九条をバスタブの淵に座らせ、もうビンビンに勃ち上がっているそれに指を這わせた。
触ってもいないのに先端からはねばっこい先走りが垂れていて、それを見せつけるように指で擦ると九条はびくびくと身体を震わせた。
「あ、あ、あ、いや、じらすの、やァ…っ」
「焦らしてない。触るだけじゃ足りないのか?」
自分でも意地が悪いと思いつつ、九条の熱を持ったそれに触れるか触れないかというところまで舌先を近付ける。
あっあっと切ない声を漏らしながら脚を震わせるサマが妖艶で、こっちまで酔ってしまいそうだった。
「あっ、んんゥ、や、なめ…ッ、なめて、たちば…ッあぁう!!」
堪えきれず思い切りそこにしゃぶりつくと、九条は身体を仰け反らせて声を上げた。
奥まで咥えこんで、裏筋を擦るように舌を動かしてやる。先走りでぐちゃぐちゃのそれは唾液がいらないくらいで、わざと音を立てて無理矢理啜る。
「ひぁあっ!あ、やんっ!それしちゃ、あ、ァッ、」
「裏筋弱い?これは?」
尖らせた舌先をぐりぐりと先端に割り入れれば、一際高い声をあげて悦んだ。
そのまま先端を舐め回し、先走りを抉るようにぐちゅぐちゅ擦ってやる。
「いや、ァッ、あぁん、あっ!やぁあ…ッ」
「嫌ならやめるけど」
「やっ、やめたらやだ、ァッ、ひぁあっ!こっちも、できるからぁっ」
そう言って腰を浮かせると、九条は自分のアナルに指を宛てがった。
「自分ですんの?」
「あ、あ、する、するからァっ、くちで、ちんちんぐぽぐぽってして、あっ、ひあ、あぁあんっ!」
お望み通り、くねる腰をホールドしてそのまま激しくしゃぶってやった。九条はたまらないとばかりにつま先をピンと立て、じゅぽじゅぽと好き放題ねぶられては涎を垂らして喘いだ。
ふと見れば、なすがままではなく本当に指でアナルを弄っていて、腰を浮かせたままグチグチとイイところを擦っているようだった。
「やっ、あっ、あっ!いく、いくのやだぁっ、ひぁんっ!たちばな、あっ、おれ、指じゃ…ッんぁう!!」
最後に吸い付いてペニスから口を離すと、今にも達しそうなそれが小さく痙攣していた。
「指じゃ、何」
「あぅう!あっ、あ、んァあ…ッ」
九条の指が入ったままのアナルを舌でなぞり、その指をクンと押してやる。そのまま指をなぞるようにして舐め、玉から裏筋まで舐ってやる。
ん、ん、と小さく声を漏らしながら、九条は眉を八の字にして今にも泣きそうな顔をする。
悔しいがその顔がたまらなくえろくて、もっと虐めてしまいたい気持ちになる。
舌が先端をなぞる頃、九条は見せつけるようにアナルを拡げた。
「ほし…ほしい、ッあ、たちばなの、おちんちんで、おれのナカいっぱいにしてほし…ッあぁあ!!!」
ぷつんと頭の中で音がして、本能的に九条のそこへペニスを捩じ込んだ。
瞬間、我に返ったように九条がばちっと目を開け、ぐるぐるとした目で俺を見やった。
「なん、で、これ夢じゃ、ない…?」
「現実だよ」
「おれ…っいま、ほんとに…ッひぁ!!」
ぐり、とナカの壁を少しずつ解すように押し上げていく。九条は混乱しているのかワナワナとしていて、それでも与えられる刺激に身体を震わせていた。
「やめるか?俺のこと嫌いなんだろ」
「や、じゃないっ!!」
大きな声に驚いて、思わず腰の動きを止める。
「ずっと、みてた…っ何回も夢で、立花とえっちなことした、でも、いっつもいじわるなことしか言えなくて、ゆ、夢の中なら素直に…いっぱい…ッ」
ほろほろと泣く姿にまた驚いてしまった。嫌われているとばかり思っていたし、ツンケンしてるこいつをどうこうなんて微塵も思ってなかった。
泣きながら一生懸命言葉をつむぐ九条がなんとも健気で、ズクリと腹の底から湧き上がるものを感じた。
「ほんとは、もっと立花と…ッやぁあああっ!!」
堪え切れず、焦らされてぐずぐずになっていたナカを最奥まで貫いた。きゅうっとナカが締まり、同時にぴゅくっと小さく九条の液が溢れた。あ、あ、とカタカタ震える九条を抱き寄せて、繋がったまま床に押し倒す。
「俺にこういうことされたかった?」
「ひぁ、あっ、いや、耳元でいうの、やァ…っ」
「ずっとこうやって犯されたかった?」
「あ、ぅあ、ッあ、ひう、やぁあッ…!」
ずるるっとペニスを引き抜いて、ぬぷ、ぬぷ、と入り口をねぶる。
耳の中に舌を捩じ入れ音を立てて舐め回せば、またナカがヒクヒクと痙攣して締まっていく。
「したかった、あ、あっ、ん、たちばなと、いっぱい、えっちなことしたくて…ッあぁあっ!!」
最後まで聞きたかったが抑えが効かず、膝裏を持ち上げてイイところを押し潰すようにガンガン腰を打ち付けた。
絶え間ないそれに九条は身体を大きくしならせ、露わになった乳首を見せつけるように舐め啜ってやった。
「ひぁアっ!!ア、だめ、いっきにしちゃ、ァッ!!あんっ、あっあっあっ!!」
快感から逃れようとする腰を押さえ付け、音がするほどに奥を虐め倒す。ちょうどイイところに当たったのか、九条は声にならない声をあげて嫌々と首を振った。
「たちばな、あっ!ァッ、おれ、おれ、変なる、アんっ!やぁっ、そこ、そこぉ…ッ!」
「ここか?これは?」
「あっあっそれも、やぁんっ!なか、ァッ、いっぱいこすって、あっあっあっ!!」
ナカの壁を目一杯拡げるように擦り、ぶるると身体が震えたところを奥めがけて突き上げる。そうするとたまらないと言わんばかりにぎゅうっと収縮して、硬くなった痼を犯すように小刻みに動かした。
「ひぃいっ、あっ、あぅう!!やらぁっ、あっあっ、そこ、あんっ!だめ、だめェッ!」
「すげぇ締まる…九条…九条…好きだ…っ」
「や、あぁああんっ!!」
びくんと大きく身体を波打たせて、先に九条が果てた。びゅくびゅくと腹にかかる精液を掬って舐めると、イッたばかりのアナルがまたぎゅううっと締まる。
「やぁアんッ!ひぁあっ!うごくの、やぁっ、あっアッあ、イッてるの、ナカ、もうやだぁッ!」
「悪い…、こっちも我慢できない…ッ」
「あっあ、いや、やら、あ、アっ、あ、あぁあ!!!」
一番深いところを抉った瞬間、九条は悲鳴をあげ、俺はナカにそのまま熱いものを注ぎ込んだ。
お互い肩で息をし、その最中もぎゅっと俺の背中に抱きつく九条がたまらなく愛おしく見えた。
ぼろぼろに泣いた九条に小さくキスをすると顔を赤らめてそっぽを向いたが、その頬にもキスをしてやる。
そうするとまたほろほろと涙を流し、何回も何回も口付けをする。
「たちばな、すき、すき、夢じゃない?」
「夢じゃない。仮説検証でもしてみるか?」
「しない、すき、うっ、だいすき」
その日、九条は泣きながら一晩中そう言っていた。
「九条さいきん丸くなったな」
データと睨めっこしていると、上司が唐突に話を振ってきた。
向こうのデスクを指差し、俺もついでに九条を見る。
相変わらず研究に追われる日々だったが、前よりずっと仕事に誇りを持ってやっている、という話だった。
「何があったんだか。お前にも全然当たらないっていうか…あ、お前は全然相手にしてなかったっけ」
こちらの視線に気がついたのか、九条がふとこちらを見る。確かに当たり散らすようなことは一切なくなったが、ぷいっとそっぽを向くのは相変わらず。ただ、その頬が赤く染まってるのを見ると思わず笑みが漏れてしまいそうになる。
「相手にしてますし、可愛いですよ」
「えっ」
「超、可愛いです」
目が合った九条が、ばれないように少しだけはにかんだ。