きみと星屑をひろう
「……いいのかな、私で」ついこぼれた呟きに、ツナは「ん?」と首を傾げる。柔らかい暖かさを湛えた瞳は透きとおっていて、なんとなく目を逸らした。
だって、ツナはどんどん格好良くなっていく。ずっと小さいころからツナを見てきて、いつしか隣に立てるようになったけれど、どうにも彼に見合っている気がしないのだ。近頃はもっともっと、そんな気持ちが膨らんでいた。
俯いたまま「パーティなんかで出会う、綺麗なお嬢様たちに比べたら。私、なんて……」と、止まらなくなってしまった気持ちを吐き出してしまうと、小さくツナが身じろいだ。
「オレはね」
言葉を切ったツナに、突然両手で頬を包み込まれる。ぐいと上を向かされて、一度逸らしたその瞳と視線がかち合う。ゆるくきらめくその奥に、微かに私が見えた。
「君が好き」
迷いない口調で言い切ってから、「好きだよ、だから」と言葉を繋げていくから、ばくばくと心臓が高鳴った。
「好きな子を悪く言われちゃうの、オレは嫌だよ」
眉尻を下げて、ツナはどこか寂しそうに笑った。その笑顔に、言葉に、胸の奥がぎゅうと締め付けられる。小さく息を吸い込むと、べっこう飴みたいなその瞳が甘く蕩けていくような気がした。
「それに、なまえは綺麗だよ。本当に、誰よりも」
ああ、本当に。ツナはどんどん格好良くなっていく。だって、昔はこんなこと言えなかったでしょ。頼もしくなるツナの背中が、格好良いのに寂しいの。いつか置いていかれそうな気がしてしまうの。逸らせない目から、堰をきったみたいに涙があふれ出した。