に胸を押し付けるような形になってしまった。
だめなのに、僕がしないとだめなのに、そう思うのに乳首もアナルも好き放題に弄られて、僕はぎゅうっと大瀧くんの肩を掴むしかできなかった。


「あ、ア、あっ、なかぁ…っなか、だめ、やぁんっ!」


コリ、と一瞬奥の痼に指先が触れ、身体中を快感が駆け抜けた。大瀧くんはそこが分かるとたちまちそこばかりを重点的に責め立て、僕はがくがく震えながら喘ぐしかできなかった。


「ひぁあっ!やら、あ、そこ、そこしちゃ…ッ!あ、も、舐めるのやぁあっ!」

「嫌?」

「ッあ、あ、ちが、んんぅ…ッ!あ、おおたきく…っ、ぼくも、ア、したい、っんぁあっ!」


ずるるっと指が引き抜かれ、それだけで達してしまいそうになったけれど頑張って耐え切った。息も絶え絶えに大瀧くんにしがみつき、額に落とされたキスに少し上を向くと大瀧くんの熱のこもった瞳が僕を見ていた。
嫌、じゃない。
どうやったら伝わるかわからない。でもどうしても分かって欲しくて、治らない熱がいたずらに二人を弄ぶようだった。


「ぼくが、の…っ」

「…の?」

「うえ、上に、のる…から…っ!」


大瀧くんの動きが止まる。
引いた、引かれた。勢いだけで言ってしまった。
だけどどうしても分かって欲しかった。誰かに何かを伝えるなんて、僕はずっとしてこなかったから。あ、もう、泣きそう。

と、大瀧くんは僕を抱きかかえるとそのまま床へ寝転んだ。驚いて見ると相変わらずのポーカーフェイス、そして僕の目を見つめる。


「…できんの?」

「わ、かんない…けど、でもしたい、ぼく、頑張るから、だから、」


嫌いにならないで。
伝えきれなくてまた泣きそうになる。もうあんな気持ちになるのはいやだ。

大瀧くんはそっと僕の髪に触れると、額に張り付いた髪の毛をかきわけてまたキスを落とす。


「お前がしたいならなんでもいい」


今日はたぶん、二人ともおかしい。
僕は何度も頷いて、体勢を起こした。
言ったはいいもののそういう、き、騎乗位、というのか、それってホモ動画でもスルーしていた気がする。

それでも記憶を辿りモタモタと大瀧くんのペニスを挟むようにしゃがむ。不思議なことに大瀧くんのペニスはひとつも萎えてなくて、それを見たら少し安心した。ペニスを手で支えて、ここから、どう…


「ひぁ、あ、ッんぅ、っく…ん」


シャツからのぞく筋の通った大瀧くんのお腹に手をついて、ゆっくり腰を落としていく。体重を支える脚はカタカタと震えて、少しでも気を抜いたら奥までペニスが入ってしまいそうだった。
大瀧くんの指が焦れったいというように膝や内腿を撫で、それだけで力が入らなくなってしまう。


「い、ひあっ!!」


指から逃れるように身をよじった瞬間痼にペニスが擦れ、その衝撃でズブンとナカまで入ってしまった。
今までと違う、まるで自分が大瀧くんを飲み込んでしまっているような感覚に身震いする。


「ひぅ…ッん、はいっ…た、あ、あ、う」


恐るおそる腰を動かすと、無理矢理されていた時とは違う、ナカを擦ったり、痼に触れるか触れないかのギリギリを責めたり、自分でしている癖にその細かい刺激に震えてしまう。
ふと目を落とすと大瀧くんが僕を見ていて、たちまち顔は熱くなり恥ずかしくてたまらなくなる。


「顔、見たい」

「や、だ…ッだめ、あ、みちゃ、だめ…っ」

「腰止まってる」

「ひん、ア、あっ、う…ッはずかしい…っあ!」


ズン、と下から突き上げられ、思わず倒れこみそうになって堪えた。いきなり、ずるい。その刺激でナカが締まったのか大瀧くんが少し顔を歪めて、その表情に僕の方がぞくぞくしてしまう。
ゆるゆる腰を動かして、イイトコロを少しずつ責めていく。自分でしていることが恥ずかしくて、でも気持ちよくて。大瀧くんの熱い視線にすら腰が揺れてしまう。


「あッ、は…う、ん、ン、いぁっ!」

「こうやって腰、擦り付けて」


大瀧くんが僕の腰を掴んで大きくグラインドさせるように動かせばナカの痼にペニスが焦ったく擦りついて、その刺激に僕は身体中を震わせて喘いでしまった。だめだ、僕ばっかりじゃだめだ、ちゃんと…っ、


「んぁっ、ア、ふ…っん、あ、あっ、お、たきく…っおおたきく、おおたきくんっ」

「なに」

「ッあ、あ、んぅ、き、きもちい…っ?ン、ぼくの…ッなか、あっ、ちゃんと、きもちい?」


すがるように聞くと、大瀧くんの動きがピタリと止まった。何かまずいことを言ってしまったのかもしれない、そう思って謝ろうとした瞬間、


「や、あぁアっ!な、うごいちゃ、やぁあっ!」


突然激しく下から突き上げられ、僕は思わず倒れ込んでしまう。顔を持ち上げられてそのままキスをされるとお腹の奥がきゅんとして、そこをガツガツ責め立てられると頭が真っ白になってしまう。


「ん、ぷは、お、たきく、あぁうっ!やぁ、っんぁ、あ、んぅうっ」

「こっち見て」

「あ、ひぁうっ!や、みちゃ、やらぁっ」


バチュバチュと激しい水音が響き渡り、羞恥に耐えられず背けた顔をぐいっと掴んで引き寄せられる。またキス、そう思いきや顔を見られるだけで、僕は恥ずかしくてたまらなくて、でもペニスはアナルを乱暴に犯すからただ喘ぐしかできなかった。


「やらぁっ!あっあ、ア、や、あんっ!らめ、みちゃ、あっ、そこ、それやぁあっ」

「は…ッ、キスは」

「あう、アッ、あ、あ、する、んぅっ、ん、ン、ちゅ、」


噛み付くように唇を重ねて、夢中で大瀧くんの舌を吸う。僕の下手くそなキスじゃきっと気持ちよくなんかならない、そう思って目を開けると大瀧くんと目があって。


「お、たきくん、あっ、ちゅうしたい、もっと、いっぱい…っあぁうっ!!」


繋がったままガバッと体勢逆転、大瀧くんは僕の膝裏を掴むと一番奥までペニスを捩じ込んだ。その瞬間今までさんざん弄られた痼が思い切り押し潰され、僕は声を上げることも出来ず達してしまった。
びしゃびしゃとお腹や胸にまで飛びちる精液。


「あ、っく、ふぅ…ッん、いっちゃ、っ…ひ、く…」

「なんで泣く」

「だって、ぼくが、ッう…、ン、おおたきくんのこと、きもちよく、したくて…っひぁう!!」


達したばかりの敏感になったナカの壁を思い切り擦られ、驚く暇もなくまた小さくイッてしまう。
なんで、と大瀧くんを見れば余裕のない表情で、それを隠すように深くキスをされた。分厚い舌が唾液を絡め取って、角度を変えて何度もなんども吸い上げられる。頭の中まで麻痺してしまいそうなそれに必死で応えていると、ナカのペニスがまた痼を押し潰した。


「ひぁあっ!や、いま、したらだめぇ…ッ」

「…もうマジで限界」

「やらぁっ!あ、ひぁ、だめ、ぇっ!あっあっあっ」


身をよじると逃げるなとばかりに腰を掴まれ、そのまま激しくナカを突き上げられる。
イッたばかりなのに絶えず与えられる刺激に身体は仰け反り、代わりに露わになった乳首を舐め啜られればもう頭がおかしくなりそうだった。


「やぁんッ!や、あっ、ひぁあッ、らめ、あう、お、たきく、きらいになっちゃやだ、ッあ、ん、ひぁあっ!」

「…ッ、嫌いになるわけ…ないっつーの…っ」

「や、あぁンっ!!やだ、そこ、あ、もっ、またいく、いく、それやら、ひぁああっ!」


奥まで貫かれ、その瞬間ナカで大瀧くんのペニスがどくどくと脈打った。僕もそれにつられるようにして、もう何も出ないそれが震えて果てるのを感じていた。
肩で息をしながら、自然とポロポロ涙が出てくる。


「大瀧くん、おおたきくん、ぼくのこと、きらいじゃない?ぼく、っん、」


言葉を遮るようにがむしゃらなキスが唇を覆って、僕は夢中でそれに応えた。涙で顔がよく見えなくて、それでも僕は大瀧くんにしがみついてしゃくりあげていた。


「お前、それ俺のセリフ」











「結城と三人で帰る?」


着替えながら大瀧くんはこっちを振り返った。
僕は一方的に自分が悪いと思っていたけど、大瀧くんは自分が悪いと「何か詫びでもする」とぶっきらぼうに言って聞かなかったので、僕が恐るおそる提案したのだ。

特に結城くんと大瀧くんが仲が悪いなんて話は聞かないし、それに、たぶん…楽しいと、思う…

ドギマギしながら反応を見ていると、


「いいけど」

「ほ、ほんとに!」


サラッと答えてまたいつものポーカーフェイス。ほっと胸を撫で下ろし安心するとともに、どんな帰り道になるんだろうと思うと嬉しくてたまらなかった。


「お前ボク部のマネになれば」


突然かけられた問いは噛み砕くのにすごく時間がかかった。物凄くかかった。かかりすぎて、大瀧くんは着替え終わっていたし片付けもしていたし、挙げ句の果てにはフロアの戸締りまで終わらせてロッカールームへ戻ってきた。


「なれば」

「あっ、え、う…なんで…」


相変わらず表情が読めないので、大瀧くんの考えてることがどんなことなのか分かろうとしても難しいのかもしれない。


「一緒にいられるから」


大瀧くんはサラリとそう言うと、エナメルカバンを肩にかけてロッカールームの鍵を手に取った。唖然としたままでいると、「考えといて」と一言。
僕も一緒にいたい、なんて、一番最初に出てきた言葉を飲み込んで、僕は大瀧くんの背中を追った。





















人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -