最悪な日。
ゲイ×ノンケ
/小スカ・愛撫責め(挿入無し)
やっと仕事が終わったと思えば日付は変わっていて、なんとか終電にかけこむことができた。
真夏だというのに会社のエアコンは壊れ、社員のミスで突然の営業まわり。企画書片手に歩き回ったせいでお気に入りの革靴は履き潰れ、おまけに営業先で大目玉をくらった。
ツいてない日なだけだ…そう言い聞かせながら電車に揺られる。
一日の緊張がとけたからか、電車をのりついでいる間になんとなく尿意を感じ始めた。
しかし終電を逃すわけにもいかず、我慢することにした。
自宅のある駅に着いた頃にはもう限界だったが、あいにく駅のトイレは汚く、あそこで用を足すのは嫌だった。
限界の近い膀胱に喝を入れ、仕方なく近くの公園に足を向けた。
とっぷり更けた夜に、頼りない街頭が点々とついている。
昼間は子供や散歩中の人達で溢れている公園も、夜中となるとさすがになんだか薄気味悪い。
しかしここまできて引き返すわけにもいかず、今にも消えそうに点滅する光に誘われるようにして古びたトイレへ入っていった。
きったないトイレ…これならまだ駅のほうがましだったか。
やれやれとため息をつきながら便器の前にたつ。
本当に今日は…
「んん、あッ!だめ、誰かきたっ…!」
最悪な日だ。
トイレの標札を確認する。
男マーク。
薄気味悪い理由がわかった。ここはいわゆるそういう、ハッテン場的なところなんだろう。
一番奥のトイレの個室が一つ閉まっていて、その中からは明らかに女より低い喘ぎ声と、じゅぱっじゅぱっと何かをむしゃぶるような音が聞こえる。
はー…と小さくため息をつく。
とにかく俺は用を足したいんだ。
男同士がひっちゃかめっちゃかしてるとこなんぞ見たくもない。
つーかなんかもうすでに不可抗力で聞こえちゃってるけど!
…早く済ませて出よう、そう思い便器の前に立ちジッパーを下ろす。
「おにーいさんっ!待ち?」
「うおっ!」
ひょこ、と横から派手なイケメンが顔を出してきた。垂れ目に色白、金髪で傷んだ髪と、ピアスのついた耳。
驚いてジッパーを上げてしまう。
可愛いから声かけちゃった!
なんて、目の前の金髪が語尾に星でもつきそうな明るさで言う。
なにがマチなのかわからないが、この状況、この雰囲気、そしてその言葉からしてどうやら男目当てなんだろうということは分かった。
眉をひそめて一瞥し、ふいっと前を向く。
「一般人です。関わらないでください」
「冷たいなぁー、俺だって一般人だよ?」
ヘラヘラ笑いながら後ろへまわり、金髪が腰に手を回してくる。
ふざけるな、と振り払おうとした瞬間、奥から一段と高い声が聞こえてきた。
「やぁあッ!あん、そこだめぇっ…!」
奥ゆかしさのかけらもない。
「奥さぁ、ナニしてんだろうね?ものすごい音きこえるよね…」
「知りませんよそんなの、気持ち悪い。離してください」
またまたあ、なんて腰に手を回したままニヤニヤ話しかけてくる金髪。
嫌悪感をあらわにしながら腕を振り払う。
男の喘ぎ声なんて聞いたってなんにも感じない。むしろ嫌悪感すら感じる。
本当に気持ち悪い。
ちゅう、じゅるっ、じゅぷじゅぷっ
「ひぁあん…っも、だめ、そこ、そこぉっ!」
………本当に気持ち悪い。
ぐぷっ、ぐちゅ、じゅるじゅぱっ、じゅるるっ!
「いぁあっ!じゅぷじゅぷきもちいのぉっ!あっすご、あっあっ」
…本当に気持ち悪い、のに。
「かーわいい。想像して興奮しちゃった?」
「っ!」
金髪が腰から手を伸ばして、不覚にも反応してしまったペニスを揉む。
「や…めろ!離せっ」
「おしっこしたかったんでしょ?手伝ってあげる」
「必要ない…っ、やめろ、警察よぶぞ!」
「こわーい。はいはい、いいからホラ」
「いやっ…」
手際よくジッパーを下ろされ、少し反応したペニスがこぼれる。
それを見て、金髪が笑った。
「とか言いながら、ちゃっかりさん」
「…う、うるさい!」
思わず赤面しペニスを隠そうとするが、金髪の手によってすぐはばまれ、耳元で可愛いと囁かれる。
ぞわり、鳥肌がたって同時にペニスが震えた。
「いいよ、おしっこしても…」
「ひぅ…っ!」
ねっとり首筋を舐め上げられ、それが下半身に伝わる。
金髪はそれを見てまた笑った。反発しようとしたがペニスを扱かれ、少し出ていた先走りを敏感な亀頭に塗りたくられた。
「やぁ、ぁッ、ふ…!」
くりっと亀頭の割れ目を刺激され、情けない声がでてしまう。
ていうか今ちょっと出た…!
「やめろ、って!ほんとに出る、きたないから…っ」
「汚くないよ?可愛い」
つーっと首筋を舐め上げ、そのまま耳の裏を舐められる。
熱い息と水音が直に聞こえて体が震えた。
ぐちゅり、今度は絶妙な力加減でペニスを擦られる。
「…ひぁ、あッ…ん、いや…」
「やぁあんっ!やっあっだめぇっ!出ちゃう、も、イっちゃうのぉっ」
「っ!!」
くそ…!!
あんなに気持ち悪かったのに、今はただただ官能的にしか聞こえない。
何をされてるんだとか、どこを責められているんだとか、そう思うだけでペニスが熱くなる。
それがわかったのか無意識なのか、金髪は弱い亀頭ばかりを責めてくる。
くちゅくちゅいやらしい音がして、思わずまた赤面する。
「や、だァっ…んあ、あっ」
トイレの中に響く見ず知らずの男の声と、今から排泄を見られるんだということが快感を増幅させた。
金髪の左手が俺のペニスの竿をぐちゅぐちゅ扱いて、右手は亀頭をグリグリ刺激する。時折亀頭の先端に指を差し入れぐりぐり刺激する。
膀胱が震えてじわりと尿が出てくるのを感じた。
「やぁ、あっ!やめ、ほんとにでる、でちゃ…」
「いいよ、いーっぱい出して」
そう言ってまた耳の中に舌を入れる。
竿と亀頭、両方の刺激が激しくなって、もうこらえきれない尿意から足がガクガク震えた。
「や、ァッ!でる、でるっ…やぁあっ!」
尿道口を擦られた瞬間、耐え切れずぷしゃあっと黄色い尿が勢いよく噴出した。
「あっ、あ」と声が出て、ただの排泄がいやに気持ち良くて思わず腰が揺れた。
じょろじょろ音をたて、しばらくしてようやくそれがとまった。
金髪がまた耳を舐め囁く。
「いっぱい出ちゃったね…」
「言、な…っはなして」
「他のも出さなきゃだめなんじゃない?」
「ひぁ…!」
言うなり、またぐちゅっとペニスを擦られる。
排泄を終えても、それはまだ反応したままで。
俺は金髪の手を掴んだまま、腰を少しずつ動かした。
「だし、たい…」
「…やぁっ!ぁ、あンん…っ!」
トイレの蓋に座らされ足を無理矢理開かされるなり、金髪頭は俺のペニスにむしゃぶりついてきた。
金髪頭が俺の足の間で上下している。
「ひぁ、あっ!あんっ、吸っちゃ、だめぇ…ッ」
俺の言葉を無視して、じゅるるっと大きな音をたてて竿から亀頭まで強く吸い上げる。
ぐぽぐぽ唇で竿を上下に擦りあげ、時折弱い亀頭に舌を這わせてはグリグリと割れ目に舌をねじ込む。
じゅぷ、じゅるじゅるっ、じゅるるっ!
「ひあぁあんっ…だめ、だめ、あっあっあっ!やァあッ…あ、あんッ」
やめさせようと金髪頭を掴むが、逆に腰を打ち付けてしまい、それがおねだりととらえられたのかさらに激しく舐め吸われる。
あまりの快感に舌は痺れ、足はガクガクと震え、腰は揺れっぱなしだった。
「ひあンッ!あッ、あ、も、イッちゃ…ぁんっ、あ、だめぇ…っ!」
腰を浮かせ、今にも達しそうなペニスを金髪頭が責め立てる。
俺の声に応えるように、激しい水音をたてながら金髪頭が上下し始めた。
ぐじゅるっ!じゅぽじゅぽ、しゅるるっ、じゅちゅうぅっ
「ひあぁああっ!!やぁん、あっあっあっ、あンっ、だめ、イく、イッちゃうぅっ」
びゅく、びゅくびゅくっ
金髪頭の口の中でびくびくとペニスが痙攣して、ちゅうちゅうと吸われては最後の一滴まで搾りだすかのように竿をゆっくりと扱かれる。
乱れた息を整えながら余韻に浸っていると、金髪頭が指でくちくちと亀頭の割れ目を擦ってきた。
「あっ!あ、あんン…っ」
「ごちそうさま。すんごい可愛かった…」
そう言ってまたペニスにねっとり舌を這わせる。そのまま先端をぱくりとくわえられ、割れ目をちゅうちゅうと吸われる。
すでに達したばかりのそこはそれだけで刺激が強すぎ、内股がびくびくと痙攣する。
「も…だめ、あッ、あんっ、出な、からぁ…っ」
「ウソ。俺はもっと飲みたいな…だから、コレあげる」
「ん、あふ…?」
金髪頭が立ち上がり、何かメモをとりだして書きはじめる。
なんだろうと思いながらぼんやり眺めていると、書いた紙を渡してきた。
名取という苗字と、殴り書きされた電話番号とアドレス。
「おにーさんさ、可愛いから気に入っちゃった」
ちゅ、と頬にキスされ、そのまま耳に舌をねじこまれる。
「ふぁッ、あ、ふ…!」
「だからさ…呼んでくれたらもっと気持ちいいことしてあげる」
ね、と笑顔をふりまき、金髪頭は早々に去っていった。
個室にひとり取り残された俺はしばらくぼんやりしていると、そのメモを胸ポケットにそっといれた。
きっと明日またここへ来てしまうんだろう、と思いながら。
最悪な日。