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 30.重ねる*

「ん、はぁ、はぅ」

月明かりにシーツを掴む華奢な手が浮き出る。

ベッドに伏せる女性の傷ひとつ無い背を愛おしむように、エルヴィンは背後からのし掛かり、小さな手に自分のそれを重ねた。

「や、はぁ、も、焦らさな、でっ…!」

ぬるぬると膣壁をなぞる怒張はもどかしく襞を掻いて、先端から根元まで形が手に取るように分かる。

なまえはがくがく震え出す腰に反して求める刺激が与えられない事に抗議した。

愉しげな声が耳元に響く。

「仕方ないじゃないか。一月ぶりに君に触ったんだよ、愛しい妻をゆっくり時間をかけて抱きたいと思うのは当たり前だろう」

「そ、んな、あぅう…!」

抽送は一層深くなるも、肝心の最奥には触れてくれない。
摩擦ばかり強くなり、逃すことの出来ない快楽が子宮に溜まる。
なまえはいよいよ涙声になった。

「ひん、い、意地悪っ…!」

「おや、今更気付いたのか?」

甘ったるい低音に唆された体は更なる深みへと沈み込んだ。





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