2nd Dream
レーヴが夢の中に入ると、周囲は異常な暗さに包まれていた。
不思議と手足や体は見えるが、足下の地面や頭上の空は真っ黒で、自分が真っ直ぐ立っているのかすら怪しい感覚になる。
その中をレーヴは闇雲に歩き回る。視界が利かない分、ちゃんと進んでいるのかはわからなかったが、程なくして、遠くにうずくまり膝を抱えた人物を捉えた。
あの少年が、この夢の主なのだろう。小走りで駆け寄り、隣に一緒になってしゃがみこんだ。
『どうしたの?』
レーヴが心配そうに覗き込むと、少年は顔を更に埋めて、何とか聞こえるような小さな声でボソボソと呟いた。
『…寂しい』
『…そう』
レーヴが優しく微笑む。
『それじゃあ、私が傍にいてあげる』
『ありがとう』
少年は、安心したのか、表情が和らぐ。そして、期待したような瞳をレーヴに向けた。
『…ずっと?』
「…え?」
『ずっと、ずーっと、いてくれる?』
「それは…」
レーヴが戸惑いの表情を見せる。
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