いつも通り朝の6時に目を覚ました私は着替えを済まし、身支度を整えると朝餉の準備に取りかかる。全てを作り終わり7時になると新八くんが出勤し、神楽ちゃんを起こしに行ってくれた。さて、私は寝起きの悪い旦那様でも起こしてくるとしましょうか。
すすす、と襖を開ければ布団を蹴飛ばして眠る銀時の姿があった。
「起きてくださーい、朝ですよー」
「………がー…」
「……おーきーろー!」
一回目の声かけに何も反応を示さなかったことに苛立ちを覚え、再度耳元で声をあげる。すると、んーっと唸り身を捩るが目を開けようとしない。この…マダオめ。
「銀時さーん!朝ですよ!あーさ!」
「んー……後5時間」
「……
そんなに撲殺されたい?」
「おはようございます!!!!!」
かちり、と折り畳み式の木刀を伸ばし、先端を顔に向けながらそう言えば銀時は飛び上がり、正座で挨拶してきた。
うん、よろしい。
「あ、相変わらずなその起こし方やめない?銀さん恐怖で心臓ばっくばくなんですけど」
「起きない銀時が悪いんでしょ?ほら、着替えたらゴミ捨てに行って。今日は燃えるゴミの日だから」
「………へーい」
よっこいしょ、と言って立ち上がる銀時を確認して私は居間に戻った。ソファにはお茶を啜る新八くんの姿と髪の毛を盛大に跳ねさせた神楽ちゃんがいる。神楽ちゃん、また寝ちゃってるよ。
「神楽ちゃん、顔洗っておいで。そのうちにご飯よそっとくから」
「分かったヨー、マミー」
よたよたと覚束ない足取りで洗面所に向かう神楽ちゃんを見届けてから新八くんに声をかけた。
「新八くんは?ご飯食べてきた?」
「あ、今日は食べてきてないんで頂きます」
「はーい」
お茶碗を3つ取り出し真っ白なご飯をよそう。お盆に乗せてテーブルに持っていけば既に銀時は着替えを済ませていた。
「ゴミどこだ?」
「玄関に置いてあるよ」
「りょーかい」
「あ、ジャンプも置いてあるけどそれは持ってっちゃダメだよ」
「りょーかい」
………寝ぼけてるな。銀時はふらふらとした足取りで玄関に向かっていった。ま、下に捨てに行くだけだし大丈夫か。 そう結論づけ、元気にご飯を食べる二人に微笑みかけた。