外はすっかり闇に包まれ、星が宝石の様に美しく輝いている夜。
もう寝巻きに着替えた私と銀ちゃんはテレビを見て寛いでいた。








「ふあぁあ……」


「眠たいならなら部屋行ったら?」


「そうすっかなァ」








「どっこらしょ」と掛け声付きで起き上がる銀ちゃん。
親父ですか、お前は。







「お休み、銀ちゃん」


「おー……」







銀ちゃんが部屋へ入ったのを確認した後、ふうとため息を吐いた。






「ふぁあ〜……私も寝ようかな」







大きな欠伸をして、一人ポツリと呟いた。
テレビの電源を消して居間の電気も消そうと思い、立ち上がる。
丁度その時玄関からトントン、と叩く音が聞こえた。


こんな夜遅くに……いったい誰だろ。
私は少し警戒心を持ちながら玄関に向かう。








トントン


トントン







向かうまでずっと叩かれる戸。
何か……不気味。
私は震える手でカチャリ、と鍵を開けた。
そしてゆっくり、玄関の戸を開いた。






「ど、どちら様ですか」

「会いに来たよ、朱鶴ちゃん」









は……?
思わずそう言う声が出てしまった。
目の前にいるのは同じ歳くらいの男性。
勿論、面識はない。
私が不審に思っていると男はへらり、と笑って私に問いかけた。






「もしかして今日の"手紙"読んでくれなかった?迎えに行くって書いたんだけどなぁ」








"手紙"
その単語に肩がびくついた。
まさか……この人が?
でも今日は手紙なんて来てなかったハズなのに。

兎に角この人は危険だ。
私は急いで戸を閉めようとしたけど、それは叶わなかった。
戸の隙間に足を入れられたからだ。
ど……どこのセールス技法ですか。




「酷いなぁ、折角来たのに」


「か、帰ってください」


「嫌だよ」








男はガッと戸を思いっきり開けると玄関に一歩二歩と足を踏み入れた。




い…や、









怖い












怖い……!







私はもたつく足を必死に動かして居間に逃げようとした。
だけど腕を捕まれたことによりそれは叶わなかった。







「何で、逃げるの」


「やめっ……!」







ドン、と肩を強く押されその場に尻餅をついた。
私はその状態から後ずさろうとすると、男が上から覆い被さってきた。









「好きなんだよ、朱鶴ちゃん。君の事が」


「ど、けて」


「町ですれ違った時からずっと」


「いや……っ」











助けて。
どうして銀ちゃんに言わなかったんだろ。

迷惑かけたくない。
そう思ってたのに私は結局、頼ってしまう。















「助けて…っ!銀ちゃん!!」










ドカッ!!



バキィッ!!!











一瞬で目の前から男が消えた。












「何してんだ、オメー」











私は木刀を片手に持った銀ちゃんを見て安心から涙を流した。










夜の騒動

 


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