つかの間の。

「…ん…」


シセラは自然と目を覚ました。

珍しく、時計が鳴る前に起きられたとベッドの中で一人感動していたが、どうも様子がおかしい事に気付く。


「…」


恐る恐る、時計を確認する。長針は文字盤の十二を少し過ぎた場所に、そして短針は九の上。


目覚ましは、なぜか止められていた。


「―――――っ!」


驚愕に寝ぼけ眼を見開き、真っ青な顔のまま慌ててベッドから身を起こす。


「昨日ちゃんと確認したのに…!」


こう何度も寝過ごしを繰り返してしまうと、流石のレイも怒らずにはいられないだろう。


「…どうしよう…」


とりあえず、とバスルームに向かおうとすると、小さなテーブルの上に乗る不釣り合いに大きいプレゼントボックスを見つけた。


「…?」


持ち上げてみると、大きさのわりには重くはない。

軽く揺さぶってもみるが、カサカサと何かが擦れる音だけが聞こえた。


「…何だろう」


しばらく箱を凝視するが、やがてハッと我に返るとそれを置いてバスルームに入っていった。


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