「やだ、や、やめて、いずみく…っ」

「もしもし龍?僕だけど。あー、切らないでよ。ものすごく面白いのが聞けるのに」


くすくすと頭上で愉しそうに笑う声。
予想が的中してしまった。
ミチミチ、と和泉くんのペニスが僕のナカにゆっくり侵入してくる。
声を抑えようと必死になって手で塞いだけど、その手はすぐに阻まれた。


「暇なお前にプレゼント」

「ひぁあっ!!」


瞬間、熱いモノでいっきに奥まで貫かれた。
聞かれた、そう思ったときにはもう遅くて、ずるるっと引き抜かれたペニスが再び最奥を突き上げる。


「っ、良い声、…もっと鳴けよ」

「いぁっ!あ、あっ、ひ、やぁあっ!やだ、や、」

『…沼田?』


聞き覚えのある声が響き渡った。
その一言だけで身体が強張り、まるで時間が止まったかのように感じる。
それも束の間、すぐに和泉くんのペニスが捻じ込まれ、ナカの壁を乱暴に擦りあげられる。


「ひぁあっ!!ァ、あう…ッ、八木く、は、あぁンッ、いやぁ、聞いちゃ、あっ、やだ、ァッ」

『和泉テメェ…』

「っは…お前今度問題起こしたら退学だろ?家から出たら僕がすぐ報告してやるよ」


そう言うと和泉くんは携帯を床に落とした。
カランという無機質な音とは裏腹に、八木くんの罵声が聞こえる。

和泉くんが覆い被さって僕の腰を引き寄せる。
その衝撃で深いところまで捻じ込まれたペニスが一瞬痼を掠め、僕は声にならない声をあげた。


「あいつのあんな声初めて聞いた。お前なんなの?」


和泉くんは耳元でそう囁くとそのまま耳の中に舌を割り入れ、ぐちぐちと音がするくらい舐め回した。この声、この感触、全てが八木くんのそれと重ね合わせられてしまう。
いやらしい音が直接脳まで響き渡り、それだけで声が漏れ出てしまう。


「いや、ァッ、あ、おねが、やめ…ッぁあう!」

「やめないよ?」


面白いんだから。そう言ってグンッと腰を打ち付ける。
奥でペニスが小刻みに動く。ゴリゴリと音がしそうなほど痼を押し潰され、ゆっくり引き抜かれるかと思えばまた奥までいっきに貫かれた。
そのまま動きが止まったかと思えば、狙ったように痼だけをグリグリと刺激される。


「いや、ッあ、そこ、そこ、ァッ、だめ、それしちゃ…ッ」

「はは、ちんこからダラダラ汁垂れ流しながら何言ってんだよ」

「いぁあうっ!!や、あはぁッ!やら、だめ、さわっちゃ…ひぃ、アッ!」


敏感な先っぽをぐちゅぐちゅと親指で擦られ、ガクガク足が痙攣する。
崩れ落ちそうになった瞬間片足を持ち上げられ、ナカの内側を抉るようにガンガン腰を打ち付けられる。息もつかせないほどの激しさにはしたない声が止まらず、目の前がチカチカした。


「やらぁっ、おねが、だめ、いっちゃ…ッ」

『イくな』

「ッ!あ、うっ」


冷たい声に背筋がひやりとする。
ずるりとペニスが引き出され、そのまま入り口を出たり入ったりする。
もどかしさと、八木くんの制止に逆らえない恐怖で身体が震え、必死でタンクにしがみ付く。


「無理だろ。いいとこ突かれまくって気持ちよくていっちゃいそうだよな…?ほら、こっちも擦ってやるよ」

「ひぃ、アッ、やらぁ、あ、あ、あっ!」


先走りを絡めた手が根元から先っぽまでぐちゅぐちゅと扱く。
ゆっくりペニスが引き抜かれ、また焦らすように出入りする。ナカの壁ごと引きずり出されるような感覚に襲われ、快感から逃れるように身をよじるとすぐさま腰を引き寄せられた。


『イッたら…わかるな?』

「ひぐ、うっ、あ、わかんな、アッ、やぎく…ッあ、ぼく、ッあぁう!!」


グイッと腰を持ち上げられ正面を向かされたかと思うと、壁に背中を押し付けられ、駅弁のような体勢になる。
重力でさっきより深く、ダイレクトに奥まで先っぽが届く。


「えっろ…全部丸見え。僕のちんこがお前のナカにどんどん入ってくのわかる?」

「あ、あ、いやッ…いや、だめ、そんな…ッや、あぁンっ!」

『沼田、イくなよ』

「は、我慢できるわけないじゃん」


膝裏を抱えられ、無理やり股を全開まで開かれそのまま奥まで容赦なく突かれる。何も触れてないペニスからは汁が飛び散り、音がするほど乱暴に扱き上げられる。
すっかり腫れた痼を重点的に責められれば我慢なんてできるはずもなく、いやいやと首を振りながら喘ぐことしかできなかった。


「ぁああっ!!あぁっ、そんな、奥、だめ、あっそこ、そこ、ぉっ」

「ッく…ほら、イけよ」

『イクな、』

「やぁ、あっ、も、やだ、ァッ、ゆ、きく…ッ」


口にした瞬間、八木くんの声が止まる。


「ゆうきく、ゆ…ッたすけ、う、あっ!」


結城くんの笑顔が頭に浮かんで、その瞬間にぼろぼろと涙が溢れてくる。
その間もピストンは止まず、パタパタと涙がワイシャツに跳ねた。


「やらぁ、あァッ、だめ、それ、しちゃ…ッも、いく、ごめ、なさ、いっちゃ…ァアッ!」

「イけ、っ」


奥を貫かれた瞬間、足をガクガクと震わせて僕は果てた。精液がお腹にまで跳ねて、小さな水溜りができる。
ぎゅう、とナカが締まっていく感覚に思わずあっ、あっと声が漏れた。

落ちた携帯からは八木くんの声は消え、かわりにツー、ツーという無機質な音が響いていた。
和泉くんがため息をつく。


「あーあ。龍治のやつ電話切りやがった…まーいいや」


荒れた息を整える暇もなく、奥で止まったままだった腰をゆっくりグラインドされる。先っぽが痼を直接捏ね回し、内壁がぎちぎちと押し広げられていく。
達した自身からはまだ止めどなく精液が漏れ、腹を濡らしていた。


「いや、ァッ!あ、ひぁあっ、ぼく、ぼくまだ、イッて…っ!!」

「…っ僕はイッてないんだけど」


びゅくっとまた精液が飛び出る。
ガンガン容赦なく突かれ、開きっぱなしの口からは唾液が溢れている。それを口に戻すように舌で掬われ、そのまま強引にキスをされる。
八木くんの時とは全然違う、乱暴で、怖くて、支配的なキス。


「んぅうッ、あ、あふ、ンンッ!んあ、あっ、らめ、も、また、またぁ…ッ!」

「は、僕と龍治、どっちがいいか答えろよ」

「やっ、あ、ァッ、あ!わか、ない…っ、いや、どっちも、いや、あぁうっ!」

「チッ…くそ、」


舌打ちをして、腫れ上がった痼を壊れるくらいがむしゃらに押し潰される。重力も重なっていつも以上にダイレクトに当たる感覚に頭の中まで痺れそうだった。
まだたちあがったままの自身の奥で再び快感がくすぶる。


「やぁっ、あっ、あんっ、あぁんッ!!だめ、あっ!いや、はぁう…ッだめ、また、いっちゃ、いく、いっ…ひぁあっ!!」

「っあー…ッ」


身体を痙攣させ、僕はまた果てた。自身からは申し訳程度に精液か先走りかわからないものがぴゅくぴゅくと出ている。熱いものが奥へ注がれる感覚にガクガクと震えながら、必死で壁に背を付ける。
荒い息と乱暴な口づけを受け止めながら、意識が遠のくのを感じた。





誰かの背中の温度を感じる。
うっすら目を開けると、誰かにおんぶされたまま、見慣れた道を通っているみたいだ。
あの後どうなったのか、今どうしてこうしているのか、さっぱりわからないし、思い出したくもない気がした。
ぼんやりする頭の片隅で、再びゆっくり視界が霞んでいく。




目をさますと見慣れた天井が目に入り、ハッとして身体を動かそうとすると下半身に痛みが走った。
制服を着たまま自分の部屋のベッドに横になっていた。いつの間に、というかどうやってここまで…
混乱が続くなか鈍痛が残る身体を起こし、ふらふらとドアのほうへ歩く。

すると、ちょうどドアが開き、冷えピタやポカリを持った母が入ってきた。


「起きた!もー、心配させて!」

「あ…ごめん…ぼ、僕、どうやってここまで」

「あの子、お友達?名前は教えてくれなかったけど、家まで送ってくれたわよ!謝ってたけど喧嘩かなにか?もう、迷惑かけてー」


おんぶされていた温度がふと蘇る。
ドクンとまた鼓動が鳴る。


「どんな、ひと…だった?」

「どんなって、赤い髪のー」


それから先の母親の言葉は全然頭に入らなかった。まだはっきりしない頭に、唯一八木くんの顔だけが浮かんだ。








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