私と君の幸せ



万事屋に着いたものの、今の時刻は9:00。普通の人間ならもう活動している時間だけどあのプー太郎が起きているのか定かではない。
そのプー太郎と私は一応恋人……という関係にあるんだけど、どちらかと言えば母親役だ。
なんであんな奴を好きになったんだろうねえ。
そう思いながらインターフォンに手を伸ばした。その時、タイミング良く玄関の扉が勢いよく開いた。
そこから出てきたのは切羽詰まった顔で何やら慌てた様子の銀時だった。






「ぎ、銀時?」

「お……お前っ!」

「どうしたの、そんなに慌てて」

「お前……」






突然銀時はその場にしゃがみこみ、はあ〜っと大きいため息を吐いた。一体何なんだよ。






「取りあえず中入れや」

「うん」






そう言って銀時は私を中に招いた。
良く見れば銀時は寝巻きの甚平姿で素足のまま外に出ようとしてたみたいだ。そんなに急いでどこ行く気だったんだろう?いいのかな。
そう思いながら居間に入り直ぐに手に持っていた紙袋を銀時に渡した。





「これ、渡しに来たの。沖田が銀時にだって」

「総一郎くんが?なんでまた」

「総悟ね。なんでもこの前世話になったからそのお礼だって」

「ふーん」





そう言って紙袋を受け取った銀時は中から一枚の紙を取り出して読み始めた。
私はその間、ソファに座ってることにした。





「ん……?」





テーブルにくしゃくしゃになった新聞が置いてあった。ったくもう、読んだなら畳みなさいよ。それにこんなにクシャクシャにして……。呆れながら新聞を手にとれば、開かれていたページが真選組の記事のところだと気付いた。

あ……もしかして、銀時この記事読んで……。





「―――くそっあのドS野郎!」





そんな声に銀時の方を振り向けば沖田からの手紙であろう紙をクシャクシャにしてゴミ箱に捨てていた。余程ムカつくことが書いてあったのかな。
銀時はため息を吐いた後に私の隣に座った。
そして、吊り上げられた右腕にそっと触れた。





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