1章 精霊の願い2

野生の魔物にもあまり遭遇しなかったためか、さほど時間もかからず北の国ノースデンに到着した。特に寒さの厳しいこの地域にある国で、道行く人々は皆暖かそうな防寒具を身に付けていた。ぷっちょがそれを見て耳当てが欲しいと駄々をこねたが、ミーがそれをなだめた。
夢見のオーブはお店で売っているらしいということで、一行は道具屋へ向かった。



「寒い中来てもらったところ悪いけど、ここにはもう置いてないんですよ」

カウンターに座っていた中年の主人の言葉に、ルカは思わず声を上げる。

「ええーっ」
「すいませんね。もともとノフォーの町で売っているものだから、ノフォーで探せばきっとありますよ」
「ノフォーか…ここから南へ行った町でいいんですよね?」
「そうそう、短いトンネルを抜けてすぐのね。わりと大きな港町だからすぐわかりますよ。お客さんは見たところモンスターマスターかな?見たところ魔物も強そうだし今から行けば夜までにはつきますって」
「ホントですか?じゃあそこに行ってみますね」

店の主人からの情報をルカはマップにメモしていく。

「おい、聞いたか。俺たちのこと強そうだってよ!」
「間違いなくあんたを見ての台詞じゃないよ、ぷっちょ」

店の外で待っていた魔物たちの話し声が聞こえたのか、主人は一瞬クスッと笑った。



すると突然店の中に誰かがドタドタと駆け込んできた。

「おい、外の魔物は君のか?」

ルカが振り向くと、そこには一人の兵士が佇んでいた。走ってきたのか息を切らしている。目深に被った帽子から表情が伺えるが、どうも切羽詰まった目でこちらを真っすぐ見つめているのでその気迫に少したじろいでしまった。

「あ、一応僕の魔物…かな」
「本当か!では頼みがあるんだ。無理は承知だ、今日一日王の護衛をしてもらいたいのだ」
「…へ?」



ルカの言葉に顔が明るくなったと思えば、兵士は突然そういった。ルカがしばらくポカンとした表情をしたのは言うまでもない。



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