私は比較的冬という季節が好きだ。
こたつに入って蜜柑を食べるあの至福。冬にしか降らない真っ白で綺麗な雪。
そしてクリスマスやお正月とかの大イベント。
その一つが今日だった。






「え、まじ?」








カレンダーの前で突っ立っていた私は持っていたジャンプの束を床に落とした。
……え、今日24日?
嘘だって昨日23日だったじゃん!……てことは今日24日じゃんんん!?

パニクりすぎて意味分からなくなってきた私は取り敢えず深呼吸することにした。




「スーハースーハー……うん。どうしよう」







初めて恋人と過ごすクリスマス・イブ。
こういう時って何やるんだろ。
豪華な料理にケーキが普通かな……でもそんなお金無いし。
一人じゃ決まらないと判断した私は居間のソファで寛いでいるであろう人物の元に向かった。





「ねえ、銀時」

「あー?なに」

「今日クリスマスなんだって」








ソファの背もたれに両腕を乗せて座りながらテレビを見る銀時にそう言った。








「へー」

「夕食、いつも通りでいい?」

「あーいいんじゃね」







なんだかいつも通りの反応で若干拍子抜けした。
銀時なら「何でだよ!ケーキの1ホールくらい用意しろバカヤロー!」とか言うと思ったのに。
安堵と切なさが混じった溜め息を吐いて銀時の隣に座った。







「銀時にとってクリスマスってどうなの」

「どうなのって、何がだよ」

「一般的に言えば豪華な料理食べて、ケーキ食べたりするわけじゃない?銀時もそう思ってないのかなーって」






私の問いかけに銀時は反応を示さず、テレビに視線を向けたまま言った。






「別にィ。俺は大切な女がただ隣で笑ってりゃ、それは最高のクリスマスだと思うけどな」







そんな台詞に私は目を見開いた。
大切な人が隣で笑っていることが最高のクリスマス……か。
くさいなあ……。
私は、あははと笑って銀時に言った。







「今年は銀時にとって最高のクリスマス?」






そう問えば私の方に視線を向けてニッと笑った。





「……ああ。今までにねェくらい、幸せなクリスマスだ」







私は嬉しくて頬を緩ませ、銀時の肩に頭を乗っけた。
銀時は私の肩に手を回し、さらに引き寄せた。






ッピークリスマス
(……やっぱケーキは欲しいなあ)
(……はいはい)

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