僕がずっと見てきたのは



フィルター越しの世界










……眼鏡と言う名のフィルター










フィルターの向こうの世界は



ハッキリしているけれど

ハッキリ見える事はない










眼鏡は僕が築いた壁



他人が踏み込んでこないよう

他人を踏み込ませないよう









僕が築いた壁は

いつの間にか



高く高くなっていた






僕一人じゃ崩せない位に










この壁があって

安堵してる自分と



この壁を滅茶苦茶に

崩してしまいたい自分がいる










ああ

この二律背反!















揺れ動く気持ちの振り子が

一定の方を指すようになったのは






君に出会ってから









僕が作った高い壁を



軽々と乗り越えてきた君






君がいたら

壁なんて要らない気がする






君だけは



フィルターを通さずに

自分の目で見ていたい










そう思うようになっていた






あんなに世界と自分とを

隔てていたかったのに






そんな考えが

すごくくだらなく思えてきた










……いつか



完全に

フィルターを必要と
しなくなる日が

来るかも知れない










それはきっと君のおかげ



僕を変えてくれた

大好きな



志乃、君の……









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