君に届く?


陰気系女子×太陽系男子(サーリャ×ソール)っていいよねという話をミーバースでしていたのでちょっとパロってみました。問題があるようなら公開は下げます。

サーリャとソールっていつもくっつけようとして忘れるんだよね…うーん…何故だろう


********



「あ、サーリャだ!」


花壇の花に水をあげていたら、別のクラスの友達のノノがやって来た。


「ねぇねぇサーリャ、お友達出来た?」


にこにことした笑顔で尋ねる彼女にサーリャは首をそちらの方に向ける。


「いいえ…まだ…」


「そっかぁ…サーリャって分かりにくいからお友達出来るか心配なんだ…」


「ああ…でも……」


「どうしたの?」


「不思議な人がいるの…ソールって言うんだけど…」


「あっ!知ってるよ!お人好しの人でしょ?」


「そんなものじゃないわ…究極の善人…むしろ善意の塊で出来てるような感じなのよ……」


「あ、サーリャ、後ろ…」


「え…?」


振り返ればそこには当の本人、ソールがこちらを見ていた。まさか、今のを聞かれていたのだろうか。


「サーリャ、サーリャ!」


慌てたようにノノがサーリャの肩を叩く。


「謝っときなよ!今の聞かれたゃったよ!」


「え…?」


謝る…?
私は、褒めたつもりだったんだけれど……


そのやりとりをしていると、ソールが教室の窓を開けてこちらに向かって話しかけてきた。


「ねぇ、その言葉、僕はどうやって受け取ればいいの?」


そう言われて、サーリャははっと口を開く。


「ほ……褒め言葉よ……」


「…あははっ、了解!……ねぇ、そっち行くからちょっと待っててよ。今まで話す機会もあまり無かったし。」


「え…?待つ…?」


ぽかーんとしていると、ノノが嬉しそうに笑っていた。


「よかったね、サーリャ!ソールってね、クラスで浮いてる子とかほっとけないんだって!」


そう言いながら帰ってしまった。


本当に……
なんて、お人好しなんだろう……


「お待たせ、ごめんね。」


ソールが本当に走ってこっちまでやってきた。


「あはは、よかった。僕、サーリャに嫌われてるのかと思ってたよ。」


「嫌う…?私は理由もなく他人を嫌ったりなんてしないわ…」


「そっか、それは良かった。」


またそうやって、太陽のような笑顔を向ける。とても眩しい笑顔だ。


「…私……誤解が解けたの……初めてかも、しれないわ………」


いつもは解く前に、ごめんなさいと去って行かれてしまうから。


「………ちゃんと喋ったら、ちゃんと自分の気持ち言ったでしょ?」


今までに味わったことの無いような、不思議な気持ち……


「肝試し、サーリャもちゃんと来てよね」


こんな気持ちは、生まれて初めてだった。


その後、私はクラスメイトのリズとマリアベルと話をして、お化け役として肝試しに参加することになった。


そして当日。


「ほぼ全員きたんだな!欠席者一名だろ?」


「え?誰ですの?」


「サーリャだよサーリャ」


「まぁ、サーリャなら」


「しーーーーっ!!サーリャのためにも黙っておこうよ!!」


「まぁ、そうでしたわね…ふふ」


そして、1組ずつ出発をしていった。


「キャァァァァァ!!!」


「うわああああああああっ!!!」


「ひいいいいいいいいいっ!!!」


皆が次々と悲鳴をあげて通って行く事にサーリャは密かにやりがいを感じていた。


「うふ、うふふふふふふふふふ…!」


また足音がして、サーリャは同じように立ち、来た人を驚かせようとした。


「うわっ………!?」


「あ……………」


「さ、サーリャ!?何やってるの!?」


そこにはびっくりした表情のソールが立っていた。


「驚かせようと……お化け役を…」


「本気でびっくりしたよ…もー……言ってよ、来ないかと思ったじゃんか………」


「言うと…面白くないでしょう…?それに、貴方が怖がらなくなってしまうわ……」


「あはは、何それ、そういうことだったの?」


「ええ………」


「そういえばさ、サーリャは1人でこんなとこにいて怖くないの?」


「ええ……夜は好きよ…特に今の時期はね…空気や匂い、草木や虫の声……悪くないわ…」


「……うん、本当だ。なんだかちょっと気持ちいいから、僕もここにいてもいい?」


「え…?でも、肝試しが……」


「それがさ」


かさかさと紙を取り出してサーリャの前に見せて、少々膨れっ面でソールが話す。その紙には「ハズレ」と書かれていた。


「誰かさんがいないおかげで奇数になっちゃったから、僕1人なんだよね。怖いじゃん。」


「え、そ、それは構わないけれど……」


と、そこに


「サーリャー!」


「リズ、マリアベル…」


こんかいこのお化け役をやるにあたって協力してくれたリズとマリアベルがやってきた。


「あれっ、ソールだ!なんでここにいるの?」


「えっ、2人とも知ってたの…!?それなら言ってよ!」


「ふふ…そういうことでしたのね。随分と紳士的ですのね?」


「へー、そういうことなんだー」


「なっ…!もう、2人とも…」


「あ!サーリャ、これ差し入れだよ!飲んでね!」


「え………ああ、ありがとう……」


そう言ってまた二人は笑いながら帰って行った。


「お人好しな人たちね……」


「……打ち解けれてるじゃん、サーリャ。良かったね。」


「え………?」


これが、打ち解けれてる……?


「…だとすれば、貴方のおかげかもしれないわね。」


「えっ!?僕何もしてないよ…?」


「貴方が…言ってくれたのでしょう、自分の気持ち言ったら分かってもらえるって。だからこうしてお化けの役もできた。みんなも驚いてくれたわ……」


「………サーリャってさ、実は明るいよね。ポジティブシンキングでさ!」


あ、明るい……!?


「そんな事、生まれて初めて言われたわ……」


じっと見つめていると


「そ、そんなに見ないでよ…」


はっと顔を逸らされた。


「悪かったわね…次からは3秒以上目を合わせないように気を付けるわ…」


3秒以上目を合わせると呪われるという変な噂がサーリャにはあった。最もそんな力ないのだが。


「ち、違うよ!そうじゃなくて!」


「え………?」


「照れる、でしょ……言わせないでよ…」


ソールは顔を腕で隠していたが、耳がほんのり赤くなっていた。


「………ふふ」


なんだか、不思議な気持ち。




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