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 罪をつくる子供たち*

「なぁなまえ、好物は皆で平等に分けるべきだ。そう思わないか?」

その言葉をぼんやりとなまえは聞いていた。
体は奥からじわりじわりと火照り出し、視界は薄っすらぼやけている。

団長と、兵長と、ミケ分隊長とお酒を飲んで、それからどうしたんだっけ。

思考が追いつかず何も答えられない間にも、どんどん体の力が抜けてゆく。

「随分と強い薬だな」

楽しげな声が鼓膜を擽る。
脱力した手足では胸元に伸びてきた手を防ぐことすらままならない。

「く、すり…?ん、あぅ」

ひとつひとつボタンを外す無骨な指に爪を立ててみるも、引き剥がす事すら出来ずはだけていくシャツをくらくらしながら眺めていた。
布と肌の微かな摩擦ですら、乳房の飾りを固くする。

男の手に収まる丁度良い大きさの膨らみは、乱れた息と共に上下し、無抵抗にとろりと潤んだ瞳は男の加虐心を煽った。

「ふ、ン、んんー!」

エルヴィンは半端に開かれた唇に舌を滑り込ませ、口腔内を探っていく。
舌が歯列をなぞるだけで、背筋からぞくりと粟立ちが上り、鯉のように呼吸を求める彼女の小さな口からは媚びた声が漏れた。

「おい、一人で勝手におっ始めてんじゃねぇ」

不機嫌な声に動きが止まる。
離した唇からは銀糸が引いた。

リヴァイはベッドの金髪の男と、隣の椅子に腰掛ける髭面の男を順に睨む。

「お前らは直ぐにめちゃくちゃに壊すだろうが。俺は精液で汚れたとこに突っ込むなんざ御免だからな」

「…わかったよ、好きにしたらいい」

エルヴィンはお手上げといった様子で肩を竦めると、ベッドを降りる。
それと同時にリヴァイも腰を上げた。

すれ違いざま、上司は部下に耳打ちする。

「あまり苛めてやらないでくれ」

どの口が、と言う代わりに冷めた視線をくれてやり、彼はくたりと壁にもたれるなまえの上にのし掛かる。

エルヴィンは先程までリヴァイが座っていた椅子でゆったりと脚を組みながら、ブランデーグラスを片手にベッドの二人を鑑賞した。

「ひ、…兵長っ…」

ずり落ちたシャツは辛うじて腕の関節で引っかかっている。
露わになった白い肌に誘われるように、男は顔を寄せた。
細い首筋に構わず歯を立てる。

「っぅあう!」

背骨から湧き上がる快感になまえは呻く。
薬の為せる技なのか、普通なら痛覚が勝る筈の刺激にも女の表情を湛える彼女にリヴァイは口角を釣り上げた。

ベルトを緩め窮屈そうに収まっていた自身を解放すると、なまえの後頭部を掴み、唇の間に押し付ける。

彼女は反射的に目の前のものを口に咥えた。
熱に侵された頭は思考力を着々と奪っていた。

「ん、ふ、くっ、」

口端から涎を垂らしながら、次第に固さを増してゆく塊に吸い付いたり舐めたりと健気に奉仕する光景をエルヴィンは目を細め見守る。

部屋には淫靡な音が響き始めていた。

ぬるぬると口内を出入りするそれがなまえの呼吸を必要以上に妨げぬ気遣いをしているのが見てとれ、紳士な事だな、と含み笑った。

リヴァイは適当な所で怒張を引き抜くと、薄い肩を押し倒す。
下着を引き剥がし腿を開けば、中心は触るまでもなく潤っているのが分かる。
湿った先端を入り口に押し当てた。

「あ、」

見上げる涙目には色欲と恥じらい、少しの恐れが揺らぐ。荒い呼吸の隙間からちらつく赤い舌がどうしようもなく理性をかき乱した。

挿れるぞ、と誰にでもなく吐き捨て、一気に腰を沈める。

「………!!」

なまえは声すら失い背を仰け反らせた。
ぞくぞくと全身を貫く電流が下腹に集束する。
彼女の意思に関係無く、膣内は強い収縮を反復した。

「あぁう、っ!うごかな、でっ…!」

懇願が聞き入れられる事は無く、開始された律動に胎内は従順さを増す。
浅い場所を念入りに突けば、汗ばんだ腕が必死にシーツを掴み一方的に打ち込まれる悦楽に耐えた。

「あ、はぁ、あ、んん!」

しかし寝具を握る程度では気休めにしかならず、薬のなせる技なのか臍の下に疼くほどの熱が蓄積していく。
なまえの潤みきった目は最早溢れ殆ど泣いていた。

ひんひんと悲鳴に近い喘ぎに支配欲は肥大する。
リヴァイは自身に合わせ上下する臍の下を押さえつけた。

「ふ、あぁ…んっ!」

弱々しく首を振り快楽から逃げようとする腰を抱え、更に襞を掻き分ける。

その様子に、徐にミケが立ち上がった。

「おい」

「は、ん、やぁ」

彼はリヴァイの抗議をいなし、なまえの脱力した上半身を抱きすくめるなり首元に鼻を埋める。

髭のざらついた感触が肩に触れ、なまえはたったそれだけのことで軽く達した。

「ッ、」

締め付けに眉を顰める同僚を見る長い前髪の奥に隠れた瞳は心なしか楽しげだ。
大きな掌で乳房を潰しながら、

「いいだろ、リヴァイ」

「チッ、好きにしろ」

リヴァイは不満を露わにしつつも、彼女の膝裏を掴み、一層深く腰を押し込む。
吸い付き奥へと誘う感触は、怒張の熱を増してゆく。

一転し早く短くなった呼吸に、絶頂が近いことを悟り最奥を突き上げた。

「あ…っ!!」

なまえはぐっ、と先端が子宮口を抉った瞬間、目の前が真っ白に弾け痙攣に爪先を張る。
中でびくつく感触にぶるりと身を震わせた。

「ンぅ」

膣から陰茎の抜ける切なさに声を漏らす。
未だ硬度を保つ性器には半透明の粘液がまとわりついていた。

「代わってもらうぞ」

言うなり、ミケは胸をまさぐっていた手を離し、大柄な彼に比べると随分小さな体躯を俯せる。

弛緩した四肢は抵抗の気力を失い、されるがままの腰を抱き、突き出させた臀部に腰を寄せた。

「ふぁ、ああぁん!」

慣らしきったそこはいとも容易く新たな怒張を飲み込んだ。

「ひ、あ、はぁん、うぅ…」

膣内の溝を先端が掘り起こし、ただでさえ敏感な場所が掻き立てられた。

「ん、あ〜っ、はぁ、は、んぐ?!」

腰から崩れ落ち這いつくばった先には、胡座をかいた男が待ち構える。
リヴァイは涎まみれの口に、再び熱を上げた塊をねじ込んだ。

「ん、ふぅ、っは、ぁあん!」

ミケは同僚に構わず、へたった腰を抱え直し、一気に挿入する。
律動の合間に汗の浮き出た背に点々と唇を落とした。

抽送の愉楽に苛まれ、喘ぐ度口を開けてしまうなまえを嗜める様に、何度も咥えさせられる息苦しさが性感を増幅し、膣がきつくなる。

「っ、…なまえ」

ミケは掠れた声で名を呼び、鈴口を胎内に押し付け吐精した。
間も無くリヴァイも彼女の喉奥に欲を吐き出す。
濡れた唇からは受け止めきれない精液が溢れた。

「は、…ん、あぁ」

なまえは秘部をひくつかせ絶頂の余韻に浸る。

幾分か薬が抜け、思考力を取り戻した彼女は、この部屋で唯一の避難路である扉を殆ど無意識に凝視した。

手を伸ばしても到底届かない。
柔らかい布団の上で腕を踏ん張り、上体を起こす。
立ち上がろうとするが、思うように体は動かずどさりと床に落ちてしまう。

「危ない」

ミケは崩折れたなまえを軽々と抱え上げた。
彼女は無い力で胸板を押し戻すも敵わず、椅子に腰掛けた男を救いを求める眼差しで見た。

「や、だんちょ、だんちょう…」

回らない口でうわ言のように繰り返す。
まともな判断力を失っている彼女には、この場で服も髪も乱さぬ男が正常に見えたのだろう。

「お呼びだぞエルヴィン」

ミケは男に半裸の彼女を抱かせた。
なまえがエルヴィンの手に渡った事にリヴァイは舌打ちする。
一番優しげに見え、一番タチが悪いのがこの男だからだ。

「なまえ、鳴きすぎて喉が渇いただろう?おいで」

エルヴィンはなまえの顎を掴み、口に含んだ液体を口移しで彼女の喉に流し込む。

「てめぇそれ酒じゃねぇか」

「気をつけろよ。その薬は酒と飲むと余計まわる」

グラスの横にちゃっかり開封された媚薬のボトルが転がっているのを目敏く発見しミケは忠告する。
しかし軽い笑いが一蹴した。

「はは、もうどちらにしろぐちゃぐちゃじゃないか。なあ」

「ん、く、ふぅ、」

餌を啄ばむ雛の如く、琥珀色のウイスキーを嚥下するなまえにそれ以上何も言わなかった。

唇の隙間から溢れた媚薬入りのアルコールが喉を伝う。
息を吹き返しかけていた理性は、見る間に奪われた。

とろりと膜を張った瞳にエルヴィンは満足気に微笑んだ。

彼女をテーブルに寝かせると、手早くベルトを解き、間髪入れず杭を挿す。
つい先程二匹の雄でふやけた秘所は挿入しただけでじゅぷりと卑猥な音を立てた。

「っはぁん!!」

「は…っ、凄いな」

ゆるゆる腰を打ちつけ、性器全体を扱きながらうねる膣壁を楽しむ。

「あ、ぅ、ひん、あ!あーっ!」

もう何度目かの絶頂を味わっているなまえを気遣うことなく、寧ろ執拗に弱点を突き辱めた。

「ひ、も、やだ!や!あぁん!」

悲鳴混じりの叫をエルヴィンは鼻で笑った。

「”やだ”?なぁなまえ、自分が今どんな顔しているか分かるか?君の言う台詞じゃないだろう」

じっとり湿った両脚を大きく開かせ、太腿から足首へと唇で吸いながら鬱血痕を刻む。

「あん、は、うぅ、ひぁあ」

どんなささやかな動作すら、彼女の情欲へ直結する。
がむしゃらに腕にしがみつき縋ってくるなまえをテーブルに縫い付け、深みを探った。
壁が小刻みに怒張を締め上げ達したのを確認し、塊をずるりと抜く。

支えを失くしへたり込もうとする脇を捕まえ反転させ、背後からのし掛かった。

「〜っ!!」

なまえはテーブルの木目を引っ掻き、脊椎が甘く痺れる圧迫感を受けた。

「あ、あん!はぁ、ああ!」

子宮口周辺を焦らす律動に足はがくがくと震え出す。
彼女が必死に耐えている間にも彼は背面に花の跡を増やした。

「やぁっ!も、立てなっ…!ん、はぅ」

「いい子だから頑張りなさい」

支えてやればいいものを、胸の膨らみを弄んで追い打ちをかけるばかりで、わざとらしく陵辱の限りを尽くすエルヴィンをリヴァイは苦々しい思いで眺めた。

「あぅ、くぁ、ふぁあん」

じゅくじゅくと水音は粘度を増し、膣を埋め尽くしかき乱す熱塊に煮え滾る欲が今にも破裂しそうになる。

エルヴィンはなまえが上り詰めるタイミングを見計らい、最深部を穿つ。

「っ、ぁあーっ!!」

はくつく子宮口を先端で塞ぎ、欲望を注いだ。





ぐったりと半分意識を飛ばす彼女を彼は抱き上げる。
首から爪先まで紅い花弁や紫の花弁がありありと散らばって、狂気の時間を主張していた。

「一度綺麗にしてやろう。リヴァイ、お前だってその方がいいだろ?」

「は、風呂場で汚すの間違いじゃないのか?」

「さぁ、どうだろう」

同僚の嘲笑を飄々とはぐらかし浴室へ向かう。

案の定、シャワーの水音に混じって聞こえる喘ぎ声に辟易しながら、リヴァイは窓に視線を走らせる。

夜は深く、星さえない空に三つの小さな罪が浮かんでいた。






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