「という感じで、私はいま幸せです」
「なに?どういうわけ?ついてそうそうなんなのこの子」
ある昼下がり、スイーツ仲間である銀さんと今日は新しく出来た甘味処に来ていた。
彼とは真選組つながりで知り合い、甘いものが好きという共通点で友達になったのだ。
銀さんは、やっぱり大人だ。
毎回真選組の愚痴をこぼしたり、異三郎さんのストーカーに困ったりしていた時期も、嫌な顔せず相談に乗ってくれていたものだ。
「昔はあんなに佐々木のこと毛嫌いしてたっつーのに、人は変わるもんだねぇ菜々緒ちゃんよぉ」
「嫌な言いかたしないでよ。結局は幸せなんだからそれでいいじゃん」
「ふーん。そんなもんかねえ」
銀さんは咥えていただんごの竹串をぺっと捨てる。
なんて行儀の悪い奴。そう思ながらも横でお茶をすすると、ふと銀さんが私の顔をぎょうししていることに気づく。
「…なに」
「別に。んで、式はするのか?」
「いちお、来月にはって異三郎さんが」
「なんだ、洋式か?」
「そうみたい」
「へ―…袴かと思ったぜ」
「なんか「女性はウエディングドレスを着るのが夢なんでしょう」って勝手に進めてたんだよねえ。まあ確かにきてみたかったけど」
「愛されてんな」
なんともこっぱずかしいことを言ってくれたもんだ。おかげで私は顔が真っ赤だ。
「そんなの…知ってる」
(ん…なんだ、メールか)
(銀さん携帯もってたんだ)
([菜々緒に近づきすぎると殺しちゃうお^^]!?どこから見てんだあいつ!!)
(…仕事してるのかなあ、未来の妻としては心配だ)