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 two of a kind

「おいテメェ何のマネだ、邪魔だ重いどけろ」

戯れに膝に乗っかってやればこの様だ。
本当にこいつは口が悪い。

「なによ失礼ね、子猫みたいに軽いとか言えないの」

「はっ…気色悪ィ冗談だな」

ただでさえ悪い目付きを更に悪化させて不機嫌の絶好調なリヴァイ。

たまにはにこりとしたらどうだ。
想像出来ないけど。

「構って欲しいなら最初からそう言えグズ」

どさりと背中にベッドがぶつかって、視界が反転する。

構うってそれ?
ちょっとは街へお出掛けとか部屋でのんびりお話とか可愛らしいこと提案してみろ。
いややっぱり想像できない。

「は?誰がいつそんなこと言ったのよ」

そんな私も大概可愛げの無い自信はある。

両手をリヴァイの肩に伸ばして押し返せば、人類最強の兵士長サマは意外なほど素直に離れる。

抵抗が無いのをいい事にそのまま体重をかけて押し倒してやる。

「おい」

さらさらの黒髪や、整った顔、服の上からでもわかる均整のとれた筋肉。

黙っていればそれなりに端正な顔つきも、目付きと口の悪さで玉に傷が着いてひび割れだ。

「なによ、先に押し倒したのはあんたでしょ」

「先に誘ったのはてめぇだろうが」

リヴァイの眉間の皺は一層深くなる。

「は?いつ誘ったのよ」

負けじと睨み返したら、再び背中がベッドにぶつかった。

「今、だ」

小柄なくせに肩を押さえつける力は信じられないくらい強い。

「下になんのはガラじゃねぇ…」

独り言みたいな呟きは辛うじて私の耳に届く。
薄くてひやりとした唇が首筋におしあてられ、肋骨の奥で心臓の鳴る音がした。

筋肉質で硬い背中に爪を立てれば、リヴァイが声も立てず笑った気がした。

悪戯に戯れ、陳腐な駆け引きをしても、結局はこうなる。

所詮は似た者同士なのだ。

不器用を自嘲してざわつく胸を抑えようと身体を密着させたその重みでベッドに深く埋れてゆく。












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